議会リポート

2009年9月29日

梶川 みさお

社民党議員団の梶川みさおです。傍聴に来られた方、大変お待たせいたしました。それでは、通告に従いまして、3つの項目について質問いたします。

  1. 保育所民営化の後期計画について

宝塚市は2008年4月に、多くの保護者や市民の反対を押し切って山本南保育所を民営化しました。受け入れた法人はあひる福祉会であります。

この件について、私は2007年6月議会で質問をしています。民営化の理由として、当時の阪上市長は、同じサービスを提供できるなら経費が安いほうという趣旨からその正当性について答弁していましたが、同じサービスという根拠のない無責任な発言として私は反対をしてきました。さらに、保護者も保育士も民営化は子どもにとって影響が大き過ぎると反対してきました。

その後、10回も市と保護者との話し合いが持たれ、保育所部会も同席をしています。当然、その準備として、それぞれの組織でも会議を何回も重ねています。市の担当部局も相当な時間を費やしたと思います。しかし、それだけの労力をかけたにもかかわらず、信頼関係は深まるどころか不信感が拡大する結果となりました。

財政が厳しい状況での市政運営は、市民と行政が信頼関係を大事にして進めていかなければなりません。このことは当局も同じ見解を示しています。

不信感が拡大した主な原因は、話し合いの中で、保護者の質問に対して担当部長や室長が的確に答えず、同じ答弁を繰り返し、保護者の不満を増大させる対応をしたからであります。私も同席した話し合いでは、保護者の怒りの声が飛び交っていました。

このような状況で、保育所民営化の後期計画の時期が迫っていますが、再びあのような事態を繰り返すのですか。民営化計画書にも、前期に実施した民営化の評価を踏まえ、前期期間内に改めて検討を行うと明記されています。そのことを踏まえてお伺いします。

    1. 山本南保育所の民営化の評価について
      1. メリットとデメリットは何か
      2. 民営化に伴い、どれだけの経費が削減されたのか
      3. 子育て支援の充実に、どれだけの経費をかけたのか
      4. 保護者、園児、法人は、どう感じていると思うか
    2. 後期計画を実施することについて
      1. 一度立ち止まって、検証するべきではないか
      2. 仁川団地の保育所新設の件はどこまで進んでいるのか
      3. 後期計画を実施する場合、財政効果はどれくらいと試算しているか
    3. 今後の保育所運営について
      1. 公立と私立の比率はどれくらいが望ましいと考えているか
      2. 民間保育所への財政的支援を図るべきではないか
      3. 待機児童解消のために保育所を増やすことが先決ではないか
    4. 中川市長は、民営化計画をどのように考えているのですか

以上、的確な答弁を求めます。

  1. 勤勉手当等訴訟の大阪高裁判決を今後の行政にどう生かすのか

そもそもこの裁判は、平成18年8月9日、宝塚市長に対し、勤務評定を行わずに支出された平成17年度の勤勉手当及び昇給差額分の返還を市職員に対して請求することを求める住民訴訟を神戸地裁に提起したものです。そして、ことしの2月13日の神戸地裁判決は、勤務評定に基づかない平成17年度の定期昇給と勤勉手当の支給については違法、そのお金を得た職員は不当利得と認定しました。この判決を受けて、勤務成績の給与への反映を急ぐべきと原告は強く主張しています。

一方で、原告が主張する10億5千万円の支払いまでは示されていないため、原告は控訴しました。そして、8月5日に大阪高裁の判決が出されました。その判決は、違法性はない、本件控訴を棄却すると一審の判決を覆すものでした。

この判決を踏まえて質問いたします。

    1. 勤務評定の本来の目的は何か

市の見解を聞かせてください。

    1. 人事評価制度の課題について

新たな人事評価制度について、現在、労使で小委員会が持たれ、協議が進められています。しかし、なかなか難しい問題が山積しています。大阪高裁判決でも述べられていますが、一口に公務といっても職務の内容は多様であり、反感もあり、客観的な評価基準を設けることは甚だ困難である上、評定者の主観的評定も排除する必要がある。勤務評定が適切に行われなければ、それが職員の人格評価になったり、職場における差別を生み出す結果となり得る。職員に勤務評定制度が公平なものであるとの信頼が得られなければ、その一方的な導入は職員の士気をそぎ、職場に混乱をもたらすにすぎないから、その導入には職員の理解が必要であるとあります。

そこで、お伺いします。

      1. 公務職場における評価の困難性について
      2. 公平・公正、透明、客観、納得の4原則、これは自治労の主張している4原則です。主張の4原則の確保について

どのように考えているのですか、お聞かせください。

    1. 処遇への反映の問題

公務員の場合は、評価が非常に難しいし、公平性や納得性が確保されずに処遇に反映されたら職場における差別を生み出す結果となり得ると高裁の判決でも述べられています。

これまで成果主義や能力主義を取り入れてきた多くの企業も、予想に反して業績が落ち込み、組織が活性化するどころか衰退する結果となり、取りやめた例も少なくないと聞いています。

厚生労働省の平成13年就労条件総合調査でも、総従業員数1千人以上の大企業で78.2%が成果主義を採用しています。そして、うまくいっている企業はわずか10.6%しかありません。実に72.8%が、何らかの問題があると答えています。

そこでお伺いします。

処遇への反映で、組織への影響についてどのように考えているのですか。

以上、答弁をお願いします。

  1. 請負契約について

宝塚市は、都市経営改革行動計画の一環としてアウトソーシング推進計画を推し進めています。この理念が何でもかんでも民間に委託すればよいというものであり、そこにはその事業の将来ビジョンもなく、サービスの低下もお構いなしです。中には法律に抵触する疑いのものもあり、私は異議を唱えています。

