議会リポート

2008年6月24日

梶川 みさお

社会民主党議員団を代表して、議案第61号宝塚市市税条例の一部を改正する条例の制定について、反対の立場で討論を行います。

これは地方税法の改正に伴う条例改正ではありますが、特に個人市民税の寄附金制度の見直しについてでありますが、寄附金控除の拡大が問題とは言いませんが、今回の見直しは、住民税から大幅に控除をしようとすることに問題があると思います。例えば、高額所得者が多額の寄附をした場合、市県民税が少なくなります。これは負担と受益の関係や、高額所得者にはそれなりの負担を求める税の根本を損なうことにつながると思います。

もう1つは、いわゆるふるさと納税についても、福祉サービスの担い手である自治体の財政が、富裕層の意のままに左右されることに道を開くことになりかねず、財政民主主義の根本に立ち返った議論が必要です。地域間格差の解消は、ふるさと納税のような思いつき政策ではなく、地方交付税をもとに戻してから税源移譲等の根本的な対策が必要であると考えます。

次に、公的年金からの特別徴収制度の新設についてでありますが、後期高齢者医療制度でも市民から大きな不満の1つが年金からの天引きであります。政府の説明では、納税の便宜を図る、納税者の手間を考えた制度と言っていますが、取りっぱぐれのないようにしようという意識の方が強く感じられます。さらに、消えた年金であるとか、宙に浮いた年金問題がいまだに解決されず、支払った年金が満額もらえていない方が多く存在する状況で、保険料や税金だけはきっちりいただくというのでは、納税者の納得は得られないと思います。口座振替と同じように、本人の選択制にするべきです。

以上、地方税法の改正に反対する立場から、議案第61号について反対を表明し、私の討論といたします。

梶川 みさお

社会民主党を代表して、請願第26号と請願第28号の賛成討論を行います。

まず、第26号「後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める国への意見書を提出する」請願についてでありますが、2006年6月、政府・与党が数の力で押し切り、強行採決によって医療制度改革関連法を成立させ、この制度ができました。

この制度のねらいは、医療費が一番かかる75歳以上の高齢者と、65歳から74歳で一定の障害のある人たちを別枠にして、ほかの健康保険と切り離し、操作しやすくしたことであります。まさに排除の論理です。

当初、保険料は多くの方が下がると言われていましたが、所得の多い人が下がり、所得の少ない人が上がるという結果も出ています。

また、年額18万円以上の年金受給者から強制的に保険料を天引きすることも、多くの高齢者の怒りをかっています。

そして、保険料を滞納した場合、保険証を取り上げるというものです。さらに、保険料は2年ごとに値上がりをすることも明らかになっています。

政府・与党も、この問題に対する対策として、保険料の減額措置や子どもなどの口座からの引き落とし等を検討するなど、この制度に問題があることを認めています。

私は、開始されて早々にこれだけの問題が浮上し、これを手直し、手直しを繰り返せば、もっと複雑でわかりにくい制度になってしまうと思います。そこで、この制度は一たん廃止をして、老人保健制度に戻し、各政党が十分に論議をして、国民の合意を得られるよりよい制度をつくっていくべきだと考えています。

以上で、後期高齢者のこの制度の中止・撤回を求める国への意見書を提出する請願に賛成いたします。

次に、請願第28号「現行保険制度の堅持・拡充、保育・学童保育・子育て支援施策の推進に関わる国の予算の大幅増額を求める意見書」提出の請願について、賛成の立場で討論を行います。

この請願項目の中に、現行保険制度を堅持・拡大し、直接入所方式や、直接補助方式を導入しないこととあります。今回、宝塚市で取り組もうとされている認定こども園には多くの問題があります。特に、私立で行う場合、保護者が直接園に申し込み、各園で選考することになり、行政の関与の範囲がなくなるため、これまで実施してきた優先度の高い人から入所できたり、一定の保育の質が確保されることができなくなる可能性が予想をされます。また、施設ごとに保育料を設定するため、園児を獲得するために保育料を高くし、英会話教室、スイミング教室など、オプションをつけるなど、セレブな園ができたり、反対に保育料を格安にすることを売りにする園があらわれる可能性があり、保育内容のどこかにしわ寄せが生じます。これは保育に欠ける子どもは、親の状況に関係なく保育を受けられる権利があり、保育の質が保障される児童福祉法の精神に反するものです。また、国による予算措置も不十分な状態です。

このような安上がりの子育ては、子どもたちの成長に悪影響を及ぼします。ぜひ現在の宝塚の保育制度を、保育・学童保育・子育て支援の向上のため、国の大幅な増額を強く求めていただきたく、私の賛成討論といたします。

梶川 みさお

社民党議員団を代表して、議案第71号及び議案第72号、議案第76号について反対討論を行います。

まず、議案第71号宝塚市立勤労市民センター条例の全部を改正する条例の制定についてと、72号宝塚市立末広駐車場条例の制定についてを反対の討論を行います。

勤労市民センターは、現在、市が100%出資しているアーバンサービス株式会社が管理していますが、今年度末で会社が解散されるということに伴う指定管理者制度の導入であり、一定やむを得ないと思いますが、指定管理者の選定方法について問題があると考えます。

産業建設常任委員会での当局の説明では、価格のみの選定ではなく、予定価格を公表し、それ以下でできる事業者に手を挙げてもらい、プロポーザル方式で選定するとのことで、一定の評価はできます。しかし、この施設だからこそ私が言う政策入札を取り入れるべきだと思います。この勤労市民センターを指定管理者に任せるのであれば、勤労対策の観点から、市外の大手管理会社などではなく、市内の業者に限定し、障害者団体やシルバー人材センター、高齢者事業団など、市内業者団体に絞って選定すべきと考えます。これらの事業所は、障害者や高齢者の雇用を積極的に行っている団体です。少し高くついても、市内の高齢者や障害者の雇用を拡大することが宝塚市の政策と合致し、長い目で見れば宝塚市にとって有利になると考えます。よって、議案第71号及び72号については反対の討論といたします。

次に、議案第76号公の施設の指定管理者の指定についてでありますが、私はこの市営住宅の管理業務については、市が直接業務を行うべきであると考え、12月議会での条例制定に反対をしてまいりました。今回の指定管理者の選定方法については、価格だけでなく、12の評価項目による総合評価方式を取り入れている点については評価いたします。また、今回の指定管理者の実績も一定評価いたします。しかし、この指定管理者が行う業務の中には、個人情報にかかわる事項が多くあり、例えば入居の受け付け、書類審査、入居者データ入力、修正、家賃減免の相談、死亡等による同居者の継続居住等の相談などです。産業建設常任委員会でも、何人かの委員から、個人情報が守れるのかとの意見があったように、非常に疑問があります。市の職員が行ったから100%守れるとは言いませんが、職員には地方公務員法で守秘義務が課せられ、懲戒処分の対象になります。極端な場合は首になるかもしれないということで、抑止力がかかります。民間でも社内規程があると思いますが、公務員ほど厳しいとは思いません。だからといって、市が会社に対してもっと厳しくするようにとは言えません。もう1つは、どうしても市が行う業務が残ってしまうということです。また、指定管理者と市の業務を分ける基準もはっきりしていません。

このようにすべてを任せられないような業務は、本来、指定管理者制度になじまないと思います。責任の所在もあいまいで、将来、市と指定管理者間で責任の押しつけ合いや、市の受け持つ業務が拡大することも予想されます。よって、市営住宅の管理については、市が直接行うべきと考えますので、今回の議案については反対を表明し、討論といたします。