議会リポート

2008年3月25日

梶川 みさお

社会民主党の梶川みさおでございます。社民党議員団を代表して、議案第15号については、修正案に反対、原案に賛成の立場で、それと請願第19号については、趣旨採択に賛成の立場で討論を行います。

まず先に、請願第19号から、日本軍「慰安婦」問題に対して、宝塚市議会が政府に誠実な対応を求める請願について、趣旨採択に賛成の討論を行います。

1993年河野官房長官、95年の村山首相の謝罪と決意を覆す2006年中学歴史教科書記述削除、そして2007年安倍首相の発言など、日本の不誠実な態度に対し、アメリカやEUを初めとする各国会議決は日本軍「慰安婦」に対する誠実な謝罪と補償を日本政府に求めています。

私たちは、真摯に世界の声を聞き、心から謝罪の行動をとらなければ、今後も誤った過去を引きずり、次世代に明るい未来を渡すことができません。

先日、私、西公民館で市民集会に参加をしてまいりました。そのときに、大変ショックな話を聞かせていただきました。慰安婦となられた女性の実態報告ですが、朝に20名、昼20名、夜20名、1日に60名の日本軍兵士からレイプを受けて、この女性は夜には足が開いたままで自分の力で閉じられない、こういった、私は本当にショッキングな報告を聞きました。

この中には人権も、人間の尊厳も、全く踏みにじられた許しがたい行為であります。私はこのことを踏まえて、まずは宝塚の市議会から政府に声を上げ、他の自治体、議会に対しても賛同されることを願って、この請願の趣旨に賛成するものであります。

皆さん全員の可決で承認をお願いいたします。

次に、議案第15号宝塚市一般職の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について、修正案に反対、原案に賛成の立場で討論を行います。

今、北山議員と草野議員との質疑がありましたけれども、まず最初に市の職員の給与の決め方、前もちょっと説明しましたが、少しだけ説明をします。

公務員は労働三権のうちのストライキ権が剥奪をされ、その代償措置として、国の第三者機関である人事院というところが公務員の給与を決めて、総理大臣等に勧告をして、閣議で決定をするという、そういった流れになります。

人事院は、具体的にはこれまでは100名以上の企業でしたが、今では50名以上の企業、約1万社の企業の賃金を調査して、国家公務員の給料を決定するものです。

そして、各県等に人事委員会がある場合は、また人事委員会で勧告をするんですが、宝塚市のように人事委員会を持たない市では、この国の人事院が勧告をした、この内容を参考にして労使で交渉をして賃金等を決定するということが決まっております。

次に、地域手当なんですけども、人事院は給与構造の改革として、これまでは全国一律の全国平均の民間賃金を調査をして、公務員の給料を決めておりましたが、これからは地域ごとの給料に変えていくということで、地域の格差をそのまま公務員の給料に持っていくということで、地域給与制度を導入してまいりました。

具体的には、民間の賃金が一番低いと言われる北海道と東北、ここの民間の賃金と、その地域の公務員の給与の格差が4.8%ありましたので、すべての公務員の賃金を一律に4.8%下げてから、民間賃金が一番高いと言われる東京都などに、これまで12%の調整手当を18%の地域手当というものを支給をして、地域の民間との格差を均衡に図るということになりました。

宝塚市は、これまで調整手当が10%の地域ですが、今回の地域手当として12%が支給されることが決定されました。よって、宝塚市の職員の給与は、全体で4.8%下がりましたが、地域手当で2%引き上げられるということで、結果、2.8%が削減されるということになりました。

そして、2006年4月から国家公務員も宝塚市も、給与が4.8%引き下げられました。ここで言います国家公務員というのは、宝塚市にある法務局とか、国の機関で働く国家公務員のことです。地域手当は、この国家公務員は2006年度に11%、2007年度に12%引き上げられました。しかし、宝塚市は財政状況が厳しいという理由とか、県の状況もありましたので、これまで10%のまま据え置かれてきました。そして、このたび、国より2年おくれて、2008年4月から11%、2009年度には12%にすることとあわせて、住居手当一律2,500円の引き下げについて労使の協議が調いました。

今回、地域手当について北山議員から修正案が出されております。また、他の議員の方も職員の給料は高いんではないかというような考えの方もおられると思います。

私は、御存じのとおり、市の職員から議員になりました。率直に言いまして、私は職員のときは、議員の報酬は高いと思っておりました。仕事の中身がよくわかりませんから。しかし、自分が議員になって約1年になりますけども、今になって、決して議員の報酬は私は高いと思っておりません。大変忙しいし、出費も多いし、ありますけども、やっぱりなかなかその辺は実際にその立場にならないとわかりません。

一方で、職員の給料も私は32年間職員をしておりましたから、8年間連続して給料下がっておりますし、手当等も下がっております。正規職員の数はどんどん減って、私は正規職員の給料が決して高いとは思っていません。