特に偽装請負については、2007年9月と12月の一般質問で窓口サービス課の問題と資産税課の問題を取り上げました。窓口サービス課は市が直接雇用しましたが、資産税課については労働者を一方的に大阪の事業所に配置転換してしまいました。

また、ことしの3月の予算特別委員会では養護学校のスクールバスについて質問をしました。現在、3台中1台を委託しており、残りの2台も直営から委託に変える計画をされています。しかし、保護者から運行管理の現状維持を求める誓願が3月議会に出され、全会一致で採択されています。3月16日の予算委員会で、私の市が所有するマイクロバスを受託者が使う場合は双務契約が要るはずだとの質問に対し、比嘉室長は、県の労働基準監督署に確認したところ、管理すべてを業者に委託する場合は双務契約は要らないと伺っている。したがって双務契約はしていないと答弁されました。

また、3月17日の総括質疑では、当時の徳田部長は、職業安定課に確認したが、双務契約は必要ないと確認していますと答弁されました。

そんなはずはないと思いまして、9月10日に私の仲間が労働局に直接出向いて確認してきました。

まず、担当は、労働基準監督署でも、労働局職業安定課でもなく、労働局職業安定部需給調整事業課でありました。その担当者にお聞きすると、労働局が双務契約が不要と断定することはないです。市のバスを無料で使うということが常識的にもおかしい。告示37号を示して、ここに記載があるとおりですと答えるのが通例です。また、仮に監督署に尋ねても、双務契約は不要とは言わないという返事でした。

そこでお伺いします。

双務契約は要らないと言われたのは何課のどなたでしたか、答弁を求めます。

次に、療育センターは来年4月からと、移動図書館BM車については既に運転業務を民間に委託されていますが、養護学校と同じように偽装請負の疑いがあるのですが、その点、問題がないと思っているのですか。それぞれ答弁を求めます。

以上で1次質問を終わります。

中川智子 市長

梶川議員の質問に順次お答えしていきます。

まず、保育所民営化の後期計画についてのうち、山本南保育所の民営化の評価についてですが、本市では、平成20年4月に市立山本南保育所の運営を社会福祉法人あひる福祉会に移管し、その後の保育状況等を把握するため、同年6月に市、法人、保護者で構成する三者協議会を設置し、実際の保育内容や子ども、保護者の様子について、また移管条件の遵守についてなど、確認を行いました。現在、これらの内容を検証報告書として取りまとめているところですが、メリット、デメリットは何かについては、保育所運営経費が削減されたほか、移管後の午後8時までの延長保育や在宅家庭を対象とした一時保育の実施により、保護者や在宅親子への支援の充実が図れたことはメリットであると考えます。

また、この民営化を通して、保護者や法人、市保育士、行政などさまざまな人が、互いの立場や思いを推しはかりながら議論を重ね、それぞれにつながりができたことも、今後の保育行政を進めるに当たって意義のあったことだと考えます。

一方、子どもに負担をかけないような引き継ぎを行うこととしていましたが、移管前後に子どもが不安定になり、親も不安になったとの意見もあり、そのような気持ちを抱かせたことはデメリットと考えられますが、移管後の保育については特に大きな問題もなく、スムーズな運営がなされていることは、三者協議会の場でも確認されたところです。

次に、民営化に伴いどれだけの経費が削減されたかについては、平成19年度決算額が約1億8千万円でしたが、民営化した平成20年度の歳出決算見込み額が約1億800万円で、約7,200万円の経費が削減されました。

次に、子育て支援の充実にどれだけの経費をかけたのかについては、民営化計画では、民営化によって生み出された人材や財源を活用し、待機児童の解消も含め子育て支援施策を推進することとしていますが、まず待機児童解消に努め、平成20年11月に定員90名の野上あゆみ保育園を開設しましたが、これに要した費用は約2億6,200万円で、そのうち市の負担は約5,300万円です。

また、地域子育て支援事業を市内全域で展開するため、今年度はモデル事業として私立保育所3園で子育て支援事業を実施しています。これらの子育て支援事業に要した費用は約400万円となっています。

次に、保護者、園児、法人はどう感じていると思うかについては、全保護者に対して、民営化そのものや引き継ぎ期間、子どもの変化、移管後の保育所の運営等についてアンケートを実施しました。引き継ぎ期間については、十分でなかったなどの意見がありましたが、心配していた移管後の子どもの様子については、環境の変化に少し甘えが出たり、朝ぐずって泣いたりという姿があった一方、以前より楽しんで体育遊びなどに取り組んでいるという意見が多く寄せられました。

また、保育所運営や職員の保護者対応については、満足度は高く、約90%の保護者が、職員がよく声をかけてくれ、子どもの様子を細かく知らせてくれるので、ともに子育てをしているという気持ちになれるなど、職員に対して信頼を寄せている様子がうかがえました。

また、4月以降の保育運営はおおむね円滑になされていたという意見がある一方で、引き継ぎ期間の余裕と十分な人員配置など、法人園への配慮もしてほしいとの意見も聞かれました。

法人に対してのヒアリングでは、一番苦労したことは職員の確保であり、引き継ぎ保育などを含め、民営化に際しては、当該園の子どもたちと法人本園の子どもたち双方への最大限の配慮の必要性を感じたとのことです。

保育については、移管後大きな混乱もなく過ごせたことは市保育士が残ってくれたことで子どもが安心していたこと、また保護者への対応などフォローをしてくれたことが大きな安心材料であったとの報告がありました。

今回の民営化については、引継ぎ期間などの課題はありますが、保護者を初め法人、市職員等、関係者全員が、よりよい民営化を目指し、互いの立場や思いをぶつけ合い、尊重し合いながら進めてきたことで、子どもたちが笑顔いっぱい、元気に毎日を過ごしていることを確信しています。

