議会リポート

2010年12月6日

梶川 みさお

社民党議員団の梶川みさおです。

それでは、通告に従いまして質問いたします。

今回は、宝塚市の人事管理政策についての質問であります。

自治体の業務は、住民の福祉の増進、安全・安心を確保し、よりよい行政サービスを提供することにあります。

そして、それを実現するためには、すべての職員が市民の声を真摯に受けとめ、限られた予算と人員の中で精いっぱい取り組んでいかなければなりません。

当然ですが、行政サービスを担う職員が元気ではなくてはなりません。職員が仕事にやりがいを感じて生き生きと働き、自分の持てる能力を最大限に発揮できることが何よりも大切なことだと思います。そして、そのことが市役所組織全体の活性化につながるものです。そのためにも、宝塚市の人事管理政策のあり方が大変重要になってきます。

しかし、現実はうまく進んでいるとは言えません。行財政改革の流れの中で、正規職員は減り続け、業務は複雑多様化して、多くの職員は業務に追われ余裕がなく、庁内に活力が見られません。

今後、さらなる行財政改革による職員への締めつけを強行すれば、重圧に耐えられず、病気になってしまう職員が出てくるおそれがあります。

市民サービスの向上のためにも、職員が業務に集中でき、健康で働き続けられる環境を整備することがとても大切なことであると思います。

以上のことを踏まえ、宝塚市が行っている人事管理政策の中の3点について質問いたします。

  1. 職員の健康管理について

近年、正規職員はどんどん減少し、その補充も十分ではなく、かわりに臨時職員の採用がふえています。

一方で、業務は減らないばかりか複雑多岐にわたり、職場は本当に余裕のない状態です。

特に、国保、年金、医療、福祉関係などの窓口職場は、日常的に忙しい上、法律が変わるごとに事務手順も変わり、それを理解する時間的余裕もなく、毎日遅くまで仕事をしている状態です。それを担当する職員は疲労とストレスがたまり、周りの職員も忙しくて手伝えないため、結果的に体調を崩し、休職してしまう職員も出てきます。

そこでお伺いします。

    1. 過去5年間の休職中の職員数は何人ですか
    2. 休職の原因は何だと思いますか
    3. 過去5年間で復帰した職員は何人ですか
    4. その職員へはどのようにフォローしていますか
    5. その職場へはどのようにフォローしていますか
    6. 成人病検診の結果について
      1. 受診対象者数は、過去5年間で何人ですか
      2. 要観察以上の人数の過去5年間の人数は何人ですか
      3. その職員へのフォローは

以上、答弁を求めます。

  1. 昇格選考制度について
    1. 昇格選考制度の達成について

宝塚市では、事務職員に対して1976年昭和51年から、事務職員と技術職員ですね、すみません、事務職員等に対して76年から副課長、係長への昇格選考制度を実施しております。ことしで35年になります。

この制度の目的は、優秀な人材の登用を図り、組織力を向上させるとのことであります。また、昇格すれば、賃金や手当などの処遇に反映されるので、公平性、透明性、納得性が確保されなければなりません。

2年前の12月議会で、目的が達成しているかの質問に対し、当時の阪上市長の答弁は、より優秀な人材の登用を図ることとともに、組織の活性化に成果を上げられたものと考えていると言われました。

しかし、とても市役所が活性化しているとは思えません。

再度お伺いします。

この制度の目的が本当に達成していると思いますか。

    1. 360度評価の実施について

2年前に質問した平成19年の受講率は、係長級で49.3%、副課長級で50.8%でした。なぜ、受講率がこんなに低いのかを尋ねたら、対象者増に対し、合格者が減少していることからだと考えていると答弁がありました。

しかし、配置職場による不公平感と、忙し過ぎる職場では勉強する時間もないという不公平感が原因であると思っています。

そこでお伺いします。

現在の受講率は50%を下回っていると思われますが、受講率が上がらない原因の検証と対策についてお伺いします。

次、半分以上が受講していませんが、その職員は向上心がないと思っているのですか。前にも言いましたが、1次選考は、地方自治法、公務員法の出題が主であり、配属される職場や職種によって合否が決まってしまいます。公平性に問題があるから受講する意欲がわかないのではないでしょうか。受講しない職員の中にも、1次選考で不合格になった職員の中にも、能力や意欲のある人がいるはずです。

そこでお伺いします。

能力と意欲のある職員が昇格できる制度かどうか、答弁を求めます。

上司が部下を評価するのは普通ですが、岸和田市が実施している、部下が上司を評価したり、同僚が同僚を評価するやり方を多面評価と言いますが、宝塚市では360度評価と言っています。

