議会リポート

2009年12月2日

梶川 みさお

皆さん、御苦労さまです。本日、最後になりました。今回は60分に絞っておりますので、最後までよろしくお願いします。

それでは通告にしたがいまして、2つの項目について質問いたします。

  1. 入札制度
    1. 一般競争入札の問題点について

宝塚市は平成12年9月1日から予定価格と最低制限価格の事前公表を行っています。事前公表することで、現在工事契約のほとんどが最低価格での抽せんにより落札されていると聞いています。この場合、適切な積算を行わず入札に参加した業者が受注することもあり、良質な公共サービスの確保が望めない場合があるのではないでしょうか。適正な競争入札に支障を来たしているのではないかと思います。事前公表については、それなりの理由があると思いますが9年以上が経っているので問題はないか一度検証してみる必要があると思います。

この件について、中央建設業審議会は以下のとおり要点をまとめています。

予定価格を公表しない理由として、

      1. 談合を助長するおそれがあること
      2. 事前公表は競争入札参加者の真剣な見積り努力を喪失させる可能性があること

などを挙げています。

その一方で、予定価格を公表すべきという理由として、

      1. 予定価格を不正または不当に知ったものとの不公平がなくなること
      2. 事後に公表することで、不自然な入札のチェックが可能となること

などであります。

結局、現在は事後公表についてのみ推進しています。

そこでお伺いします。

      1. 宝塚市が予定価格を事前に公表している理由とメリットとデメリットをお聞かせください

次に、公共工事の入札に参加する場合、予定価格の規模に応じて過去の実績を求めています。過去の実績をと言われましたら、新しい業者はいつまでたっても入札に参加できないことになるのではないかと思います。

そこでお伺いします。

      1. 新規参入業者が入札に参加しやすい方法はないでしょうか
    1. 最低制限価格について

最低制限価格を設定せず、競争が激化すれば従業員などに対して、公正な労働基準を守っているまじめな業者が契約できなくなるのではないでしょうか。それは成果品の品質の低下や良質な公共サービスなどが確保できないことにつながると思います。

例えば、ビルの管理業務などの落札価格の下がり方は半端ではありません。そこで働いている労働者の賃金も下がり続けているのです。これは最低制限価格を設けていないからではないでしょうか。

そこでお伺いします。

最低制限価格を設けていない契約の種類と、その理由をお聞かせください。

次に、宝塚市財務規則第92条に、契約担当者は特に必要があると認めるときは、予定価格の10分の9から10分の6の範囲内で、最低制限価格を設けなければならないとあります。

私は、昨年も言いましたが、10分の6からというのは余りにも低過ぎると思います。

平成21年5月15日付、国土交通省建設流通政策審議官からの文書があります。

最低制限価格及び低入札価格調査基準価格制度の適切な活用についてという表題で、都道府県知事あてに通知をしています。

この通知では、現在の最低制限価格3分の2から10分の8の範囲から10分の7から10分の9の範囲に引き上げるように指示が出さされたと思います。

これによりまして、川西市は今回最低価格を100分の82にしたと聞いています。

そこでお伺いします。

最低制限価格の範囲の見直しについて。

      1. 国土交通省の、この指示をもう少しわかりやすく説明してください
      2. 他の阪神間の各市の状況を教えてください
      3. 宝塚市はどのように対応されるのか、なぜ改正しないのかお聞かせください
    1. 市内業者の育成について

土木建築などの市内業者は、仕事が減り続け、わずかな公共工事を受注するために、もうけが少なくても、あるいはほとんどなくても最低価格で受注しています。それでも受注できるだけましで、仕事が回ってこない業者は、会社の維持もままならず廃業に追い込まれたりしています。宝塚市の建設業界が大きく育たない状況にあるのは、景気の低迷により一般の建設工事がどんどん減っていることと、公共工事を受注する機会が余りにも少な過ぎるからだと思います。

以前にも言いましたが、市の税金で公共事業を発注するのですから、できるだけ市内の業者に発注すべきであります。少額の工事はしない業者に受注が多くありますが、大きな工事、特に建築工事のほとんどは、市外の大手企業が受注してしまっています。