次に、後期計画を実施することについてのうち、一度立ち止まって検証するべきではないかについてですが、平成20年4月に山本南保育所を民営化し、同年6月に三者協議会を設置して第1回目の協議会を開催してから本年9月の第6回目の協議会まで1年6ヵ月にわたり、山本南保育所の民営化の評価について検証作業を行ってまいりました。私としましても、その結果も踏まえ、一度立ち止まって検証したいと考えています。

次に、仁川団地の保育所新設の件はどこまで進んでいるのかについてですが、仁川団地の建てかえ開発計画に際し、URから都市再生機構法第14条及び26条に基づく公共ゾーンの確保について市に照会があり、平成19年8月にその一つとして、保育所用地の確保に配慮することまたは私立保育所の誘致整備について検討することと回答しました。

その後、仁川団地の建てかえ開発事業の進捗状況等について、何度か事務レベルで意見交換を行いましたが、具体的な進展はありません。

次に、後期計画を実施する場合、財政効果はどれぐらいと試算しているのかについてですが、後期計画を策定するに際しては、単に前期期間で実施した山本南保育所の財政効果に着目するのではなく、三者協議会での議論からも、そこに通う子どもの最善の利益に配慮するという視点が一番大切であると考えております。したがいまして、現時点では財政効果の試算は行っておりません。

次に、今後の保育所運営についてのうち、公立と私立の比率はどれくらいが望ましいと考えているかについてですが、現在、本市の認可保育所は公立8園、私立は2つの分園を入れ15園ありますが、大切なことは、保育所の数の違いではなく、それぞれの立場での役割を明確にし、地域の保育所として地域に根づいた活動を推進していくことであると考えます。

一般的に、公立保育所はその市町村の保育水準を示すとも言われていることから、本市としましても、保育の質を維持し向上していくための役割を公立保育所が担うべきだと考えます。

一方、私立保育所は、それぞれの法人の基本理念に沿って運営されており、利用者のニーズに柔軟に対応できることから、それらを生かし独自の保育サービスの展開を図っていくという役割があります。

今後は、公立、私立保育所の連携をさらに強化し、それぞれが役割を担いながら、互いに切磋琢磨し、保育の質の向上を目指し取り組んでまいります。

次に、民間保育所への財政的支援を図るべきではないかについてですが、三者協議会で民営化の検証を行う中でも、公私間格差の解消に向けて取り組むことが必要との意見も出されました。

本市では、保育水準の維持向上のため、独自に配置基準を定め助成を行っており、今後も引き続き、私立保育所への適切な支援を行ってまいります。

次に、待機児童解消のために保育所をふやすことが先決ではないかについてですが、本年4月1日現在の待機児童数は62人となっており、ここ数年微増傾向にあります。この間、本市においては、たからっ子「育み」プランの前期計画によって、平成19年4月には宝塚ひよこ保育園を、平成20年11月には野上あゆみ保育園を開設したことにより、150人の定員増の目標を達成しました。また、西谷地域の保育ニーズに対応するため、本年4月には西谷認定こども園を開設いたしました。

しかしながら、前期計画期間において160人以上の定員増をしてもなお待機児童が解消しないことから、さらなる対策が必要であると認識しており、本年度に策定する後期計画で、保育所整備を含む多様な待機児童対策を検討してまいります。

次に、中川市長は民営化計画をどのように考えているのかについてですが、宝塚市立保育所民営化計画は、平成16年4月の宝塚市立保育所の運営のあり方についての宝塚市社会福祉審議会の答申を踏まえ、市立保育所のさらなる充実を図るとともに一部を民営化すること等により、保育施策、子育て施策の一層の充実を目指すことを目的とし、その計画期間を平成17年度から平成26年度までの10年間として定めたものです。

その中で、さらに平成17年度から平成21年度を前期、平成22年度から平成26年度を後期として、前期に1園、後期に2園の民営化が適当であるとし、平成20年4月に山本南保育所の民営化を実施しました、

また、後期の2園の候補として挙がっている仁川保育所と逆瀬川保育所は、いずれも老朽化しており、近いうちに建てかえを必要とする施設です。しかしながら、整備については、現在の国の補助制度では公立による場合は一切の助成がなく、私立の整備のみ適用があります。

後期の民営化計画の策定については、さきにも述べましたが、一度立ちどまって子どもの最善の利益への配慮をまず一番に考えた上で、三者協議会での山本南保育所民営化の検証結果や国の補助制度、さらには本市の財政状況等を勘案し、総合的に判断していきたいと考えております。

次に、勤勉手当等訴訟の大阪高裁判決を今後の行政にどのように生かすのかについてですが、勤務評定の本来の目的は何かについては、地方公務員法第40条第1項の規定に基づき、職員の執務について定期的に人事評価を行うことにより、能力及び実績に基づく人事管理を行うとともに、職員の主体的な職務遂行及び能力開発を促進し、効果的な人材育成を推進することを目的とするものです。

次に、人事評価制度の課題についてのうち、公務職場における評価の困難性についてですが、公務職場の特性として、職務内容や職種が多種多様であること、収益等による明確な評価ができないことなどがあり、そもそも公務職場における評価は困難であるといった議論もありますが、公務員であっても市民の行政ニーズに対応し、的確なサービスを提供する主体であることに違いはなく、日々の職務遂行における能力及び行動の発揮状況は評価できるものと考えています。

次に、公平・公正、透明、客観、納得の4原則の確保についてですが、人事評価制度が今後職員間に定着し、人材育成のツールとして活用されるためには、公平性、透明性、客観性及び職員の納得性が担保されなければならないと認識しています。また、民間企業において、成果のみを評価し、社員の日ごろの職務遂行能力を評価せず、人材育成のツールとして活用できなかった例もあることから、本市の人事評価制度では、日ごろの職務遂行能力に重点を置いて評価することとし、これにあわせて成果評価も行うこととしています。

