議会リポート

2005年6月13日

大島 淡紅子

社民党福祉連合の大島です。

まず最初に、去る4月25日に発生いたしましたJRの福知山線の快速電車の脱線事故の被害を受けられた方に心からお見舞いを申し上げると同時に、1日も早い事故の正確な原因の究明、そしてこのような事故は今回をもってもう2度と繰り返されることのないよう万全の対策を講じられることを切に望みます。

まず

  1. JRの事故に関して被害者の方の心のケアについて

質問していきたいと思っています。

事故発生の2日後に社民党の事故調査団として現地入りいたしました。現状の状況を視察と、それから県の対策室の報告、それからJR労組の方たちから聞き取りを行いました。現場では、尼崎と川西の救急隊員、それから警察官の方が多数活動しておられました。私は、つぶれた車、それから押し出された壁、血まみれの無数の遺品を目の当たりにして、本当に想像をはるかに超えた悲惨な状況で、気持ちの高ぶりは数日間続きました。

宝塚市民の方も多数の方が乗客として事故に遭遇し、また救助活動に従事されました。専門的な救急救命活動だけでなく、乗客でけがが軽かった方や近隣の事業所、それから中学校の職員がおのおのの持ち得る知恵やスキルを出し合って素早く対応されたことが、あれだけの大事故の被害者を最小限に抑えたと言われています。

しかし、そのような救助者のその後のメンタルヘルスが課題となっています。助けることができなかった負い目という心の傷、これは阪神・淡路大震災で救助にかかわった方の例と同じく、長らく引きずる可能性が大きいのです。負傷者の方はもちろん、御家族も含めて心のケアをどのようにされているんでしょうか。特に御家族が被害に遭われた子どもたちを、市では実態を把握されているということですが、先日、発生から4年を経た池田の附属小学校の児童がいまだにPTSDで苦しんでいるという旨の報道がありました。このPTSDというのがくせもので、年を重ねるごとに心の傷が増大することもあります。また、地域の拠点としての中学校10校には、週1回心理相談員さん、スクールカウンセラーさんが1日配置されていますが、近隣の住民の方から今回の事故に関する心のケアということで相談の依頼があったとき、どのように対応されるんでしょうか、お答えください。

  1. 公民館の担う役割について

昨日届きました「広報たからづか」には、東公民館での小学生の公開授業、授業参観、「アフリカの子ども兵士たち」、そして西公民館でのピースシネマ上映会「父と暮らせば」のお知らせが出ていました。これは公民館人権啓発推進事業の「平和 見る 聞く 伝える」展の一部で、毎年中身の濃い催しが開催されています。私も子どもが小さいときは、特に近くにある東公民館で子ども育ち講座を受講したり、先ほどの「平和 見る 聞く 伝える」展では多くの広島の絵に涙し、平和を誓い、また子どもの文化活動や青少年活動と現在も大変お世話になっています。

ところが、ことし3月16日付の市職労ニュースの記事には、東・西公民館の人員配置、当局は館長以外の正規職員を引き揚げ、業務委託の拡大と再任用職員1人を配置すると回答したというふうに記してありました。しかし、新年度、ふたをあけてみると、正規職員はゼロという状況。3館とも館長は嘱託、週4日の勤務です。委託は全館2人体制、窓口での収入事務も取り扱うなど、業務拡大というのはしたものの、実際の事業の企画は中央公民館の正規職員中4名で行っていると伺いました。

そこで、お尋ねいたします。公民館の担う役割をどのようにとらえていらっしゃいますか。現在の人員配置で市民のニーズに本当にこたえることができますでしょうか。

  1. 学校改革審議会について

学校改革審議会第8回会議が去る6日に行われました。この会議で議論の中心になっていたのがアンケート調査のことです。前回、2カ月半も前になるんですけれども、次はアンケート調査について考えようということだったのに、たたき台としての内容を文章化することができなかったのはなぜでしょうか。特に子どもの声を吸い上げる手段としてアンケート調査をという市教委のお約束だったので、具体案を提示されると思っていました。6月末の次回にアンケートの内容が決定されるとしても、実際に配布されるのは7月初めになり、その後回収、そして集計という大変な作業を経て、9月までに答申の概要はでき上がっていないと間に合わないという状況の中で、予定についてどういうふうにされるのか、詳しくお話しください。