2年前の質問に対し、市長は、昇格選考への反映は考えていないが、上司と部下との信頼関係を構築していくための仕組みとして、360度評価の導入を検討したいと考えているとありました。

そこでお伺いします。

360度評価の実施はどうなっているのですか。

    1. 人事評価制度について

宝塚市は、現在人事評価制度を労働組合と小委員会を設置し、精力的に進めていることを承知しています。

人事評価制度は、地方公務員法第40条の勤務成績の評定を実施するための1つの方法です。学陽書房発行の「地方公務員法の要点」に、勤務成績の評定の意義として、こう書かれています。「能力実証の原則という公務員制度の理念を実現するため、科学的な人事行政、合理的な人事管理に役立てることを目的としている。近代的公務員制度は、身分保障とともに公正な人事行政により、公務能率の発揮と増進を図ることを基礎に成り立っている。任命権者の一方的ないしは恣意的な評価ではなく、職務遂行の実績を評価しようとするところに意義がある」と解説されています。

そのことを前提にお伺いします。

      1. 人事評価制度の目的は何ですか
      2. 現在の進捗状況はどうなっていますか
      3. 処遇管理型ではなく人材育成型の制度に、宝塚市が目指す人事評価制度はどちらの形なのですか

お伺いします。

以上で1次質問を終わります。

中川智子 市長

梶川議員の御質問に順次お答えをしてまいります。

まず、宝塚市の人事管理政策についてのうち、職員の健康管理についてですが、休職中の職員数は、平成17年度36人、18年度、平成19年度及び平成20年度は39人、平成21年度は29人が休職となっています。

次に、休職の原因についてですが、主な原因が心の病気であり、その占める割合は、平成17年度は47.2%、平成18年度は59.0%、平成19年度は66.7%、平成20年度は79.5%、平成21年度は75.9%となっており、職場の安全衛生上、メンタルヘルス対策は重要な課題と認識しています。

次に、復帰した職員数についてですが、平成17年度及び平成18年度は15人、平成19年度は22人、平成20年度は20人、平成21年度は10人が復職となっています。

次に、復職した職員へのフォローについてですが、心の病気は短期間のうちに再発し、繰り返し休職に陥る傾向があるため、本年4月に心の健康問題への早期対応と職場復帰支援の手引を作成し、職員への支援を行っています。

手引においては、職場復帰の判断基準を示し、職員も所属長も職場復帰の目安がわかるようにするとともに、主治医へ職場復帰支援に関する意見書の作成を依頼する等、主治医との連携を図ることにより、職場環境や作業負荷の調整など、個々に応じた配慮をしています。

また、職場復帰前に通勤や仕事になれるため、産業医と復職する職員が相談しながら、日時を限って出勤する試し出勤を実施し、徐々に職場になれ、円滑に職場復帰ができるようにしています。

さらに、職場復帰後は、所属長による状況把握に加え、産業医等による定期的な面談を行いながら、注意深く見守っています。

次に、職場へのフォローについてですが、休職期間中は臨時職員を配置していますが、職場復帰後は、所属長が周囲の職員の協力を得ながら、仕事内容を調整しています。

次に、成人病検診の結果についてですが、受診対象者数及び受診者数については、平成17年度は対象者1,884人中成人病検診受診者は1,558人、人間ドック等受診者は257人であり、受診率は96.3%となっています。

平成18年度は、対象者1,907人中成人病検診受診者は1,614人、人間ドック等受診者は221人であり、受診率は96.2%となっています。

平成19年度は、対象者1,916人中成人病検診受診者は1,622人、人間ドック等受診者は219人であり、受診率は96.1%となっています。

平成20年度は、対象者1,920人中成人病検診受診者は1,636人、人間ドック等受診者は199人であり、受診率は95.6%となっています。

平成21年度は、対象者1,895人中成人病検診受診者は1,620人、人間ドック等受診者は198人であり、受診率は95.9%となっています。

次に、成人病検診における要観察以上の人数についてですが、平成17年度は1,277人、平成18年度は1,345人、平成19年度は1,276人、平成20年度は1,348人、平成21年度は1,336人となっています。

次に、職員へのフォローについてですが、成人病検診の判定区分が要観察以上の職員のうち、要精密検査及び要治療で産業医の指示により受診勧奨の必要な職員については、結果表郵送時に受診勧奨の通知文を同封し、受診結果について健康相談室へ報告することとしています。