総合評価の入札制度の導入が急がれますが、まずは西宮市が行っている地域性評価、市内業者優先を早急に取り入れる必要があると思います。少し高くついても市内業者との契約をふやすことで、その業者が活性化し、そこで働く市民の収入がふえることで、税金として市に還元されることになり、地方自治法第234条の3でいう、地方公共団体にとって最も有利な条件を提示した者を、契約の相手方とするのが原則に該当するのではないでしょうか。

そこでお伺いします。

市内業者の育成について、このような考え方ができないでしょうか、お聞かせください。

  1. 定時制高校の存続に向けて

県教育委員会は、昨年10月県立高等学校教育改革第2次実施計画に基づき、2012年、平成24年度に、新たに多部制単位制高校を既に廃校となっている旧武庫之荘高校の跡地に設置し、あわせて阪神間の定時制高校の大幅な統廃合を行うと発表しました。多部制単位制高校とは午前、午後、夜間の3部制で、学年の区分がなく、それぞれの学習時間、科目が選択でき、入学から卒業までに決められた単位を修得すれば卒業できるというものです。これを受けて廃校が予想される県立川西高校、同宝塚良元校の関係者が各地で存続を求めるさまざまな取り組みが行われました。

宝塚市でも良元校の卒業生たちが、宝塚良元校、川西校の存続を求める会を結成し、昨年末、宝塚市議会へ、県教委に定時制高校を存続させる意見書の提出を求める請願を提出しました。

請願は全会一致で採択され、昨年12月19日付で県教委に意見書が提出されました。その後、宝塚市教委から2回、そして中川市長からも井戸知事あてに要望書が提出されました。

さらに、障害者団体PTA協議会からも意見書が提出されています。

またその後、川西市や西宮市でも市議会PTA協議会などからも意見書が提出されました。 これらの動きの中で、関係各方面から寄せられた存続を求める署名は6万筆を超えています。県議会でも民主党議員団が中心になって存続を求める働きかけがされています。

このように、各地で存続を求める要望等が相次いで出されているのに、県教委は本年10月9日、再編対象校として県立川西高校と同宝塚良元校、伊丹市立高校を2012年度から募集停止すると発表しました。具体的には2012年、平成24年度の新設校の開校と同時に、3校の募集を停止します。その緩和措置として平成24年から26年の3年間、新設校の夜間の部には、川西教室、宝塚教室を、それぞれ川西高校、同良元校の本校の分室として設置するというものです。

御承知のように、良元校は阪急小林駅から徒歩5分で通えますが、旧の武庫之荘高校は駅から遠過ぎてバス通学となり、クラブ活動をすれば最終バス、これが夜の10時30分ですけれども、最終バスに間に合わなくなります。通学時間は、定時制高校の生徒の生命線です。この計画が実行されれば、学びたくても学べない、通いたくても通えない生徒が増大し、学ぶ場を奪うことになります。宝塚の子どもたちの学ぶ場を保障する立場の宝塚市教委に対しまして、以下の質問をします。

    1. 県教委の定時制高校の廃止決定に対する市の見解をお聞かせください
    2. 定時制高校を存続させるための市の取り組みをお聞かせください

以上で、1回目の質問を終わります。

中川智子 市長

梶川議員の御質問に順次お答えをしてまいります。

まず、入札制度についてのうち一般競争入札の問題点についての、予定価格の事前公表の理由とメリット・デメリットについてですが、総務省及び国土交通省は、予定価格を事前公表するデメリットとして、予定価格が目安となって競争が制限され、落札価格が高どまりになること、建設業者の見積り努力を損なわせること、談合が一層容易に行われる可能性があることなどを指摘しています。

しかしながら、本市においては、予定価格の事前公表は、積算基準に関する図書の公表が進み、既に相当程度の積算能力があれば予定価格の類推が可能となっているとともに、施行技術の進歩等により工事内容が多様化し、公表を行ったとしても以降の工事の予定価格を類推することには一定の限度がある一方、不正な入札の抑止力となり得ることや積算の妥当性の向上、予定価格を探ろうとする不正な動きを防止する効果もあり、透明性、競争性の確保に資することなどのメリットがデメリットを上回るものであると判断し、予定価格及び最低制限価格を事前公表しており、見直しの予定はしていません。