また、委員から提示があった試案なんですが、内容的には保護者向けでした。子どもに対してはどうされるんでしょうか。

また、審議会の中でも取り上げられていました中学校教育再生のための提言の実現について、現状をお聞かせください。

1次質問を終わります。

渡部完 市長

大島議員からの御質問にお答えしてまいります。

まず、JR福知山線快速電車脱線事故被害者の心のケアについて、市はどのような対応をしてきたのかについてでありますが、心のケアにつきましては、県が主体的に取り組んでおられ、今回の事故に際しても、事故の翌々日の4月27日から市内では宝塚健康福祉事務所が「こころのケア相談」を開設し、電話、来所等による相談を実施されており、6月2日現在、その相談件数は24件となっております。また、兵庫県こころのケアセンター及び県立精神保健福祉センターでも電話相談の対応をしており、市といたしましては、事故の被害者等からの問い合わせに対してそれらの相談窓口への案内や市ホームページによる案内を実施いたしております。

また、救助活動に従事いたしました本市の消防職員の心のケアにつきましても、必要に応じ相談できるよう、宝塚健康福祉事務所との連携及び職員対象に実施している心の健康相談やカウンセリング事業の利用等において対応をしております。

次に、今後想定される事態にどう対処するのかについてでありますが、今回の事故において負傷された方や犠牲者及び負傷者の御家族、同じ電車に乗り合わすなど事故に遭遇された方、また救助に携わっていただいた方などに対しても、今後も心のケアが必要であると考えております。県におきましても、引き続き宝塚健康福祉事務所、兵庫県こころのケアセンター及び県立精神保健福祉センターで相談窓口を開設するとのことでありますので、今後も県との連携を密に対応してまいりたいと思います。

教育に関する御質問につきましては教育長から答弁をいたします。

勝山浩司 教育長

大島議員の教育に関する御質問にお答えいたします。

まず、JR福知山線快速電車脱線事故被害者の心のケアについてのうち、市としてどのような対応をされたのかについてでありますが、事故後、市教育委員会としては直ちに幼児・児童・生徒と教職員、さらにその御家族の安否確認について学校と連携しながら行いました。結果、その時点で心のケアが必要と予想され得る子どもの状況も確認されましたので、教育相談課を窓口として心のケアに当たる相談員やスクールカウンセラーがいつでも対応できる体制づくりを行い、その旨を学校園に通知いたしました。

また、学校園では、子どもの日常の様子を観察し、保護者との連携も密にしながら、きめ細かな対応を今現在も行っております。

教育委員会といたしましても、心のケアが必要と思われる子どもの学校園での様子、精神状態、保護者の願い、出席状況等を聞き取り、常に学校と連携しながら注意深く子どもの様子を見守っているところであります。

次に、今後想定される事態にどう対処されるのかについてでありますが、現在のところ、学校関係では心のケアに関する相談の申し込みはありませんが、今後しばらくしてから意欲が低下したり、出来事の重要な部分を思い出せなくなったりなど、PTSD等の障害が生じることも十分考えられます。市教育委員会といたしましても、常に学校園と連携しつつ、あわせて子どもや保護者の様子を見守りながら、今後も引き続きいつでも心のケアができる体制を整えてまいります。

次に、宝塚市立公民館の体制についてのうち、まず公民館の担う役割についてでありますが、本市の公民館における平成16年度の登録グループ・団体数は、3館合わせまして1,421で、利用件数、利用者数は2万1,149件、41万4,998人の御利用となっております。ここ数年間はこのような数値で推移しており、多くの市民の活動の拠点となっております。

また、右肩上がりの終えんを示す経済の大きな変化、少子・高齢化、情報化、男女共同参画社会の進展など、社会情勢は大きく変化する中、公民館は生涯学習社会に対応する中核施設として、学習の機会と場の提供、生涯学習の支援、情報の収集と発信の役割を果たすとともに、市民のエンパワーメントの施設という位置づけは今後とも欠かせなくなっております。そのため、公民館が学習コーディネーターとして市民参加の進展や市民の相互交流を促すことに一層努め、公民館活動で得た成果が地域の中で生かされ、生涯学習による人づくり、まちづくりのシステムの一環となるよう努めてまいりたいと考えております。