また、検診日から3カ月経過しても受診結果の報告がない職員については、所属長を通じて再度の受診勧奨をしています。

なお、人間ドックの検診結果については、必要に応じて各自で受診しています。

次に、昇格選考制度のうち、この制度の目的が達成しているのかについてですが、受講に際し、地方自治法や地方公務員法など、公務員としての職務を遂行するために必要な基礎知識を習得できるほか、行財政改革や地方分権など、地方行政における重要なテーマについて職員が考える機会が持てること、また上位の職責を意識することにより、日常の業務において上位の職の業務内容等に広く関心を持ち、職員の力量が高められる機会となることから、当該制度の目的は達成されているものと考えています。

次に、受講率が上がらない原因の検証と対策はについてですが、平成21年度の受講実績は、係長級への昇格対象者の受講率は42.2%であり、副課長級への昇格対象者の受講率は42.9%となっています。ここ数年は管理職員総数の抑制に伴い、合格者数を抑制していることから、合格率の低水準での推移が受講率の低下に影響を与えているものと考えています。

次に、能力と意欲のある職員が昇格できる制度かについてですが、昇格選考制度を導入したことにより、管理監督職として業務を遂行する意欲を持った優秀な人材の登用を図ることができているものと考えますが、今後日常の業務遂行においてすぐれた能力を発揮している職員が昇格しやすい制度とするため、人事評価結果を重視した制度を検討してまいります。

次に、360度評価の実施はについてですが、他市や民間企業におきましては、部下や同僚による評価、いわゆる360度評価を導入している例があることから、それらの例を参考に、管理職として職責を果たしているかどうか、また自分の仕事ぶりが部下からどう見られているか等について、みずから気づき、自己啓発を行い、能力向上につなげていく、そのきっかけづくりとして、部下、職員による上司評価の導入について検討してまいります。

今後とも、昇格選考制度については、さまざまな検討を加え改善を行うことにより、優秀な人材の登用を図り、組織力の向上につなげてまいります。

次に、人事評価制度についてのうち、人事評価制度の目的はについてですが、上司と部下が面接を通じてコミュニケーションを図り、職場を活性化するとともに、市民サービスの向上を図っていくことを主な目的としており、人事評価を通じて職員の能力向上、人材育成を図っていくものであると考えています。

次に、現在の進捗状況はについてですが、平成22年度から係長級及び一般職の職員について、能力行動評価を年2回実施することとし、管理職員と同様に10月に上半期の能力行動評価を実施しました。その中で、1次評価者と被評価者との面接の徹底を図り、1次評価結果を被評価者へフィードバックしたところです。

次に、処遇管理型ではなく人材育成型の制度についてですが、人事評価結果を研修、任用、給与などの人事諸制度に活用することにより、職員の能力向上、人材育成を図っていくことが重要であると考えています。

以上です。

梶川 みさお

それでは、2次質問に入ります。

まず、職員の健康管理についてですけど、今の答弁で、多いときで毎年30名程度の職員が休職をしているということで、心の病気というのが80%近くあるということで、非常に高い率になっています。

問題は、この心の病気が起こった原因、私は、職員数の減少ということが原因の1つであると思うんですけど、そのことについてはどのように考えてはりますか。

山下稔 副市長

休職の中で、心の病によります休職という方が非常に多うございます。昨年度につきましても、4人に3人はという人数になっております。

その原因につきましては、一般的に考えられます仕事の内容、あるいは人間関係、いわゆる職場で抱えますストレス、そういうものも当然考えられますが、もう一方では、私生活、家庭での状況、あるいは個人的な悩み、問題、そういう原因も発症する場合がございます。

そういうことで、本市では、復職をするとき、あるいは休職時、それぞれ面談を行って、いろんな事情等も把握もいたしておりますが、その中では、職場のストレスというよりも、個人的、家庭で抱えております課題とか、あるいは私的問題、そういう事例が多いというのが現状でございます。

したがいまして、引き続き所属長におきましては、職場での環境整備とあわせまして、私生活、個人的問題につきましても常に把握をいたしまして、健康管理に対応するように努めておるところでございます。

梶川 みさお

この間、人事課にちょっと資料をもらって、過去10年間の職員数の推移についてちょっと調べました。

常勤嘱託職員と正規職員合わせた定数職員ですね、平成13年度が2,401人、平成22年度、10年後の22年度が2,000人となっています。10年間で正規職員が401人減少しています。特に、本庁では、事務職場でそのかわりに臨時職員がふえています。人数的にトータル変わらないとしても、やっぱり正規職員がやらなければいけない仕事とか、責任持たないかんような仕事がやっぱりありまして、正規職員どんどんしんどい状態になっていますけど、このあたりについて、もう1回ちょっと答弁お願いします。