また、人事評価制度について、公平性や透明性、客観性及び職員の納得性を担保するため、市職員労働組合と本年7月から人事評価制度小委員会を設置し、議論を行っているところであり、小委員会での議論を踏まえて人事評価制度の定着化を図ってまいります。

次に、処遇への反映で組織への影響については、厳しい財政状況の中、市民はこれまで以上に質の高い行政サービスを求めており、組織としてどのような成果を上げてきたのかが強く問われています。

組織としての成果達成を継続的かつ安定的に実現していくためには、職員一人一人がみずからの資質向上を図り、能力を最大限に発揮し、市民の期待にこたえる使命感を持って職務に遂行することにより、活力に満ちた職場風土を醸成することが必要であると考えています。

現在実施している人事評価制度は、職務において発揮した能力、市民への貢献度、目的の達成度等を評価するだけではなく、その結果を職員にフィードバックすることにより、各職場におけるコミュニケーションの活性化を図るとともに、みずからの強み弱みを自覚し、職務遂行に必要な能力を伸ばすという人材育成や自己実現につなげるものです。また、その結果を処遇へ反映することにより、努力した者が報われる、そのような職場風土が醸成されるものと考えております。

次に、宝塚市における請負契約についてですが、療育センターのスクールバス運転業務については、本市におきましては限られた財源と職員で質の高いサービスを提供が可能な、簡素で効率的な行政運営ができるように取り組んでいるところです。その具体的な取り組みの一環として宝塚市アウトソーシング推進計画を策定し、療育センターマイクロバス運転業務につきましては平成22年度から実施する計画です。

実施する場合には、契約のあり方や送迎中の子どもの安全の確保、療育上の面でも問題が生じないように十分に留意したいと考えています。

教育に関する御質問につきましては、教育長から答弁をいたします。

滝浪泰 教育長

梶川議員の教育に関する御質問にお答えします。

宝塚市における請負契約についてのうち、まず養護学校のスクールバス運転業務についてでありますが、本件は、平成20年8月に策定しました宝塚市アウトソーシング推進計画に基づき、養護学校児童・生徒の送迎バスの運転業務について、現在3台のスクールバスのうち1台について民間委託しているものを、平成21年度から残り2台についても拡大しようとしていたものであります。

しかしながら、市職員労働組合との協議が継続していることもあり、本年4月からの委託については見合わせているところであります。

次に、双務契約が必要でないことをどのように確認したのかについてでありますが、平成19年12月4日に当時の教育委員会事務局総務課の職員が兵庫労働局職業安定課に電話で確認したところ、車両運行管理業務の場合は、受託者が運転者の提供のみならず委託者の車両の管理全体を行い、範囲を契約書に明記しておれば、双務契約も必要なく、請負契約で構わないとの回答を得たものであります。

また、現場で運転者へ直接指示が出ているのではないかとの御指摘ですが、生命に危険が及ぶような緊急事態においては運転者の判断による業務の変更は可能であると認識しておりますが、さきの双務契約の点もあわせて、再度確認し、必要があれば契約内容を変更してまいります。

養護学校のスクールバス運転業務の委託については、養護学校保護者の皆様が署名を集められるなど、市直営での運行に強い御要望があります。それらも踏まえて、より適切な内容となるよう引き続き検討してまいります。

次に、移動図書館車(BM車)の運転業務についてでありますが、この業務は、2週間に1度の割合で市内25ヵ所のステーションを巡回しているものであり、これについて、市のアウトソーシング推進計画に基づき、民間活力の導入を図ろうとするものであります。

現在、近隣市での実施例等について調査検討を行っております。

なお、委託を検討している業務は、現在実施しております運行管理業務及び貸し出し・返却等の図書館業務全体で、これらを一括して委託することを検討しておりますので、偽装請負等のおそれはないものと考えております。

以上でございます。

梶川 みさお

それでは、2次質問をさせていただきます。

まず、保育所の民営化のメリット、デメリットですけれども、今、市長からありましたけれども、私は、やっぱりデメリットの一番大きいことは保護者との信頼関係が壊れた。さらっと答弁されましたけれども、これは2年前に質問しましたけれども、やっぱりスタートから間違っていることです。まず、原案をつくるときに現場の保育士抜きで作成したこと。2つ目が、社会福祉審議会のメンバーに元市の部長2人が入って、子育てのことは全く語らずに、市の財政が破綻する、そればっかりを主張していました。私も傍聴していましたけれども、社会福祉審議会の中で議論するというのは、子どもにとってどうなのかという話がなかったらいかんのですけれども、この元2人の部長は、市の財政がもうどうしようもないねや、そればっかり言って、子どものこととか保育のことというのは全く語られていませんでした。だから、要はメンバー選定が間違ってますね。社会福祉審議会のメンバーとしては的確性を欠いていました。

それと3つ目が、パブリックコメントの意見がほとんど反対の意見が出ていましたけれども、当時の部長は、反対が多いからといって白紙に戻すというものではないということで、パブリックコメント条例の趣旨に反することを発言してはりました。

だからこれは、要は最初から民営化ありきで、社会福祉審議会の答申をもらうためにそういった部長、民営化を進めていくために発言してくれるような部長を入れて、パブリックコメントでもほとんど反対だったんだけれども、白紙に戻すつもりはないとか言っていましたね。だから、もう民営化ありきでした。