次に、現在の人員配置で市民のニーズにこたえられるのかということについてでありますが、まず市民のニーズをどのように集約して企画事業を実施しているのかということにつきましては、企画事業終了時にアンケートをとるなどして、直接受講者のニーズを把握しているほか、阪神間及び兵庫県下等の公民館職員の研修会での情報交換や日刊5紙等からも情報を収集するなどして、時代に合った事業を実施するよう努めているところであります。

また、公民館3館が十分に活用できていないのではないかということについてでありますが、最大の市民ニーズは学習スペースの確保であり、この点につきましては、スペースが不足がちになるほど大変活発に御利用いただいているところでございます。また、企画事業は、広く3館を使って市民セミナーや文化フォーラム、市民カレッジなどを開設し、多くの市民参加を得ているところであり、今後も工夫を凝らし実施してまいります。

さらに、事業は毎年同じことの繰り返しではないかということについてでありますが、公民館運営審議会における各委員からの御意見や、さきにもお答えいたしました受講者のニーズ等を集約しながら、マンネリ化しないように講座の内容は毎年変化をつけて実施いたしております。そして、これまで時代を先取りして実施してまいりました人権に関する事業、平和に関する事業、女性に関する事業や、現在喫緊の問題であります地球環境問題や団塊の世代に対応する問題等にも取り組むとともに、より一層の市民参加という観点での事業展開も図ってまいりたいと考えております。

次に、宝塚市の学校教育を取り巻く問題についてのうち、まず宝塚市学校改革審議会の現状と今後の進行をどう考えているのかについてでありますが、昨年7月に宝塚市学校改革審議会を設置してから本年3月末までに7回の審議会を開催し、議論を深めていただきました。当初は、本年3月末には答申をいただくこととしておりましたが、議論の進展ぐあい等にかんがみ、審議委員より予定どおり答申を出すことが難しいという意見が多く出されたため、議会にお願いし、本年度9月末までの設置について条例を改正していただいたところであります。

また、年度が変わり、それに伴い組織の代表が交代したことなどにより、4名の審議委員が交代し、この新たな体制の審議会は第1回を6月6日に開催したところであります。

また、今後の審議につきましては、審議会で御決定、進行いただくことではありますが、市教育委員会といたしましては、審議が深まるよう、アンケート等も含めました情報提供等に努めてまいります。

次に、中学校教育再生のための提言を実現するにはどうしていくつもりかということについてでありますが、平成15年7月に「宝塚市教育再生プロジェクト会議」が組織され、十数回の会議を重ねていただき、平成16年7月に提言をいただいております。現在、市教育委員会といたしましては、提言の1つ1つを重要課題としてとらえ、平成16年度から2年間、文部科学省の「問題行動に対する地域における行動連携推進事業」を推進しております。

その1つである「サポートチームと地域支援システムづくり」につきましては、提言の教育困難校支援チームとして、1つの中学校区を指定し、指導員を配置するとともに、当該中学校区サポートチーム連絡協議会を学校、関係機関、スクールカウンセラー、市教育委員会で組織し、個別ケース会議及び学校区の各学校関係機関との連携について協議を重ねております。

また、「自立支援教室」につきましても、平成16年度から2カ年の実践研究を行っております。これは市独自に指導員を配置し、昨年度、問題行動を繰り返す生徒に対しての別室指導を実践してきた2校に派遣し、学校の支援を行ってまいりました。

今年度につきましても、当該両校に派遣し、引き続き支援を行っております。

提言いただきました幼・小・中の連携につきましては、今年度準備会を立ち上げ、平成18年度には具体的な協議及び実践が始められるよう計画しているところであります。

教育再生への取り組みは始まったばかりではありますが、現在の市内中学校の状況を報告させていただきますと、平成15年度、暴力行為が110件発生しておりましたが、平成16年度の集計では58件に減少しており、また授業エスケープ、指導不服従により正常な授業ができず、保護者の協力を得る中で別室指導を始めたある中学校では、今年度全員が教室に入り、基本的には別室指導教室を閉めている状況となっております。