谷本政博 総務部長

今、議員のほうからお話ございましたように、大体10年間で正規の職員が400人ほど減少しております。

一方で、臨時職員につきましては、比較をいたしますと大体160名前後ふえてございますし、嘱託職員も50名程度ふえていると、そういうことでございます。

臨時職員のふえている状況でございますけれども、やはり休職あるいは育児休業等で代替として臨時職員を配置しているケース、あるいはそれ以外に、どうしても臨時的に出てくる業務がございます。この分については、かなり専門的な分野での臨時職員の配置というのがございますので、そういったものを入れてまいりますと、本庁での事務の職員の代替に臨時職員を配置しているケースというのは、育児休業あるいは休職による部分がほとんどでございますので、議員おっしゃるように、それ以外にも、かなり忙しい、職員が減っているということで多少は配置をいたしてございますけれども、全体的には必要な専門的な分野における職員配置、そういったことで臨時の職員の配置というのが多いというふうに認識はしてございます。

梶川 みさお

だから、正規職員10年前より400人減っているという、その休職の補充とかじゃなしに、それ、だからまた戻らな、本来正規職員、またふえないかんのに、毎年減って400人ですから、そのあたり、もうちょっと現場の実態を総務部長として認識をしてほしいと思います。

それから、所属長の責任なんですけれども、心の病を未然に防ぐために、やっぱり先ほど副市長も言われましたけれども、職員に対する働きかけですね、声かけとか。本当に職員、絶対数足らへんの違うか、人間関係がどうなっているか、そのあたりを徹底していくと言われましたけど、去年の6月に私、質問しましたけど、メンタルの疾患で長期の療養休暇をとっていた職員が、人事異動をめぐって所属長の無責任な対応で、回復してきた病状がまたもとに戻ったということを指摘させてもらいました。

そのとき、谷本総務部長は、管理職に対して、メンタルヘルスに関する研修を行っていくと言われましたけれども、そのあたりの効果、実績は上がっているんでしょうか。

谷本政博 総務部長

メンタルヘルスに関する研修会でございますけれども、昨年の6月議会で御質問いただきました後でございますけれども、9月2日に自殺予防とうつ病ということをテーマに、健康管理講演会をまず開催をしてございます。

それから、昨年7月9日に、新任の管理職を対象といたしましたメンタルヘルスの研修会を行ってございます。これは、外部の方をお招きいたしまして、特に部下に対する声かけ、あるいは部下のいろんな行動に対して随分とやはり目を配る、あるいは声をかけるということでの研修をしてございます。

それから、昨年の11月には、新任の監督職を対象に、やはりメンタルヘルスの研修を実施してございます。

これ以外に、本年の4月に心の健康問題への早期発見と職場復帰の支援の手引を作成いたしまして、6つの段階にわたりまして、本人あるいは管理監督職のなすべき内容、あるいは手順を示してございます。

そういったことで、こういった手引に対する研修もあわせて今年度になってから行ってございます。

今後とも、適時研修会等を開きまして、所属長あるいは職員への啓発、あるいは情報提供を継続して行ってまいりたいというふうに考えてございます。

梶川 みさお

よろしくお願いします。

それから、休職された人が復帰したときの試し出勤ですね、試し出勤、休職中は臨時職員が配置されていますけど、復帰されて試し出勤のときは、臨時職員は、配置はどうなるんですか。

谷本政博 総務部長

休職の際のフォローでございます。各職場へのフォローでございますけれども、職員の休職期間中については、臨時職員を配置しているケースが多うございます。その際、職員が復帰をしてきた際もあわせて所属長のほうが、周辺の職員の負担も考慮しながら事務分担をしてございますので、当然のこと、臨時職員の配置を復帰後は再配置をするという考え方も一方で持ってございます。

梶川 みさお

だから、職場によっては、休職されている人が複数になったら、臨時職員の方がふえてきますわね。

そうなると、やっぱり周りの残っている、残っているいうか、周りの職員にやっぱり担当が振られますから、その辺は……、また結局それでその方が休んでいくようなことのないように、やっぱり長期の場合は正規職員をきちっと配置してほしいと思います。

それから、成人病検診の問題ですけど、受診されていない職員が4%弱いてはるんですけど、これ労働安全衛生法で雇用主が受けさせないといけない義務がありますけど、この4%の人にはどのような指導をされているんですか。