次に、新規参入業者が入札に参加しやすい方法についてですが、工事請負契約において、原則、制限付き一般競争入札を導入しており、参加条件が整っていれば、新規参入業者であっても入札参加することが可能です。

その参加条件についても、通常、設計金額500万円までは工事施工実績を求めず、500万円を超え1千万円までは公共事業を元請とする実績を求めますが、金額は問わないものであり、新規参入業者にとって、入札参加への障壁とはなっていないものと考えています。

次に、最低制限価格の見直しについてのうち、最低制限価格を設けていない契約の種類とその理由についてですが、最低制限価格については、地方自治法施行令第167条の10第2項及び第167条の13の定めにより、当該契約の内容に適合した履行を確保するために特に必要があると認めるときに、一般競争入札または指名競争入札の場合に限り設けることができるとされており、このことから随意契約を行う場合は、最低制限価格を設けられないと解しております。

そして、工事請負契約では、解体工事に限り、工事内容が特に必要があると認めるときに該当しないとして設けていません。

また、業務請負契約では、人的経費がほとんどを占めるとされる清掃や植木、花壇、公園等の造園関係の業務委託については設けていますが、それ以外のものには設けておりません。

次に、最低制限価格の範囲の見直しについては、本年4月3日付で、総務省及び国土交通省の連名で出された公共工事の入札及び契約手続の更なる改善等について、また5月15日付の国土交通省建設流通政策審議官から最低制限価格制度及び低入札価格調査基準価格制度の適切な活用についてにおいて、最低制限価格の引き上げについて要請がなされています。その内容は、国において、工事請負契約における最低制限価格の範囲を3分の2から10分の8.5であったものを10分の7から10分の9までに改めたので、自治体においてもこれに追随するとともに、この上限の10分の9に設定するよう求めるものでした。

しかし、見直しの目的は、国交省としての経済対策であるとし、最低制限価格設定の理由としていたダンピング予防による公共工事の品質確保とは全く異なる理由によるものでした。

また、最低制限価格の算定係数においても合理的な根拠が示されず、またその目的とする地域経済、雇用の下支えにつながる説明も行われておりません。

このようなことから、現在のところ、本市においては、国の要請に従った最低制限価格の設定については予定をしていないところです。

また、阪神間各市の最低制限価格の状況については、山本議員にお答えしたとおりで、極端に本市が異なっているものではなく、今回の国の要請に従われているとも聞いてはおりません。

次に、市内業者の育成についてですが、工事請負契約における市内業者への発注状況及び市外業者への発注理由等については、山本議員にお答えしたとおりです。

教育に関する御質問につきましては、教育長から答弁をいたします。

梶川 みさお

それでは、2次質問を行います。

まず、予定価格の事前公表についてなんですけれども、きのう山本議員の質問のときに、谷本部長は、今市長が答弁された以外に職員を守るということを言われたんですけれども、そのあたりについて、それも一つの理由や思うんですけれども、もう一回ちょっと説明していただけますか。

谷本政博 総務部長

きょう、市長のほうで御答弁をさせていただきました予定価格の事前公表の、いわゆるメリットの部分で、不正な入札の抑止力となること、それから予定価格を探ろうとする不正な動きを防止する効果があると。まさにこの部分が、平成12年の9月から事前公表しておるその以前に、いろいろな事案が発生をしたということをもって、本市のほうが事前公表に踏み切ったという、そういう経過がございまして、昨日もこの件につきまして御答弁を申し上げたという次第でございます。

梶川 みさお

私も、その職員、予定価格を不正にというか職員に聞くという、その業者のことが起きないようにというのは、私も理解をしています。

ただ、その予定価格を公表しているからかどうかわかりませんけれども、先ほど言いましたように、ほとんど最低価格、予定価格と最低価格と両方公表していますから、最低価格で全員が、ほとんどの業者が並んで入札しているから、抽せんになっているということがあると思うんですけれども、やっぱり入札という、結局何かこのごろ全部抽せんやというふうに聞いているんですけれども、そのあたり、難しい問題や思いますけれども、何か改善策というのはないんでしょうか。

谷本政博 総務部長

昨日も山本議員の御質問にお答えをさせていただきましたように、最低制限価格で、それぞれ応札をして結果的には抽せんで契約相手が決まっておるというのは、これは本来の入札の手続としては、少し離れたものであろうというふうに考えてございます。