また、それとは異なる中学校におきましても、数名の別室指導対象生徒はいるものの、学校再生への大きな手ごたえを持っております。

この成果は、学校教職員の頑張りと教育委員会の打つ手がかみ合ったものと考えておりますが、教育委員会といたしましては、この数字に一喜一憂することなく今後も取り組んでまいりますが、今後の課題といたしましては、重点課題校は確実な変化を見せているものの、市内全体の中学校を見ますと、指導不服従等生徒指導上の諸問題は今年度になっても少なからず発生しており、また問題行動の低年齢化による小学校での生徒指導の困難な状況が出てきており、さきに述べました幼・小・中連携の具現化が必要となってきております。

市教育委員会といたしましては、提言にあります「子どもは学校で育つ」「学校は地域で育つ」という観点に立った教育行政、教育実践を行い、宝塚市の公教育への信頼回復に努めてまいります。

大島 淡紅子

では、2回目の質問をさせていただきます。

まず、心のケアの問題なんですが、大変特異な難しいケースだということで、心のケアの窓口は県だということがよくわかりました。ただ、相談者が見捨てられたと受け取られることのないよう丁寧な対応をお願いしたいと思います。先ほど回答がなかったと思いますが、近隣住民の方が、やっぱり一番近い公的な機関ということで中学校などに相談の電話をかけられたときに、丁寧に県の方を御紹介いただくというようなことはしていただけるとは思いますけれども、その辺よろしくお願いいたします。

それで、次に伺いますけれども、負傷者の情報をつかんでいらっしゃるでしょうか。救助された乗客は600人と言われていますけれども、県での相談は1割弱ぐらいということで報道にありました。ケアが必要でも気がつかないという、そういう状況になっていることを御自身が気がつかないというケースもあるようですが、神戸、尼崎、西宮ではいち早く被害者の戸別訪問、心のケア活動を計画しています。また、任意ではありますけれども、12日には川西で負傷した乗客やその家族が参加される集いがあったと聞きました。市は、亡くなられた方及び遺族の在校状況はつかんでいらっしゃいますけれども、今後の対応を考えると、負傷された方の把握もされるべきではないでしょうか。

負傷された方のお名前を、先ほどの市長の答弁ではつかんでいらっしゃるかどうかということがちょっとわからなかったんですが、もしつかんでいらっしゃらない場合、JRの方に名簿を出していただくように申し入れはされたんでしょうか。一部、長期的な支援には必要な情報であるということで、個人情報との折り合いが懸念されていますけれども、個人情報保護法の適用外ということで専門家は述べていらっしゃいます。

また、今後JRの経営陣が起訴され、犯罪が立証された場合、被害者や遺族の精神的被害を軽減するという目的の宝塚市犯罪被害者支援条例は適用されるのでしょうか。この点についてお答えください。

それと、公民館の問題です。

昨年の公民館の運営審議会では、審議委員からも行財政システム改革推進委員会提言の民間活力の導入については、公民館は貸し館業務だけではないので民間委託は簡単にはいかない、ことしは議題の中心にしていこうというふうな形で議論をされています。また、できるだけ地元の講師、市民の中から募集した講師をお願いする、人材バンクもつくってはどうかなどという意見や、小・中学生対象の利用グループによるウインタースクールやサマースクールをグループ主導、市はサポートの形にしてはどうかという意見も出ています。また、宝塚らしい講座をという意見もあります。このように多種多様な意見を酌んで取り入れ実施していくのに、6名の正規職員で企画運営、果たしてこれは本当に地域に密着した事業展開が可能なんでしょうか。

昨年の利用状況を見ますと、先ほど教育長の方からは、部屋が足りないぐらいだというようなお話もありましたけれども、実際の数字、去年で見ますと、平均の回転率は大体5割なんですね。夜間になりますと3割ということで、本当にちょっともったいないような状況が続いています。

近隣の公民館の状況をちょっと見ますと、伊丹の公民館は1館で直営なんですが、そのほかに公民館、児童館、図書館、それからスポーツ、老人福祉的機能の複合施設、きららホールというのと、これはNPOによる指定管理者制度で運営されていますが、文化・学習・情報機能提供施設、生涯学習センターのラスタホール、これは文化財団の方が委託運営しているんですが、それぞれ微妙に違った多種多様な事業をされています。