谷本政博 総務部長

議員おっしゃるように、成人病検診というのは、労働安全衛生法という法律に基づきまして、定期健康診断として、一方で事業者による検診の実施、それから職員の受診が義務づけられてございます。

ただ、職員といたしまして、育児休業とかあるいは療養等による休業中の場合は、実施をしなくても差し支えないというふうになってございます。

今、御指摘の未受診者につきましては、休業中の職員を除きますと、17年度で19人、それから18年度で9名、19年度で13名、20年度で10名、21年度で15名という状況でございます。

こういった未受診者に対しましては、何度も日程調整を行うものの、自己の都合とか仕事の調整でできず、やむを得ず未受診になっておるものでございますけれども、この場合につきましては、翌年度の早い時期に受診するように指導して、日程調整を行ってございます。例えば、21年度の15名の未受診者のうち、22年度に成人病検診を9名が受診をされます。それから、人間ドック等で4名が受診し、2名の方は退職ということでございますので、ほぼ翌年度に早く受診をいただいているというのが現状でございます。

梶川 みさお

だから、いろいろ事情があるんでしょうけど、忙し過ぎて健康診断を受けられへんし、要精密検査という結果が出ても、精密検査に行かないで、忙しいからね。それで、不幸な結果になるということがありましたし、これからもあったらいけませんから、そのあたりについて、もう少し雇用主の責任をやっぱりちゃんと認識していただいて、職員が元気で生き生きと仕事ができる、そういう環境づくりに取り組んでいただきたいと思います。

ちょっと、時間がないから、次行きます。

昇格選考制度なんですけれども、さっき言いました地方自治法、地方自治法や公務員法に詳しい人が昇格されるということはわかりますけれども、それで多分1次がそこで、職場とか仕事によって、法律の仕事をしている職員はやっぱり非常にそれは有利になりますし、私は、法律を、条文覚えていなかっても、六法とか条文開いたらわかるんですから、そのことにだけで1次を合格・不合格を今決めるこの制度は、やっぱりちょっと問題があると思います。

それよりも、先ほど言った職員、部下からの要望にちゃんとこたえられる、悩みを聞き、場合によっては人事課とけんかしてでも職員をやっぱり配置してくれって、そんな部下から信頼される上司が必要やと思いますけど、そういった今の制度がそういう人が昇格できるような制度になっているかどうか、再度ちょっとお聞かせください。

谷本政博 総務部長

現在の制度の中身は、確かにおっしゃいますように、地方公務員法あるいは地方自治法あるいは法的な部分について、いろいろと研修を受けていただくということで一定の成果上げておるわけでございますけれども、私どものほうといたしましては、昇格の選考制度が職員の能力の向上とか、あるいは人材の育成につながるツールであるというふうには、我々考えておるわけでございますけれども、ただ普段の日常の職務遂行でその職員がすぐれた能力を発揮している、そういった職員が昇格しやすいように、やはりしていく必要もあるというふうに考えてございます。

議員のほうから御指摘ございましたように、やはり一定の管理職像というものはやはりございますし、部下に信頼される管理職がおってこそ初めて組織として業務が成り立っていく、あるいは業務が遂行されていくわけでございますので、今後ともふだんのその職員の勤務実績を反映できるような、そういったその部分として、人事評価制度との整合を図った昇格選考制度というものも検討してまいりたいというふうに考えてございます。

梶川 みさお

それは、後でまた言おうと思っていますねんけど、私が職員のとき、若いころですけど、実際に窓口で市民と対応しとって、物すごう市民に怒られたことがあって、今でもよく役所の窓口見たら、市民に怒鳴られている職員よく見るんですけど、それは対応の仕方に問題があったとしても、その時点で職員が何ぼ謝っても、もうおさまらへんのですね。そこに課長なりがぼっと出てきておさめてもらうという。私、若いころにそういうのあって、課長が来ておさめてくれたいうのをいまだに覚えているんです。その課長、余り仕事せえへんかったけれども、昔、これは昔やからね、今は違うよ、昔やから、もう30数年前の話ですから、ふだんそんなに細かい仕事せんかっても、そういうときに、僕は、もうそういうやっぱり課長というか、そういう管理職が今なかなかいてないん違うかなと思って、そのあたり、やっぱりほんで1次落ちた人とか受講しない中にそういう人がいるん違うかなと思うし、そういう管理職を育てていかなあかんと思うんですけど、そのことと、先ほど言うた人事評価制度、1次試験で人事評価制度とリンクさせて、連携してやっていくいうあたり、もうちょっとこう……。2つ一遍に言ったからややこしくなったけれども、まず最初のやつ。そんな管理職育てていく制度にしていかなあかんと思いますけれども、どないですか。