先ほど市長が言われた平成16年4月28日に宝塚市立保育所の運営のあり方についてという社会福祉審議会がつくった中に附帯意見がありまして、民営化に当たっては、情報の公開、保護者や市民の意見や要望を聞きながら、信頼関係のもと進めていくことということに私は反していると。だから、何回も何回も説明会は10回しましたけれども、これは、もう要は説明会を開いたという既成事実をつくるためだけにやっていましたね。先ほど私、言いましたように、当時の部長と室長は話し合いの中で、保護者の意見、質問に対して的確に答えられなかった。同じことばかり言うて、保護者はだんだん声が荒くなって、こんなん何回やってもどんどん信頼関係が壊れるようなことになっています。

あともう一つは、保護者、保育士、子ども、その負担が大きかったというて先ほど市長、言われましたけれども、引き継ぎ保育を結果的に保護者も問題にしているのは、保育士がごろっとかわってしまったら子どもに与える影響は大きいから、引き継ぎをちゃんと十分とってください、1年とってくださいと言っていました。結局は平成20年1月〜9月末まで9ヵ月かけて引き継ぎをやっていますけれども、この間、先ほど市長言われたけれども、公立の保育士とか私立の保育士とかの頑張りというのはありました。

だけど、精神的に物すごくしんどいという声は聞いています。公立同士の保育士でも、他園から応援が来たらそれはそれで大変、保育所が違うからね。民間と公立で保育士が一緒にやるというのは大変しんどかったという声は保育士から聞いています。このあたりは数字に出ないし表に出ませんから、ここらあたりのデメリットというのは大きいと思います。特に子どもはやっぱり敏感ですから、保育士同士が違う保育所から来ている、公立の先生もいてはるけれども民間の先生もいてて、いわばチームワークですから、ちょっとうまいこといってないと子どもは敏感ですから、その間に不安定になった子どももいるということを先ほど言われました。

あともう一つは、人件費、先ほど7,200万円浮いたと言われたけれども、それはすべてほとんどが私立保育所の保育士の人件費です。山本南保育所、今のあひる福祉会の保育士さんは、一生懸命子どもの発達を目指して本当に頑張ってはるようです。だから特にそんな大きな問題は起きていないみたいですけれども、やっぱり自分の給料というか、生活するのにきちっとした報酬をもらっていなかったら、保育のために専念できないというか、生活の不安があったらそういうことがやっぱり……。これは、皆さん当局が言っているように、何かごっつい民間委託したら安く上がるということばっかり言っていますけれども、そこで働いている人の人件費をこれ以上どんどん下げることが本当にええんかどうか。特に、保育という仕事は物すごく大変な仕事だし、今、時代のニーズがごっつい高いのに、その割に給料が安いということが、私は民間委託を進めていくとどんどんそれが定着してきて、それで公立の保育所の保育士の給料が高過ぎるというようなそういう発想になってきますから。

私、法人の方に聞いたんですけれども、公立の保育所保育士の給料は高いと思いますかと言うたら、決して高いとは思わんと。民間が低過ぎるんやということははっきり言うてはりました。そのあたりを、今3つ言いました、デメリットをね。経費が削減されたというのをメリットと言われましたけれども、逆のデメリットがあります。

このことについてどう考えられますか。

山下稔 副市長

今回の保育所の民営化につきましては、さきに答弁をさせていただきましたが、20年4月に山本南保育所の民営化を行いましたが、その後、この経過あるいはその結果につきまして三者協議会を設置いたしまして、1年6ヵ月の期間で検討を加えていただきまして、民営化の評価について検証作業を行ってまいっております。その報告を間もなく取りまとめるということになっておりますので、まずはその検証結果につきまして、市長が中心になりまして内部で検証をしてまいりたいというふうに考えております。

それから、その中での削減額の算出の関係でございますが、今回7,200万円の効果があったという答弁をさせていただいておりますが、これは、19年度の公立時代の山本南保育所保育所の運営費の決算額、それと20年度の山本南保育園での決算見込み額との差が7,200万円ということでございますので、それぞれ市の歳出ベースに基づいて削減額として7,200万円と見込んだものでございますが、御指摘のように、そのほかにも民営化に際しましては別途に市が負担している部分がございます。少し調べましたが、引き継ぎに係ります法人職員の人件費が約520万円、また、移管後の延べ27ヵ月間の間、市の保育所も平行して配置をしておりますが、そのための職員人件費が480万円ということで、合わせまして約1千万円が別途、今回かかっております。

また、少し細かな話になりますと、民営化に係ります業務といたしまして、引き継ぎの書類作成あるいは会議の出席、それらの事務費、あるいは時間外勤務が若干あろうかと思いますが、それは含んでおりません。

以上のような考え方でございます。

梶川 みさお

後で言おうと思っておったんですけれども、要は7,200万円、その数字だけぼんと出されると、民営化したらすごい金が浮くやないかということですけれども、やっぱりそれに伴う見えないというか、また別のところで職員の残業手当やら、昼間ほかにやらないかん仕事があんねんけれども、民営化のための資料をつくるために昼間職員がそれを働いていますよね。そういった数字もやっぱりきちっと出さないとだめやと思います。

それと、ちょっと法人の職員に聞いたんですけれども、今どんな状況ですかというたら、公立の場合、用務員さんがいてましてん。用務員さんがいない。それから夏、保育士が研修するために夏季研修等の代替要員、プール要員と言っていますけれども、その職員も、臨時職員ですけれども、その職員もついていませんから、研修は一体、私立の場合いつするのかなと思います。

それから、先ほど市長は私立保育所に財政支援をやっていると言っていましたけれども、ことしの4月から100万円削られているんですね。私は150万円と聞いたんですけれども、ちょっと担当に聞いたら100万円やと。100万削られています。