したがいまして、最低制限価格そのものの設定につきまして、庁内にございます入札契約制度等調査研究会、この中で十分課題として研究をしてまいりたいというふうに本来考えております。当然、先進地でいろいろな取り組みもされてございますので、その辺のところも十分参考にして一定の考え方をまとめてまいりたいというふうに考えております。

梶川 みさお

じゃ、よろしくお願いします。

次に、最低制限価格を設けていない契約の種類なんですけれども、ほとんど工事関係についてはありますけれども、委託とかいうのが設けていないということを、今説明ありましたけれども、以前から指摘してますけれども、結局最低制限価格を設けていない委託の入札の場合だったらどんどん下がって、価格だけの競争になって、そこで働いている労働者の賃金とか、労働条件がどんどん削られていくという実態がありましたんで、以前から私が言っていますけれども、価格だけの評価だけやなしに、いろんな社会的責任とか、厚生労働基準とかいう、総合評価入札制度、これを確実に実行するために9月に千葉県野田市で制定された公契約条例、こういうのもこれから考えていかなあかんと思います。

私、特に以前から気になっていましたけれども、市役所の庁舎管理、今のこの市役所の庁舎管理、随分前から契約しているんですけれども、過去からの契約の額の変化ちょっと教えてほしいんですけれども、わかる範囲で一番昔の金額と今の金額と、ちょっと教えていただけますか。

谷本政博 総務部長

私の持っておる資料でわかる範囲でございますけれども、平成5年の段階で市庁舎の総合管理業務の委託料、契約額で1億3,472万4千円でございました。そして、20年度の比較で申し上げますと、20年度が8,585万6,400円ということでございます。これもやはり経過がございまして、平成13年度までは6社の見積り合わせの随意契約をしてございました。平成14年度から指名競争入札で、10社で競争入札を開始いたしてございまして、その後一部仕様書を見直しておりまして、配置人員の減少等もございまして、価格が下がってきている。そして、19年度から、実は長期継続契約の3年6ヵ月の長期継続契約をいたしましたので、さらに金額が下がってきたと。ですから、一定下がってきた理由もございます。19年度で入札いたしましたときには、12社の指名競争入札で長期継続契約をいたしまして、大体2千万ほどの金額がそれで落ちてきているという経過がございます。

以上です。

梶川 みさお

庁舎の管理業務が平成5年で今1億3,400何万で、平成20年度が8,580万、約5千万、1億3,400万の仕事がそのうちの5千万が削減されていまして、確かに、昔は随意契約だったのが入札になって、下がるというのはわかるんですけれども、ちょっと額的にも物すごく極端に下がっているんで、やっぱりそこで働いている従業員の賃金、給料ですね、普通、同じ人がずっと働いていると思うんですよ。働いたら次の年、毎年給料が下がっていくという状況が、これにはあらわれていると思うんです。

ちょっとここに、ことし6月24日に出た新聞、ちょっと切り抜きがあるんですけれども、神戸新聞と読売新聞の記事ですけれどもちょっと読んでみます。

読売ちょっとわかりやすいので、読売新聞。

地下鉄清掃員に生活保護大阪市入札下落、時給760円。大阪市営地下鉄の清掃員として働く請負会社の契約社員の男性53歳に対し、市が生活保護の支給を決定したことがわかった。男性が加入する労働組合は、市の事業で働く者の生活が成り立たないのは、市の責任でもあると主張しています。全日本建設交運一般労働組合府本部などによると、男性はことし2月から市営地下鉄の駅や改札、トイレなどの清掃員として、週6日、1日7時間勤務している。時給は大阪府の最低賃金より12円高い760円で、月収は月14万円だった。男性は今月15日に、生活保護を申請、月収から社会保険料や税金を差し引いた額が生活保護基準11万5,610円に満たないとして、差額の2万4,221円の支給が決定した。同本部は、清掃事業の落札価格が競争激化によって下落していることが背景にあるとして、入札方法を見直すべきだと主張。市は、最低賃金は守られており、入札方法を見直す考えはないとしている。

それで、ちょっと予定価格のこの事業ですけれども、予定価格が2億4千万円に対して、1億1,600万円で、この会社は落札している。ほとんどもう半額以下です、2億4千万円が1億1,600万。