山下稔 副市長

職員の中で管理監督職につきましては、当然法的な根拠とか法令制度とも、能力も必要です。あるいは企画力も必要です。それから、実際に実施していくための推進力というのも必要です。それから、各職場を、組織の単位を束ねて、組織力を発揮していくということも必要でございます。

そういう中では、今御指摘のような現場での対応能力、コミュニケーション能力等も必要でございますから、そういう面での人材の育成も必要ですし、またそういう能力を持った職員についても高い評価をしていくという仕組みは必要であるというふうに考えております。

梶川 みさお

それと、さっき平成21年度の受講率聞いてびっくりしたんですけど、さらに下がって、係長42.2、副課長42.9、これはもうこの制度の、私は、限界に来ていると思うんですけど、それで今受講対象者の気持ちから、この制度、やっぱり大分離れていると思うんですね。今、受講対象者、置かれている環境、そして退職するまでずっと受け続けないかんいう今制度になっています。

これを何とかせないかんと思うんですけど、先ほど人事評価制度と一緒に考えていく、1次試験も人事評価制度でやっていくということ言われましたけど、もうちょっと詳しく、ちょっと余り時間ないけど、ちょっとだけ詳しく言うてください。

谷本政博 総務部長

確かに、受講者にとっては、何回も受け続けることというのはかなり負担になっているというふうにも、事実ではございます。

ですから、昇格選考制度そのものを抜本的に見直す必要があるというふうに考えてございます。

今後、職員の負担を軽減するとともに、ふだんの勤務成績がより反映されて、公平性が担保される制度となるように、我々としては人事評価制度の活用ということも踏まえて、慎重に検討してまいりたいというふうに考えてございます。

中川智子 市長

今、総務部長申しましたように、やはり見直すべき点が多々あると思います。

そして、また本当に管理職が物すごい、しんどい状況です。それを見ていると、もう試験受けると、というのもありますね。いろんな要素が今あると思いますので、試験の中身、また制度のあり方、そしてまたやっぱり責任持って仕事する立場に立ったらこんなにやりがいがあるんだと、そういうふうな職場環境、それも大事だと思っております。

梶川 みさお

今、市長言われた、ぜひその方向で見直しをしていただきたいと思います。

それでは、最後の人事評価制度について。

先ほど紹介しました勤務評定の解説の中に、これ、この本の、ごっつい古い本ですけど、勤務評定は原則としてすべての職員を対象として実施されるが、政策決定に参与する上級幹部職員など、能力実証原則の及ぶことの少ない職員、類似する職責の極めて少ない職員、その他勤務評定実施の困難な職員を除いてもよいというふうに、これ解説に書いてありました。

要するに、管理監督職ね、係長以上、それから企画とか総務とか財政とかいう3階の職場、そこはええとして、それ以外でそんな無理せんでもよかったん違うかなというふうに、私は解釈をしますが、このあたりについては見解を聞かせてください。

谷本政博 総務部長

管理職の人事評価については、現在は目標管理と能力行動評価のセットでということでやってございます。

係長、一般職については、現在は能力行動評価ということで行っておるわけでございますけれども、議員のほうで、すべての職員まで対象にすべきではないのではないかという御意見はございますけれども、やはり一定、それぞれの職場で市民のために一生懸命業務をしている職員、それぞれの立場は違いますけれども、一定それぞれごとにふだんの業務の実績を評価して人を育てていく、一定そういった観点で、すべての職員に対してこれを行っていくという考え方のもとに、我々としては現在も進めているというのが現状でございます。

ただ、制度的にどんどん高めていく必要がございますので、制度の精緻、さらに内容を高めていくという努力はあわせてしていかなければならないという考えでございます。

梶川 みさお

それから、この本には、処遇への反映についての解説です。勤務成績の良好な職員については、給与上の優遇措置を講じて、その職員の士気を高める。また、不良な職員については、指導を強め、必要な研修を命じ、他の職務にかえるなどをすべきであると書いてあります。

だから、この解説には、必ずしも不良な職員の給与の減額が必要とは書いていないと思いますけど、そのあたりについてどう考えますか。

谷本政博 総務部長

やはり、それぞれごとに評価をした内容を、その職員のやはり人材の育成、そして一定処遇へ反映する中で、努力をして報われる、あるいは業務そのものが余り芳しくないということでの評価が下位の者については、一定の指導を明確にしていくということでもって、組織としての力を高めていくと。こういうことが、結果的には市民のサービスの向上につながってまいるというふうに考えてございます。