それはなぜかというと、民間の平均、公務員の給料が民間の平均と言われてますから、私は公務員の給料が何で高いと思われるのかと思ったら、私たちの身近な周りの民間の労働者ですね、特に非正規の労働者の賃金が非常に安い、そういう方がたくさんおられるから、公務員の給料が高いというふうに見られるわけです。

今問題にしなくてはいけないのは、私は公務員の給料を下げるということよりも、そういった民間の賃金が低い、なぜどんどん低い労働者がふえてきたのか、これを原因を突きとめて、その改善をしていくことが、私は大事ではないかと、そのように思っています。

今、市役所は先ほど言いました、正規職員をどんどん減らされています。さらに多くの議員から賃金が高い、職員を減らせ、民間に委託をせよと、こういうことを攻撃がどんどんかけられて、今、宝塚市の職員は本当に元気がなくなってきております。

議員は職員の給料が高い、職員は議員の給料が高いと思ってる、そういうことをお互いに言っていて、今確かに市の財政状況は厳しいですけども、この厳しい状況を行財政改革を進めていくためには、私は議員と職員が、やっぱりともに汗を流して、ともに協力し合っていく、このことが今一番大切ではないかと思っています。

そういうことで、議員の皆さん、適法な労使交渉の結果であります今回の議案については、全員の一致で賛成していただくことを切にお願いして、私の討論を終わります。

梶川 みさお

社民党を代表しまして、議案第17号、議案第20号、議案第22号については反対の立場で、議案第26号については修正案と修正案以外の原案に賛成の立場で、請願第16号、請願第20号については賛成の立場で討論を行います。

まず、議案第17号宝塚市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定についてでありますが、65歳以上の国保加入者からも、年金から国保料を天引きするという内容ですが、宙に浮いた5,000万件の年金の問題が解決は全くめどが立っていません。そんな中で、掛けた分だけきっちりと支払われていない状況の年金から、保険料だけがきっちりと引かれてしまうということについては、国保加入者、被保険者からの納得は得られないと思います。

また、年金から支払っても、生活ができる人はいいのですが、年金額年額18万円そこそこの人から強制的に天引きするというのは、生存権にかかわる重大な問題です。これまでのように、支払うのが大変しんどい方については、分割納付等ができる制度がない以上、これについて賛成はできません。

次に、議案第20号宝塚市市民福祉金の条例の一部を改正する等の条例の制定についてでありますが、代表質問でも指摘をいたしましたが、社会的に立場の弱い人に対する制度の打ち切りについては、容認できません。障害者自立支援法が制定され、これまで利用してきた外出介護やデイサービスなどが1割負担となったことで、障害者の生活が大変苦しくなり、社会参加が急激に減っています。その上での今回の福祉金の廃止については、障害者の社会参加も含めた、生きていく権利をも奪うものであります。

市当局は廃止の理由に国等の制度が充実してきているからと言われましたが、障害基礎年金が昭和34年で3万円だったものが、昭和61年に75万円になり、現在99万円であるなどが説明をされましたが、年間99万円で生活せよと言うのですか。

また、母子、父子、遺児の家庭については、特に母子家庭の年収が100〜200万円の世帯が多く、この福祉金が廃止されれば、生活が成り立たなくなります。宝塚市の財政が厳しいことはよくわかりますが、たとえそうであっても、社会的に立場の弱い人たちの社会参加と生活援助のための福祉予算については充実をさせていくべきものであって、削減や廃止をするべきものではありません。

阪上市長の弱者救済がスローガン倒れにならないように要望し、この議案について反対を表明します。

あわせて、請願第16号、20号についても、同内容で賛成を表明いたします。

次に、議案第22号宝塚市後期高齢者医療に関する条例の制定についても、反対の立場で討論を行います。

この制度は、代表質問でも言いましたが、高齢者の健康の保持・増進よりも、医療費の公費負担の抑制が主眼であることや、保険料が今後確実に上がること、医療サービスが制限されること、年金から保険料が天引きされることなど、問題点を多く抱えた、本当にひどい制度であります。社会民主党は国政の場でも抜本的な見直しを求めています。

よって、この条例の制定についても賛成できません。

最後に、議案第26号宝塚市立地域児童育成会条例の一部を改正する条例の制定については、修正案と修正案以外の原案に賛成の立場で討論を行います。

昨年の12月議会で採択された請願は、育成料の引き上げについては段階的に行ってくださいとあり、賛成多数で採択されました。地域児童育成会事業は、仕事と家庭の両立の点からも、子育て家庭の支援や少子化対策としても、大変意義のある事業であります。受益者負担の考え方は当然ではありますが、4,000円をいきなり倍の8,000円に引き上げることは、保護者の負担が余りにも大き過ぎます。そこで、激変緩和措置として6,000円に、保育時間延長した場合は1万400円を7,800円にするべきであると考え、修正案に賛成し、討論を終わります。