それから、ルナホールで有名な芦屋市なんですが、こちらは市民会館と公民館、それから福祉会館、老人福祉会館の複合施設であります芦屋市民センターというのがありまして、これの管理は文化振興財団がしているとはいえ、企画運営はすべて市の社会教育課で行っています。

また、60年近い歴史を持つ西宮市では、西宮中央公民館が23地区にあります公民館を統括する拠点館方式をとっており、その活動の中でとてもユニークだなと思いましたのは、職員以外に有償の公民館活動推進員さんというのを一般から募集されまして、各地区公民館にそれぞれ7名ずついらっしゃいます。この推進員さんは、地域の自主的な学習要求、それから地域課題に基づいて企画運営して事業を行うという、そういう推進員さんを置かれています。それからもう1つ、宮水ジュニアという小学校4年生から中3までの子どもを対象とした講座のボランティアの講師さんがやはりいらっしゃって、この方たちも年間を通じてそれぞれの公民館で活動をされているということです。

これらの例から言えることは、公民館というのは本当に社会教育、生涯教育の場であるだけでなくて、今後増大していく高齢者の介護予防に果たす役割、それから地域にこれから団塊の世代が出てくるという、その人たちの受け皿、それから子どもと地域のつながり、また専門的な資格の取得など就労支援の場、そのように本当に多種多様に考えられるんですが、市民の要求、また地域との協働が今後のキーワードになっていると思われますが、その辺はいかがお考えでしょうか。

それから、学校改革審議会のことなんですが、アンケートというのは、質問と、それから回答の設定の仕方で誘導尋問になる可能性がありますので、ましてや何も知らされていない子どもたちにアンケートをとるのはとても危険なことではあります。市教委の方は、2学期制や学校選択制について市民の方たちには説明はいらしていますが、学校では説明を行っていらっしゃるんでしょうか。

それから、提言書の中に、提言書の「終わりに」というところなんですが、真に教育の再生が実現するにはまだまだ多くの課題、問題について深く討議・検討し、具体的実践の提言をしてかなくてはならない。幼・少・中連携をさらに強めての教育実践が不可欠と言える。第2次再生プロジェクト会議の立ち上げを市教育委員会に強くお願いする次第であるという内容があるんですが、いまだにM中学校では大変しんどい状況にあるということを保護者の方からは聞いています。

それと、資料をいただいたんですが、エレベーターが中学校の12校のうち10校には設置はされているんですけれども、資料としていただいて、全部現在停止している状態なんですね。その施錠している理由というのが、どの学校も生徒指導上の問題からということで上がってきています。1校だけが、生徒が勝手に使用しないためという項目があります。これも、子どもも体調の悪いときもあるのに、生徒が勝手に使用しないためというのでは、何のためのエレベーターだかちょっとよくわからないと私は思っています。ハンディを持つお子さんや大人は1人で勝手に行ってはいけないのかなという、そういうことも考えてしまいます。一々だれかにかぎをあけてもらってエレベーターを使うことが、そういう形でしかエレベーターを使うことができないということはやはり大変おかしいことではないでしょうか。平常のことではないとは思います。なぜエレベーターが学校に設置されているのか。1人で自由に行きたいところに行けるのかという意味を子どもたちと話し合うということが私は一番大切なことではないかと思っています。子どもというのは、禁止ばかりしても本当に反発を呼ぶだけで、エレベーターの方はとめることで長持ちはするかもしれませんけれども、本当の教育にはならないと思っています。

N中学校では、校長先生が子どもたちが壊した壁や機材ですね、それを1人でお直しになっていらしたときに、やはりその先生の後ろ姿を見て、自然に子どもたちが集まってきて一緒に直したということも伺っています。やっぱりそれが本当の教育ではないかと思うんです。この点についてもどのようにお考えでしょうか、お答えください。