梶川 みさお

私は、だから、3番目の処遇管理型は物すごう問題があると思います。人材育成型の制度にかえるべきやと思います。かえるというか、それを目指すべきやと思います。

処遇に格差をつけるのが最終目的ではなくて、職員全体のレベルアップを図ることが市役所組織の活性化で、結果、市民サービスの向上、市民の利益の増進に資するというふうに考えます。

ここで、ちょっと3つの本を紹介したいんです。これも、以前に質問したやつですけど、1つは、東大教授の高橋伸夫さんの「虚妄の成果主義」。企業でも、営業部門以外の部署で個人の業績の成果を定義することは至難のわざであろう。たまたまよい仕事にめぐり会って力を発揮する人もいるだろうし、不運につきまとわれてなかなか芽の出ない人もいる。そのような状態で処遇に差をつけられたら、不満が拡大して仕事への意欲が損なわれる。よって、成果主義は百害あって一利なしと、そこまで言われています。

2つ目、富士通の元社員の「成果主義の崩壊」。基本的には、この成果主義というのは、財政、お金を削るための目的が、民間の場合特に大きい。相対評価として、予算を超えない範囲で差をつけるということです。例えば、A評価の人にボーナス、勤勉手当1万円プラスして、それが10人いたら10万円必要です。ですから、かならずC評価の人も10人必要なんです。たまたまA評価が10%、B評価が80%、C評価が10%であればちょうどうまくいくんですけど、1年目はそれでいいとして、2年目、B評価の8割の人が頑張ってA評価に到達し、A評価が9割、C評価の1割の人も頑張ってB評価に持っていったとします。これは、この目的である資質の向上、皆評価が上がったということで、非常にこの成果があったんですけど、結果的に、もともとのA評価の人は去年1万円上がったけど、ことしは上げられへんのですね。A評価の人が9割になって、B評価が1割になったら、これまで上がった人が上がらへん。ほんで、去年B評価の人が頑張ってA評価になって1万円上がると思ったけど、C評価の人がいないから上がらへんと。だから、これは富士通が失敗したのは、頑張ったけど上がらない人が出てきたからです。

頑張った人をつくったら、頑張っていない人をつくらなあかん。このようなこの制度の危険なところがあるわけです。

次、岸和田市職員の「元気な自治体をつくる逆転発想の人事評価」。人事評価の結果で処遇への反映をすれば組織が崩壊すると、この方は言われています。

職員の意欲、能力を高め、組織として大きな成果が得られるようにするために、人事評価制度があります。金銭報酬、地位報酬も昔のように給与資源がどんどんふえて、社員の給与水準が年々アップしていた時代は有効であった。しかし、現在の自治体では、その原資はどんどん小さくなっている。この状態で金銭報酬を使った人事管理を行えば、職員集団のモチベーションを下げることになるおそれが極めて強い。

考えてみれば、金銭報酬をしなくても、上位の1割から2割の人は、職員は頑張り続けるだろうと思う。なぜなら、これまでの給与制度の中で、既に頑張り続けている人たちだからだ。その人たちのモチベーションの源泉は、金銭や地位などではなく、もっと違うところにあるに違いない。

近年、民間の企業でも注目されているのが、コミュニケーション報酬あるいは評価報酬と言われるものだ。これは、要するに頑張ったことがきちんと評価されるということで、上司、同僚から自分がやった仕事が認められ、高く評価されたとき、また役所の窓口業務で一生懸命に対応して市民に喜ばれ、ありがとうと言われたとき、民間企業なら、お客様に喜んでもらえたときなどではないだろうか。こんなときに、頑張ってよかった、次の仕事も頑張ろうと思い、モチベーションが高くなる、こういうふうに言われています。

今の話聞かれて、何か感想ありますか。

山下稔 副市長

人事評価制度につきましては、いろんな手法もございます。

その中で、成果主義ということでの御批判、あるいは現実に民間企業で導入している中で課題を抱えているということも理解はいたしております。

そういう中では、やはり処遇といいますのは、給与の格差とかだけではなくして、やはり昇格のこともあれば、組織の中で多くの人から信頼を得る、あるいは支持されて自分の思いが、活動ができるという、そういう自己実現が高まるということも大切であると思います。

そういうことを総合的にそういう立場が向上していくと、そういうことが処遇の改善につながるものというふうに思っております。

今、1つの御紹介をいただきました岸和田市のようなモチベーションの向上、そういうことも大切な要素であり、そういうことで御本人が職場での自己実現、あるいは地域での業務の執行によって喜んでいただけるという、そういう満足度、そういう自己実現に向けての努力、取り組みも高く評価をしていく必要があるというふうに考えております。