週6日、1日7時間フルに働いて、今大体役所でも週5日、会社でも週5日が多いですけど、週6日、1日7時間フルに働いて生活保護基準に満たないということですけれども、私、これは大阪市の例ですけれども、宝塚市においても同じような状況が起きる可能性があるん違うかな思うんですけれども、このあたりについて、ちょっと見解を聞かせていただけますか。

山下稔 副市長

業務委託におけます最低制限価格の設定でございますが、現在設定しておりますのは、先に市長答弁させていただきましたが、人件費がほとんど占めております清掃、あるいは植木、花壇、公園等の造園関係の業務に限られております。今後は、この積算上、やはり同様に人件費が多く占めている事業につきましては、業務委託につきましては、次の取り組みといたしまして、今後設定の拡大については検討してまいりたいというふうに考えております。しかしながら、御指摘のように、この最低制限価格の設定によりまして委託料が上昇したというときに、その上昇分が賃金にすべて反映されるかどうかにつきましては、可能性としては当然ございますが、この入札制度の見直しだけで担保できるものではないというふうには考えております。今、大阪市の交通局の事例を御紹介いただきましたが、最低賃金によります労働が生活保護基準を下回ることにつきましては、やはり根本的には国の労働施策による対応が必要であるというふうに考えております。

私ども、市のほうで発注いたします契約による解決だけでは難しいものになるというふうには認識はしております。

梶川 みさお

それで、私、今月の24日にちょっと東京に行きまして、公契約を考えるシンポジウムに参加してきました。

先ほど紹介しました千葉県野田市の根本市長が来られて、記念講演されて、私ちょっと話を聞いてきたんですけれども、市長はこう言うています。本来、国が率先して法律を整備すべきであるが、国は動かない。だったら、自治体が条例をつくって国を動かざるを得ないように持っていきたい。よって、全国に呼びかけていると訴えておられました。

それで、要は国の最低賃金がさっき言いましたように、大阪市の最低賃金より12円高い契約金額で生活保護基準を下回っているという、だからもう言うたら、よく法律守っている、最低賃金を守っているから問題ないんだということをよく聞くんですけれども、この公契約条例いうのは底、国の最低賃金やなしに、その地域の同種の仕事の平均的な金額。尼崎なんかは、公契約条例の制定に向けていろいろ動きがあったんですけれども、その最低賃金は尼崎市職員の高卒初任給の時間給で900何ぼやったと思います。それに設定しておりまして、野田市は、最初の条例制定した市でしたから、もうちょっと低かったんです、800幾らかでしたけれども。要は、国の最低賃金では暮らされへんというのは、もう常識なんです。公共工事、公共事業で市の公契約、市と契約する相手方に対して、そこで働いている労働者の賃金は、この金額を下回ったらだめですよいうのを、市が決められるということです。だから、先ほど山下副市長は市だけでできへんと言われましたけれども、この公契約条例ができたら宝塚市のこの事業の最低賃金はこれやと決められますから、できないことはないと思います。ただ、これ私もこれから勉強していきたいんですけれども、これまで自治体は、低入札によって価格競争をどんどん激化させてきまして、官製ワーキングプアいう言葉ありますけれども、市がワーキングプアをつくっとるという、そういう言葉なんですけれども、これから公共事業の契約のあり方、根本から見直さなければいけないと思っています。この契約を通じて、公共事業の質を維持して、そこで働いている労働者の賃金労働条件を守って、先ほど言いました市内業者の仕事をふやすというのは、大切な税金を公共事業で仕事をお願いする場合は、やっぱりそこで働いている人が生活できる、そして市民で、その人たちが安定した生活できて、収入がふえて税金をまた市に還元するという、それが、これからのまちづくりにも生かしていけるんやないかということを、根本市長も言われておりました。

私も勉強していきますんで、今後公契約条例についてお互いに勉強して、何とかつくっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

