議会リポート

2010年12月17日

梶川 みさお

請願第66号地域児童育成会の待機児童解消、時間延長および育成料等に関する請願について、反対の立場で討論いたします。

今回の請願は、子育てと仕事の両立のため、共働き世帯への支援を求めるものであり、請願者の切実な思いは十分理解していますし、そのことに反対するものではありません。

子育て支援は行政の重要な責任であることは当然であり、保育所や地域児童育成会の待機児を解消するとともに、女性の働きを支援するために施設の整備、拡充等を進めなければなりません。

その一方で、未来を担う子どもたちが健やかに生まれ、育成される環境の実現に向けて、行政だけではなく、社会全体で取り組んでいくために、次世代育成支援対策推進法が2003年7月に施行されました。

この法律は、301人以上の労働者を雇用する事業主は子育て支援のための事業主行動計画を策定し、その実現に向けて取り組むことが義務づけられています。

また、101人以上300人以下についても、来年4月から義務づけられ、100人以下は努力義務となっています。

請願項目の2項目め、育成会の閉会時刻を現在の午後6時30分のところを午後7時までとしてくださいについては、保護者の勤務時間の都合による要求であると理解しますが、子どもの育成環境の整備として問題はないのでしょうか。雇用主の責任を問うことはできないのでしょうか。

多くの民間企業の経営が苦しく、労働者の立場も弱く、そんなことは言えるはずがない、理想と現実は違うと言われるかもしれませんが、あえて言わせてもらえば、子どもの健やかな育成のために、雇用主は子育て世代の従業員に配慮する責任があるし、保護者もそのための努力をしなければなりません。子育て支援は社会全体の問題なのです。

また、子育てと仕事の両立支援については、育成会で働く指導員や補助員の中にも子育て中の職員もおり、7時まで延長することにより、仕事をやめざるを得ない事態が起きることになります。実際に3年前に6時30分に延長されたとき、2人の指導員が退職しています。

宝塚市にも事業主行動計画があり、仕事と子育ての両立を推進する責任がありますが、その責任が果たされていません。

今回さらなる時間延長に対し、どのように責任を果たすのかが明確になっていません。

よって今回の請願の午後7時までの延長については、子どもの育成環境の整備としても仕事と子育ての両立支援にしても問題があるとの理由から、非常につらい判断ですが、賛成することはできません。

以上で、請願第66号の反対討論を終わります。