議会リポート

2009年3月26日

梶川 みさお

社民党議員団を代表しまして、議案第1号平成21年度宝塚市一般会計予算について反対の立場で、続いて、議案第8号平成21年度宝塚市特別会計後期高齢者医療事業費予算については賛成の立場で討論をいたします。

まず、議案第1号ですけれども、多くの問題点がありますが、代表して、代表的な問題2点について申し上げます。

  1. 総務費の総合窓口推進事業について

現在、窓口サービス課で行っている入力業務委託を臨時職員が行うことにより約500万円の削減額ができるとのことですが、正規職員の増員も臨時職員の増員も行わないとのことです。

現在、証明書発行業務に携わっている臨時職員が入力業務に移れば、今でも忙しい職場での業務の混乱を招く結果となります。

担当部長にただしたところ、財政削減のみを考え、現場職員には十分な説明、納得が得られず、十分な説明もせず強行しようとしていることが明らかになりました。雇用対策の面からも臨時職員の増員をすべきであり、今回のこの予算については認められません。

  1. 教育費の養護学校スクールバス運転業務委託について

現在3台のスクールバスを運行しておりますが、2台が直営で1台が委託となっています。今回、残りの2台も民間に委託するということで、1,422万9,000円を増額しようとするものです。

現在行っている1台の民間委託は請負契約となっていますが、その実態に幾つかの問題点があり、偽装請負の疑いが懸念されます。

1つは、請負契約の場合、受注業者がマイクロバスを持っていなければなりません。もし市のバスを借りる場合は、その使用料などを支払うための双務契約が必要となりますが、それがないこと。2つ目が、請負契約の場合、すべての業務を業者が責任を持って行わなければならないので、市の職員が直接運転手に指示することはできないため、障害のある生徒の容体が急変したときの緊急事態に対応できないことなどであります。

また、3月4日に文教生活常任委員会で保護者から出されたバスの運行管理を現状維持してくださいとの請願が全員一致で、また、先ほどの本会議でも異議なしで採択をされています。

市教育委員会は、教育の質を低下させず、現状のサービスを維持すると言っていますが、それは偽装請負をしなければ実行できません。このような養護学校におけるスクールバスの運行業務については、民間委託になじまないことは明らかです。よって、この予算についても認められません。

以上により、議案第1号について反対を表明します。

次に、議案第8号平成21年度宝塚市特別会計後期高齢者医療事業費予算について、賛成の立場で討論を行います。

今年度一定の改正はされたものの、昨年4月15日より始まった年金からの天引き、医療サービスに制限があること、保険料は都道府県後期高齢者医療広域連合間で格差があること、扶養家族からも保険料を徴収すること、滞納者から保険証を取り上げ、窓口で一たん全額を支払わなければならないことなど、多くの問題を抱えたままスタートした後期高齢者医療制度。

そもそも、この制度は高齢者のためではなく、医療費の削減という財政的な目的であったことから、私たち社民党は制度廃止と、もとの老人保健制度に戻して抜本的な見直しを訴え続けています。

しかしながら、今回提出された予算案を否決した場合、2万2,153人の対象者が医療現場での混乱に巻き込まれることが予想されます。

よって、今後国レベルへの訴えを続けることとして、この議案については賛成を表明して、私の討論といたします。