それから、今後第2次再生プロジェクト会議は、要望のように、立ち上げてくださいということがあったんですが、これは立ち上げられるんでしょうか。審議委員さんの中にも意見があったんですが、この教育再生プロジェクトチームの上げた提言というのがこれからの宝塚のビジョンになるというふうにおっしゃっています。私も本当にそのとおりだと思うんです。これを基礎にして宝塚の教育のビジョンということが十分つくり上げられると思うので、ぜひとも第2次のプロジェクト会議を進めていただきたいと思っています。この点についてもお答えください。

2次質問は以上です。

上田敏和 助役

大島第2次質問にお答え申し上げます。

まず最初に、心のケアでございます。市長答弁にもございましたけども、現在県におきましては、宝塚健康保健事務所を初め6カ所の健康保健事務所でこころのケア相談室が開設されております。また、兵庫県こころのケアセンター及び県立精神保健福祉センターでも引き続き相談窓口を開設されるということでございますので、御指摘のとおり今後とも県との連携を密にしまして対応してまいりたいと考えております。

次に、本市犯罪被害者支援条例との関係でございます。本条例の趣旨は、犯罪被害者の精神的負担を軽減することを主な目的といたしまして、みずからの責めに帰すべき事情はないにもかかわらず、犯罪により障害を受けた市民、または犯罪により不慮の死を遂げた市民の遺族に対しまして支援金を支給するものでございます。

条例の範囲の適用でございますけれども、条例の第2条で規定しておりますとおり、犯罪行為により障害を受けた市民、または不慮の死を遂げた市民に対して適用され、刑法第35条または36条第1項の規定により、罰せられない行為及び過失による行為は除くと規定しております。したがいまして、今回の事故被害者の方々には当然補償が考えられるところでございますから、本条例は適用されないところでございます。

負傷者のことについては担当部長の方から御答弁申し上げます。

坂上正彦 市民安全部長

私の方からは、負傷者情報をつかんでいるかという件についてお答えを申し上げます。

本市といたしましては、負傷された方々につきましては、JRの方より人数につきましては情報を得ておりますけれども、個々の情報等につきましては御本人の方から治療に専念したいとか、いわゆる個人情報の関係がございまして把握はいたしておりません。ただ、市の方からの支援制度につきましては、市のホームページあるいはその支援制度の一覧表を作成いたしまして、JR西日本、また宝塚警察署等が御家族等を御訪問される際には御案内をお願いしているところでございます。

以上でございます。

宮澤宣隆 学校教育部長

それでは、私の方からは学校改革審議会に関する件についてまずお答え申し上げます。

議員御案内のように、アンケートにつきましては、非常に質問等、その回答の内容、方法、子どもたちにとることに関しましては難しい状態でございます。議員御指摘の、市民に対しましては御意見を伺うということをしてるけども、学校で子どもたちには直接的にしてるのかということでございます。その件につきましては、現在まではしておりません。ですから、子どもたちの意見を聞く場合には、やはりアンケート形式で実施したいというふうに考えているところです。非常に、先ほど申しましたように、設問の仕方が難しくて、制度自体の説明も丁寧にしない限りよく理解できない部分がありますので、そこの点について十分配慮をしながら子どもたちの意見をとっていきたいと思います。

スケジュール的には、一応夏休み前までには各学校園から集約をいたしまして、審議会の方に十分その考え方が反映されるように努めてまいりたいと思っております。

続きまして、教育再生プロジェクト会議に関しましてでございますけれども、議員御案内のように、教育再生プロジェクト会議の提言書によりまして、現在教育委員会として考えておりますのは、幼・少・中、保育所も含めまして連携、教育を連続性の中で考えるということで取り組んでまいりたいと考えております。当初の予定では、平成17年度に準備会的なものを立ち上げ、18年度には保護者とか学識経験者を含めましたそういうような会を立ち上げてまいっていきたいと思っております。