次に、定時制高校についてなんですけれども、良元校は1949年、昭和24年に県立尼崎高等学校良元分校として開校されて1963年、昭和38年に県立宝塚高等学校が開校されるまで宝塚市内唯一の県立高校でした。定時制高校には勤労生徒のほか、全日制高校を中退した生徒、障害のある生徒、外国籍の生徒、不登校を経験した生徒、若いころに高校進学の機会を逃した高齢の生徒たちなど、さまざまな背景を持った人たちが集い学ぶ場として、なくてはならない存在です。そこで人生の再スタートをしたいと願っています。

県教委は、10年前に定時制高校の役割は終わった、新しい単位制高校に全員が通えることができるとして、今回の計画の検討を始めました。確かに、その当時は充足率、定数に対する生徒数の割合、充足率は54%と低かったのですけれども、社会格差が深刻化している現在、その充足率は高くなって、特に阪神間では2年連続90%を超えて、定員オーバーで多数の不合格者が出ています。また、新政権のもとで、高等学校の授業料無料化を打ち出しているときに、10年前とは状況が大きく変わっているこの時期に計画を進めるべきではないと私は思っています。学校に属さず、仕事もない、無業者の若者を拡大生産するばかりの定時制統廃合の計画を認めることはできません。

そこで、10月26日、県議会の文教員会で民主党の加藤修議員がこの件について質問したとき、県教委の答弁はこうでした。

1、新しいバス路線の設置や夜間部の終了時間を繰り上げるなどの条件整備を進める。2、今後、阪神地域における生徒のニーズ等を見きわめながら地元市町初め、関係者の皆様の意見を十分お聞きして、多部制単位制への移行が円滑に行えるよう取り組みを進めたいと答弁しています。

そこでお伺いします。

地元市町の意見を十分に聞くと言っていますので、宝塚市教育委員会として意見を述べる絶好のチャンスですけれども、先ほど教育長の答弁で、連絡協議会の場で要望すると言われましたけれども、そこには市内の中学校、高校の校長先生がいっぱいいてはるところで、いろんな議題がほかにありますので、私は、それとは別の機会にこの問題だけの対応をしてほしいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

伊達達治 教育長

まず、私も、良元校が廃止になるということについては、特に宝塚は、宝塚の子どもたちの実態を考えたときに、非常に宝塚の子どもたちにとっては利便性等の問題等もあって、非常に遺憾であると私も思っております。県のほうは、加藤議員が地元の意をよく聞くというようなことの質問の中では出されたようですけれども、これも待ちの姿勢では、どうなのかというのはちょっとわかりませんので、市長も申されましたけれども、こちらとして積極的に、やっぱり県に働きかけていく必要はあるのではないかというふうに考えております。

まだ、西宮の教育長とか、伊丹の教育長とも情報交換等はまだしておりませんけれども、可能であれば、また歩調をそろえながら都市教育長会議とか、直接にまた私ども意見を申し出る機会もございますので、もちろんそういうところでも積極的に意見を述べてまいりたいと思いますし、また阪神の所長等もこういうことについては直接意見は述べさせてもらいたいというふうに、かように考えております。

以上でございます。

梶川 みさお

とても、積極的な答弁ありがとうございます。

私、各地で行われた抗議集会、いろいろこれまで何回かありまして参加をさせていただきました。特に、特徴的なのは、集会に参加している人の中に障害のある方、特に重度の障害の方が非常に多くそういうところに参加をされています。以前は、経済的に厳しい家庭の勤労学生が多かったんですけれども、最近は障害のある生徒がふえています。

私、集会でたくさんの障害者の訴えを聞かせていただきましたけれども、その訴えの一部をちょっと紹介を、その方の話聞いたことをちょっと紹介します。

その人は、車いすで、今介助者が必要な重度の障害者です。親元を離れて世間に出て行きたい、社会参加をしたい、定時制高校に入って健常者と学びたいという願いを持っていました。彼の心からの叫びだと思います。そんな彼が定時制高校に入学することができ、その願いがかなえられました。

彼は、現在結婚して子どもにも恵まれました。彼は、今の暮らしを奇跡だと言いました。そして、良元校に通いたくさんの出会いがあったからだとも言いました。良元校は、彼が言う奇跡を起こした現場なのです。そして、彼の生き方は、後に続く重度の障害者に夢と希望を与えています。

その後、彼に励まされてきた重度の障害者たちは、次々と前面に立って、不自由な体を全身で揺すぶりながら、全力で声を出し、集会や地域説明会会場、交渉の場で私たちの大切な定時制をなくさないでと叫び続けていました。

