議会リポート

2011年3月25日

梶川 みさお

社民党議員団の梶川みさおです。

私は、社民党議員団を代表して、請願第65号「高等学校等就学支援金の支給に関する検討会議の報告を尊重するよう政府に求める意見書の提出を求める請願」について、賛成の立場で討論を行います。

今回の請願は、民主党政権の目玉政策である「高校無償化法案」が昨年3月31日に成立し、4月1日から実施されましたが、文部科学省は、朝鮮学校に通う高校生について、無償化の対象にするかどうかを専門家からなる「高等学校等就学支援金の支給に関する検討委員会(いわゆる第三者委員会)」の審査に委ね、その決定を夏まで先送りしました。

そして、8月30日に検討会議から報告されたのは、「外交上の配慮などにより判断するべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべきものであると言う政府の統一見解に留意して、早急に基準を定め、朝鮮学校を指定するよう政府に求める。」と言う内容でした。

この報告が出されたことで、無償化を求める多くの市民は、これでようやく実施されるものと思いました。

しかし、ヨンビョンド延坪島周辺地域の紛争が起き、朝鮮半島の緊張が激化する中、菅首相はプロセスを停止すると発表し、関係者の喜びは失望に変わりました。 鳩山前首相は、施政方針演説で「誰もが差別や偏見とは無縁に、人権が守られる基礎的な教育を受けられる。そんな暮らしを国際社会の責任として、すべての子どもたちに補償していかなければなりません。」と述べています。

外国籍の子どもを含めて、学ぶ権利を保障することは、鳩山民主党政権が目指す教育政策の基本だったはずです。

また、第三者委員会も「外交上の問題で判断すべきでない。」と報告しています。

日本政府が未だに、朝鮮高級学校を無償化の対象から除外していることは、日本が批准している国際人権規約や子どもの権利条約にも反します。

ここに京都朝鮮中高級学校生の詩集「朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー」があります。その中の5点を紹介いたします。

  1. 無題
  2. 私たちにあるもの
  3. 民族
  4. 目に見えない丈夫な糸
  5. 高校無償化

以上のように、わずか15〜6才の子どもたちがこんなに苦しんでいます。頑張っています。

高校無償化の話が出た時、子どもたちは、これで親の経済的な負担を少しでも軽くできるとすごく期待をしたはずです。

彼ら彼女らもその親たちも3世4世の世代です。過去の歴史の結果、日本に生まれ日本で育ってきた彼らは、本国が行うあらゆる行為をやめさせる事などできません。

彼ら彼女らに何の責任もありません。そして、その親たちは、納税の義務も果たしているのです。そんな人たちに対してこの様に差別をすることは許されません。

みなさんの子どもや孫がこんな目に合ったらどう思われますか。

文教生活常任委員会では、この請願が全会一致で採択されました。

私は、この宝塚市議会を誇りに思っています。

どうか各議員のみなさん、朝鮮学校の子どもたちをこれ以上苦しめないで下さい。そのためにも、どうか全会一致で採択していただくことを切にお願い申し上げて、私の賛成討論を終わります。