梶川 みさお

この質問、ほかの議員の質問の中で、頑張った人とそうでない人の差を4万円ぐらいにすべきやという意見がありました。私は、そんな4万円のお金を頑張った管理職は、私は、望んでいないと思います。

財源の問題もありますし、管理職は、今の宝塚市の管理職は、チームワークを発揮して、宝塚市の窮状を何とかしようとして考えていると私は思います。それが、頑張ったからといって、仲間のだれかからのお金を、分から金銭もらえば、私は、たちまちチームワークが壊れてしまうと思います。

ちょっと、山下副市長にもう一度お伺いしますけど、総務常任委員会の中で、頑張った人が報われるようにしなければいけないと言われましたが、そのあたりの意味をもう一回教えていただけますでしょうか。

山下稔 副市長

頑張った者が報われるという内容でございますが、先ほども御答弁をさせていただきましたけれども、給与あるいは報酬等での格差だけではなくして、それぞれのみずからが取り組んでおります行動、行為が多くの人から評価される、喜んでいただけるということで、みずからの自己実現が高まっていく、満足度が高まっていく、そういうことも含めまして、みずからの立場が向上していくということが、総合的に処遇として反映をしていく、あるいはできるような仕組みにしていきたいというふうには考えております。

したがいまして、先ほどの御提案にもありますように、いろんな取り組み、努力、そういうものを多角的には評価をさせていただきまして、それを給与だけでなくて、そのほかも含めた処遇の中で反映していかなければならない。努力した者が、あるいは汗水、汗を流して頑張っている職員が何らかの、先ほど言いました給与以外も含めまして、全体の中で処遇を向上させていく、反映させていくということが必要であるという、そういう意味で答弁をさせていただいたところでございます。

梶川 みさお

私は、すべての職員が精いっぱい頑張っているとは、そこまでは言いませんが、ほとんどの多くの職員は一生懸命市民のために頑張っていると思います。

議員も一緒で、私ら、市民から相談受けまして、それを市の関係ですから対応して、目的達成したときに、ありがとうと言われます。私は、それを聞いて、また頑張ろうと思いますし、それが私は報酬だと思います。金額に何ぼの仕事じゃなしに、金額にできない価値というものがあると思います。これは、職員も、私、一緒やと思うんです。

先ほど言いました、ここ10年で正規職員401名の減少、それで先ほども言いましたけど、ほんまに職場、日常、特に窓口職場しか見ませんけど、職員ばたばたして、窓口で、制度変わったときなんかは、それを読む時間も、その解説書を読む時間もないし、だれにも相談できひんから1人で悩んで、ほんであした市民が来て、それを説明せないかん。このときの職員のつらさというのは、私も、一遍昔経験したことあるんですけど、ほんま相当大変で、市民に迷惑かけるという悪循環があります。

私は、このような質問をしたのは、職員のことを守るというだけではなくて、職員の健康管理の問題や公平な昇格選考制度、それから人材育成型の人事評価制度を進めることで、複雑で多様化する市民のニーズに対応する職員の資質の向上……、ちょっと読みますんでね、最後ですから。

やる気と元気のある職員をふやし、市役所全体を活性化することやと思います。来庁される市民の方に誠意をもって丁寧に対応し、気持ちよく帰っていただくことが、市民サービス、行政サービスの向上と行政に対する信頼を回復することだと思います。

経済状況が厳しく、市民生活も大変苦しい状況であることは認識していますし、宝塚市の財政状況も厳しいのは十分わかっています。でも、今後これからますます人件費の削減、人員の削減ということをやっていくことが本当にいいのか、発想を見直して、金曜日に中野議員も言われましたけど、農政課の農業政策、必要なところに人と予算をつける、私は、そのことを、やっぱり必要な職場に人と予算つけて、市民の要望に対して職員が丁寧に迅速に処理することが、市民に喜んでいただける市役所組織をつくっていけるものと考えています。

職員の健康を守るためにも、必要な人員配置をしてください。

そして、昇格選考制度、人事評価制度も公平性、公正性、透明性、納得性を確保した上で実施し、人事評価制度は処遇管理型ではなく、人材育成型を進めていただき、職員が働きがいがあると思える業務改善、資質の向上、コミュニケーションの拡大を図り、活力ある市役所にして、行政の組織力と市民力の協働によって、宝塚市のまちづくりがスムーズに進められることを願いまして、私の質問を終わります。

ありがとうございました。