そういうことで、本当に2年前に阪上市長が言ったサービスが一緒やったら経費が安いほうがいいというのは、それは誰が聞いたってわかるんですけれども、これで本当にサービスは低下していないのか、保育の質は本当に守れるのか、このあたり、前も何回も聞いたんですけれども、これだけの財源が浮いたというところについては、やっぱり職員の人件費を下げた、それから今まで配置されていた職員が配置されていない、そんなことも含めて、私は同じサービスが提供できているということは言えないと思うんです。

簡単に、新谷部長が言いはったら長いから、山下副市長どうですか。

山下稔 副市長

現場を一番よく知っております担当部長の答弁が適切かと思いますが、先ほども申しましたように、三者協議会でもちまして1年半にわたって検証をしております。その中ではいろいろな御意見も賜っております。個々の問題すべてを私が承知しているわけではございませんが、やはりメリットもたくさんあったと思いますし、デメリットとして厳しい御指摘を受けている部分もあろうかと思います。

それらを踏まえて、改めて市長を交えまして内部的に検証していきたい、確認をしていきたいというのが今の現状でございます。

梶川 みさお

ちょっと私の聞いていることに答えてもらっていないんですけれども、市立山本南保育所の民営化検証報告書、これ私読ませてもらいまして、先ほど私の質問の中で、子育て支援事業にどれだけのお金を使ったかということで、これに書いてあるのは、民営化することで公立の保育士が余剰ができて、その保育士がほかのいろんな事業をやるという、それで子育て支援の充実を図ると当初言うてはたんやけれども、ここに書いてあるのは、途中退職者が予定より多かって、それが十分できなかったということを書かれています。

これ、ずっと民営化するために、子育て支援の充実のためにやるんですよと保護者に説明しておいて、ふたをあけたら退職者が予想よりふえたから子育て支援の充実はできなかったというのは、これは私は市民を欺いたことになると思うんですよ。予定より退職者がふえたら、その分の人件費はもともと予定しておってんから、新たに退職者の人数だけちゃんと採用して予定どおりちゃんと子育て支援の充実のために配置するのが当たり前なんちゃうんですか、そのあたりはどうですか。

新谷俊廣 子ども未来部長

今御質問の件ですが、当初の計画では1園民営化することによって14名の子育て支援保育士が発生するので、そのことを子育て支援に充てるということにしていました。結論的に申しますと、山本南保育所を民営化するに対して、やっぱり子育て支援というのは大事だということで、我々の考え方としては、それぞれ公立に配置しておるように、私立の全園にも子育て支援の事業が実施できるような体制を築いていきたいということを考えています。

今年度については、モデル的に3つの私立園に1園150万円の補助という形で子育て支援の充実に取り組んでおるということであります。

梶川 みさお

だから、公立の山本南保育所でやっていた子育て支援の保育士を民間に移したから子育て支援の保育士がおらんようになったけれども、それを配置したから充実したという言い方は、それは間違っていますやん。公立の保育所がやっていたやつをそのまま同じサービスを提供して、さらに浮いたお金でもっと充実させるという話やったんやから、今の言うている話は、子育て支援保育士を配置するのは当たり前、特に山本南保育所はね。公立のやっていたことやねんから。もう新谷部長、答弁はいいですけれども、そのあたりはちゃんと確認しておいてください。

最後、市長は一度立ちどまって考えるというふうに言っていただきました。きょう保育士さんも傍聴に来てはりますけれども、やっぱり中川市長に対してごっつい期待をしてはります。市長は、子ども、高齢者、障害のある人が健康で住みなれた地域で暮らし続けることができる安心の宝塚にしますと訴えて、そのことを願う市民に支持されて市長に就任されました。特に、学校給食や保育所の運営については直営が望ましいというふうに考えてはると思うんですけれども、再度、市長のほうからもう一回市長の思いを訴えていただけますか。

中川智子 市長

私もライフワークとして学校給食の民営化反対運動を長年やってまいりました。そのときに、宝塚市は日本で初めて学校給食を民営化した市でもありまして、そのときの行政側の言い分は、民営化しても質が変わらないようにするということでした。しかしながら、質は当座は同じように見えても、だんだんそれが低下してくる。それは、民営化というのはある意味ではお金を削る、安上がりにする。特に子どもが直接その恩恵を被るべき給食であるとか保育園に関して、お金をある程度きっちりかけないと私は質が担保できないというふうに思っておりますし、それは人材であろうと思っております。ですから、私自身は一歩立ちどまってという言葉にすべてを託しております。

やはり、今の国の動向も、一つには子育て支援を大きくマニフェストの中で書いてありますし、待機児童をなくしていくさまざまな施策を国のほうもいわゆる政権交代の中で言っております。そのことを受けまして、私もしっかりと国への要望、公立に対しては今、本当に補助金、お金が出ないという状況の中で、公で担うもの、特に子どもに関するところには予算をしっかりつけてほしいという国への要望もしっかりあわせてやっていきながら、一番子どもに関係するところは公が担うということについて前向きに取り組んでいきたいと考えております。

梶川 みさお

ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

時間がないので、次、勤勉手当等の問題ですけれども、私、勤務評定の本来の目的なんですけれども、処遇に格差をつけるというのが最終目的ではなくて、職員全体のレベルアップを図ることで市役所組織の活性化にもつながって、それが市民サービスの向上、すなわち市民の利益となるものだと思っています。地公法40条にも、評定の結果は、職員の能力、資質の向上を図る研修計画を策定する上での重要な資料であるとも解説されています。

拙速な処遇への反映は、勤務評定の本来の目的、レベルアップということからすると逆行する危険性があると思いますが、再度、市の考えをお聞かせください。

山下稔 副市長

勤務評定の目的でございますが、さきに市で持っています人材育成基本方針におきましても、人事評価制度は職員の一人一人が自分の弱みあるいは強みを自覚いたしまして、みずからの職務適性を認識いたしまして職務遂行に必要な能力を伸ばす、そういった人材育成あるいは自己実現につなげることを目的としております。