私は、その姿は障害者が社会の中で人間として生きていく権利、すなわち人権をかち取る闘いであると感じました。

多部制単位制の高校はクラスという概念がありません。悩みを打ち明け、人生を語るという一番大切な部分が欠落しています。人生の再スタートに踏み出す人、社会参加のステップとしている人、そんな人たちが定時制高校の存続を強く求めているのです。そんな人たちの叫びともいえる訴えに対し、表面上の費用対効果、経費削減のために定時制高校を廃止しようとする県教育委員会を、私は絶対に許せません。

これまで、市教委が2回、市長が1回、意見書、要望書を提出されました。そのときは、計画案の段階で、今回は正式に発表されましたから、私は、状況は変わっていると思うんですけど、昨日、北野議員の質問のとき、中川市長は、直接知事に要望すると力強い答弁をいただきましたけれども、できましたらそのとき意見書か要望書、前回出されたときと状況変わっていますんで、意見書か要望書を持って直接知事に、そして教育長は直接県の教育委員会に手渡してもらいたいんですけれども。先ほど、教育長からも力強い決意をいただきましたが、意見書を持って県の教育委員会に話をしていただけるか、ちょっと伊達教育長と中川市長に決意をお聞きしたいんですけれども。

中川智子 市長

私も、この決定を読みましたときには愕然といたしまして、必ず残してみせると決意をしております。私も、良元校の卒業生の文集を読ませていただきました。何ができるかということを、しっかり皆さんで議論していきたいと思うんですが、ある意味、知事に対して直接要望書を持っていく、これは要望書を出したことで満足してはいけなくて、かち取るものは残すということですので、必ず、その要望書を出すときには、市として毅然とした態度で教育委員会とともにそういう行動を起こすということは一つ大事だと思います。あと、思いを同じくする人に県会のほうで、しっかりとこの問題に対して質問し、要望を上げていただくということは大事だと思います。

それと先日、私、河川敷の廃線跡のハイキングコースがクローズされるということで、非常に危機感を持ちまして、私は、この良元校の問題をすぐに川西市長にも伊丹市長にも、一緒にやってほしいと声をかけましたけれども、余り連携をとることはできず、それは残念に思っているんですけれども、先日、その廃線敷のことも、すぐに市民活動をしていらっしゃる人たちに声をかけて署名をしたり、いろんな活動をしてほしいということをお願いしていました。行政としてできること、そして一番大事なのは、本当に当事者の方たちが、どれだけ運動の輪を広げることができるかということだと思います。そして、この良元校の存在、そしてそこで学んだ人たちのさまざまな思いを広く市民に知ってもらう。その活動がどうできるか、どう広範に活動ができるかということだと思います。

もう、募集がストップされてしまったら、遅いと思いますので、しっかり速やかに行動していくべきだと考えております。

私も、何回も要望書を知事に持っていくほうが効果があると思いますので、この本会議が終わった後、適切な時間を見て、しっかりと教育委員会と相談しまして、要望を持ってまいります。それは北野議員にお答えした戦っていきますという中身に通じると思います。

梶川 みさお

力強い決意いただましてありがとうございます。

今度の日曜日、12月6日に、また西公民館で、抗議の集会があります。私も今参加するんですけれど、今の市長の決意と教育長の決意を皆さんに報告したいと思います。

今後とも、定時制高校存続を求める人たちの願いを共有していただいて、力を合わせて取り組んでいただくことをお願いして、私の質問を終わります。

ありがとうございました。

鷹尾直人 社会教育部長

昨日、北山議員からスポーツセンター施設の雨漏りについて御質問をいただきました。その答弁につきまして、修正をさせていただきたいと思います。

末広体育館の雨漏りについて御質問をいただき、私のほうから平成19年度に防水工事を実施し、その後雨漏りはとまっていましたと答弁をいたしましたが、正確には平成19年度に雨漏り対策工事として、末広体育館屋根中央部にあります塔屋部分、見ていただきますと一部高く突き出ているところがありますが、それにガラリというものを新たに取り付けまして、二重構造とすることにより、雨漏り対策を行ったというものでございます。

おわびして、訂正させていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。