御指摘のように、私どもも単に勤務評定を行い、その結果を処遇の資料とするだけが導入の目的ではないというふうに考えております。

現在実施しております人事評価制度につきましては、その職務において活動していただけました能力あるいは目標の達成度、そういうものを評価いたしまして、その評価だけじゃなくして、その評価を面接を通じて担当職員にフィードバックする、そういうことによりまして職場内の活性化を図るということも大きな取り組みと考えております。そういうことで個人の能力の向上あるいは職場の活性化につなげていくということが何よりも大切であるというふうに考えております。

梶川 みさお

ここに東京大学教授の高橋伸夫さんという方の「虚妄の成果主義」という本を読んでいまして、ここには2004年1月、ちょっと古いですけれども、企業でも、営業部門以外の部署で個人の業績の成果を定義をすることは至難の技であろう。たまたまよい仕事にめぐり合って力を発揮する人もいるだろうし、不運につきまとわれてなかなか芽の出ない人もいる。そのような状態で処遇に差をつけられたら、不満が拡大して仕事への意欲が損なわれる。よって、成果主義は百害あって一利なし。そこまで言われています。

市役所の中でも、前の昇格選考制度でも私、指摘しましたけれども、やっぱり3階の企画総務部門と2階の事業部門、それから出先とか技術職、技能員も保育士も幼稚園の教諭も、これ全体の評価というのは非常に難しいと思います。だれか1人が2千何人おる職員すべて把握してやらないと、職種ごとにとか職場ごとに評価ができても全体で、2階の職員とか3階の職員でどっちも頑張っているけれども、この2人の評価をどないしてするのか非常に私は難しいというか、できへんというか、よっぽどでないとできませんわね。

もう一個、富士通の元社員の「『成果主義』の崩壊」という本も読みまして、これは、何で富士通が成果主義が崩壊したかというのをちょっと紹介しますけれども、基本的には、成果主義というのは財政、お金を削るための目的が民間の場合特に大きいんです。だから相対評価して、予算の超えない範囲で差をつけるという、これは宝塚市も私は一緒やと思うんですけれども、わかりやすく言いますと、よくできた人をA評価とします。普通に仕事をしている人で処遇の反映はないと、給料はそのまま。A評価の人はちょっと給料が上がる。それでC評価の人は、落ちるというか評価が低かった人は手当がちょっと下がる。こういう大体システムになっていまして、例えばA評価の人にボーナス勤勉手当1万円プラスしたら、それが10人おったら10万円必要ですから、必ずC評価も10人必要なんです。この10万円を持ってくるために、必ず手当が下がる人をつくらないかんという問題があります。

たまたまA評価が10%でB評価が80%でC評価が10%でちょうどうまいこといくんですけれども、1年目はそれでいいとして、2年目にもしB評価の人がごっつい頑張って、B評価の8割の人が頑張ってA評価を達成したらA評価が9割、C評価の人も頑張って何とかB評価に持っていった。これは、成果主義というか人事評価制度でプラス面やと思いますけれども、処遇に反映していますから、A評価の人は去年と同じように頑張ったけれども、去年は1万円上がったけれどもことしは上がらへんのですね。上がらへんというか、去年よりも1万円下げなあかんような事態が起きるでしょう。B評価の人は頑張ってA評価に持っていって1万円上がると思ったけれども、上がらへんと。

だから、富士通が失敗したのは、頑張ったけれども、先ほど市長の答弁で、頑張った人が報われるようにするのが人事評価制度、処遇への反映と言うてはりましたけれども、頑張っても上がらへん人が出てきたんです。頑張ったのに手当が下がった人が出てきた。だから、私は処遇への反映というのは非常に危険やと思うんです。

みんな頑張ってくれてみんなA評価になったらみんな1万円ずつ上げようと思ったら、2千人も職員がおったら1万円で2千万円必要なんですね。それをほんなら宝塚市は出す準備があるのかどうか。人件費の総額は変えへんねんから、できた人をつくったらできない人をつくらなあかん、こういうこの制度の言うたら危険なところがあるんです。

宝塚市も同じ可能性があると思うんですけれども、どないですか。

谷本政博 総務部長

処遇への反映に関しての御質問でございますけれども、先ほど富士通の例を出していただいておりました。私もそういった本は読ませていただいたんですけれども、一つは民間企業で成果主義に走り過ぎている部分がございます。ただ、本市の場合は成果評価の割合というのは比較的低く抑えることによりまして、日ごろの職務遂行能力を評価する能力行動評価に重点を置いた制度設計をしているというのも一つございます。

それから、処遇への反映の中で、絶対評価というのは非常に難しい。これはなかなかできないということでございますので、やはり相対評価の中で処遇への反映をどう処理していくかということになろうかと思います。ただ、限られた財源の中でどうやってそれを配分していくかということも1点ございますし、地方公務員法の規定から申し上げますと、やはり勤務評定を適切に処遇へ反映する、この考え方のもとに成り立っておるというのも事実でございます。

したがいまして、人事評価制度というのは、職員の間に定着して、先ほども市長のほうから御答弁させていただきましたように、人材育成のツールとして活用していく必要もございます。そういうことから、公平性、透明性、客観性、それから職員の納得性、これが担保されるべきでございますので、一般職員にも処遇反映へ向けて正式に人事評価制度を定着させるためには十分な議論を重ねてまいりたいというふうに考えてございます。

梶川 みさお

私は、人事評価制度に反対しているわけではありません。ただ、処遇への反映というのは今言ったような問題点がたくさんあります。民間企業でも、やったけれどもやっぱり失敗してもとに戻したという例がたくさんあります。

地方公務員法、昭和25年にできたと思うんですけれども、要はその当時の考え方と今、25年というたら60年たっていますから、やっぱり私はこの法律は実態に合うていないというふうに思いますけれども、法律がある以上は守らないかんので、職員労働組合と十分協議して、職員に理解してもらえるような人事評価制度をつくってもらうことを強く要望しておきます。

最後、請負契約についてですけれども、先ほど教育長が平成19年12月4日に職員安定課に確認した、これはことしの3月の予算委員会で徳田部長が言われたことと同じなんですけれども、この間9月10日に聞きに行った職員安定課ではなくて需給調整事業課やと言うていました。それと、教育長言いはりましたけれども、運行範囲を明確にしていればよいと。その運行範囲の明確になっている、これは確かに労働局が出している告示37号の説明書にも書いてあります。私、情報公開で、運行計画がちゃんと市から業者に提示されているものがあるかどうか調べたんですけれども、見当たらないんですが、これあるんでしょうか。運行計画、市からちゃんと業者に、朝、学校から子どもの家まで行って、こういう経路をちゃんと明示したものがあるんですか。

久後昌敏 管理部長

ちょっと今、私、運行計画自体具体的に確認できておりませんけれども、午前7時15分に出勤をして30分に出発して、どの経路をどういうふうに通ってという、そういうふうな内容での運行計画で指示をしておるというふうに報告を受けておるところでございます。

梶川 みさお

告示37号に書いてあるんですよ。「あらかじめ定められた様式により、運行計画、時刻、目的地等を注文主から提出させ」、久後部長がそれを知らんというのはどういうことですか。ないんちゃいますの。運行計画があるから双務契約は要らんと今、教育長は言いましたけれども、その運行計画を部長が知らんというのはどういうことですか。

久後昌敏 管理部長

すみません、ちょっと説明が十分でなかった点申しわけございません。

私ども教育長が答弁をいたしました内容は、単なる運転の提供業務だけではなくして、まずはきちっと、議員のおっしゃるとおり、労働省告示37号にも示されておりますけれども、事前の運行計画に基づいて、その都度指示をするものではなくして、あらかじめ運行ルートがきちんと決まっておるというふうな内容がまずは請負の部分としての体裁上必要であるというふうな部分を確認をいたしておりますので、その分はございます。

私は、その現物を実は見て確認をしていないというふうなことを申し上げただけで、それは用意してございます。

梶川 みさお

私さっき言いましたでしょう。情報公開請求して見当たらへんのですよ。今、ありますと言いはったね。これ、もう一回私調べますけれども、また見せてください。

それから、要するに療育センターもそうですけれども、そもそも請負契約とは何かですけれども、要はその仕事の専門家ですわ。だから、養護学校の子どもたちを送迎する専門業者にお願いするわけですから、当然バスを持ってなあかんし、すべてを会社が責任持ってやらなあかんから、今の話ではバスは市のバスですね。図書館のBM車も市の車ですやんね。療育センターのバスも市のバスです。すべて3つとも双務契約していない、ただで貸しているんですよ。こんな専門業者ってあるんですか。

だから、私が言っているのは、これは完全に労働者派遣やと。運転手だけ送り込んでもろうて、本当やったら派遣契約せないかんのに、派遣契約すると市の責任がごっつい重いんですよ。ここに書いていますけれども、もし運転手がけがしたら市がちゃんと賠償せないかんし、すべて市の指示で、だから当然市の指示で動くけれども、何かあったときの責任がごっつい重いんです。

請負契約というのは、もしその労働者にけががあっても会社が責任を持つんですね。だから市にとっては物すごく都合がいいのが請負契約。これをやったらいかんというのが、労働者派遣法違反したらいかんよというので冊子をつくって市も前、研修しはりましたやん、何年か。私が質問した後に。今だに双務契約要らんと言ってはるけれども、私の質問通告した後にもう一回ほんなら労働局に確認するでしょう。私の仲間が確認したら違うというてヒアリングで私は言いましたやん。平成19年12月4日に聞いたきり、もう一回確認しないんですか。

久後昌敏 管理部長

現在のマイクロバス1台を委託しておりますのは、15年4月から今の現状の形で委託を始めております。その間、今まさしく議員のおっしゃるとおり、途中経過として19年度においていわゆる偽装請負の確認をというふうなことがございまして、教育長が答弁をいたしましたとおり、19年12月4日に当時の教育委員会事務局総務課の職員でありました者が、職業安定課というのも、これまた我々のほうの少し記録の部分で言っておりますので、どこまで定かというふうなことについてはちょっと今聞かせていただいておる担当部署とは少し違うんですけれども、我々はそういうふうに報告を受けております。その中で、一定、双務契約については、おたくの事情であれば必要なかろうというような電話での回答を得たという部分で今のところ来ておるというようなことでございますが、今まさしく、その後の状況として需給調整課のほうと確認をしたというふうな御指摘を受けておりますので、我々のほうも早々に、今の状況をきちっと整理した上で、今の私どもの状況がどうであるかというふうな点については確認をしに参りたいというふうに思います。

梶川 みさお

要は私が言いたいのは、私が質問して、これ予算委員会でもしました。それをこの質問したときにまだ確認していないというのが私ちょっと信じられへんのですけれども、やっぱり間違いを指摘されたら、それはちゃんと正すというのが特に自治体のというか、当たり前でしょう。法律違反と指摘されてんねんから、それが法律違反かどうか確認せなあきませんやん。

もう時間ないので、今までの競争原理をずっと言っていた小泉さんというか、自民党の政権から今、民主党にかわって、宝塚市も中川市長にかわりましたから、これまでやってきた行革がほんまによかったのかどうか、民間委託をどんどんやってきたことについてやっぱりもう一回、それこそ立ちどまってもう一回考えていただきたいということを言って、私の質問を終わります。