ちなみに、第1次提言書の中身で議会にも大変御心配をおかけしましたN中、T中、A中の件でございますけども、現在、A中におきましては、平成15年度の暴力行為、対教師、生徒間、対人が合わせて26件、器物破損が3件ありましたけども、現在16年度に至りましては、対教師・生徒間・対人暴力は16件と減少いたしました。それから、N中でございますけども、15年度は対教師・生徒間・対人暴力は合わせて17件、器物破損も17件ありましたけども、16年度に至りましては、対教師・生徒間・対人関係の暴力は7件、器物破損は9件でございます。一方、T中におきましては、平成15年度は対教師暴力、生徒間・対人暴力につきましては17件、器物破損は9件でございましたけども、16年に至りましては、生徒間暴力、対人暴力合わせて2件、器物破損はゼロという、こういう結果でございます。本当にいろいろな人のお力をかりましてここまで学校がある程度正常な状況に動いているのは事実でございます。

それから、エレベーターの使用についてということでございますけども、議員御案内のように、やはりエレベーターは使うためにあるものでございまして、停止して動かないようにしておくのは異常な状態であるというふうな認識に立っております。ですから、いつでも使えて、みんながやはりよくこのことについて理解し、動いているということを理解するということが、すなわち1人1人を大切にし合うということでございますので、やはり学校の中で粘り強く取り組んで、いつでも使用できるそういうような状況を今後つくってまいりたいと思いますので、その点について学校側を指導・支援してまいりたいというふうに考えております。

以上でございます。

田中義岳 社会教育部長

公民館に関します御質問にお答えいたします。

先ほど阪神間各市の公民館活動の御紹介がございましたけれども、宝塚市にとりましても公民館が3館体制になって以来、いろいろ充実した取り組みを行っておるわけでございます。今年度から公民館の部屋貸しのシステムについては、これも充実しまして、委託を拡大しましたけれども、公民館の企画事業については市職員が中心となっている体制は変わっているわけではございません。先ほど教育長がお答えしましたとおり、公民館は生涯学習の支援、情報収集や発信の役割を果たすとともに、市民のエンパワーメントの施設になってるわけですね。公民館が今後とも、議員御案内のように、団塊の世代へのアプローチとか子どもへのアプローチ、そしてまた高齢福祉の課題についても、いろんな個々人が繰り返し繰り返し学習して、そして参加できるという性格をフルに生かして、今後とも人づくり、まちづくりのシステムの一環となるように努めさせていただきたい、そういうふうに思います。

以上でございます。

大島 淡紅子

JRの被害者の方の心のケアということですが、ここに杉並区の犯罪被害者等支援条例の制定に向けた杉並区犯罪等被害者支援専門家検討会報告というのがあります。この報告の特筆すべき点は、第3章、支援の対象の1項なんですが、犯罪等及び犯罪被害の定義の中の4番、過失犯というところの扱いで、「直接支援を含めて広範な被害者支援を目的とする条例にあっては、過失犯を排除する旨の規定をあえて置く必要はない」といっている点で、交通関係、業務上過失致死傷事件でも含めるということです。そこで、犯罪被害者等支援条例という、その「等」の文字が入っているわけなんですが、本当に崇高な目的、被害者の方の痛みを軽減するという目的があっても、ほとんど使われることのないような条例では、本当に絵にかいたもちになってしまって何もなりません。私たちも1度この点は検討すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。

それから、公民館のことなんですが、今後の民間活力の導入ということが行財政システム改革推進委員会の提言の中にもあります。今後検討されていかれることと思われます。しかし、提言の中にも、民間活力の導入に当たって幾つかの留意点というのが示されています。まず1つに、下請的なものでなく、企画立案を含む運営の委託を行うべき。それからもう1つは、委託先についてはボランティアやNPO、住民への業務の委託を考慮するべき。それからもう1点としまして、公民館など地域性の高い施設は住民への管理運営業務委託の可能性が高い。そして、これがちょっと大切だと思うんですが、教育等にかかわる分野の民間活力導入は慎重かつ徹底した議論が必要というふうに述べていらっしゃいます。これらの点を必ず踏まえた上で今後の発展的な事業展開をお願いしたいと思っています。

それから、3点目の学校教育の問題なんですが、ちょっと確認をしたいんですけれども、先ほど子どもに対するアンケートというのは今後とっていくという方向でお話になっていらしたと思うんです。でも、子どもにアンケートをやっぱりとる場合に、先ほども申し上げましたけれども、恣意的に本当にならないようにということで、必ず説明が、しかもわかりやすい説明がやっぱり必要だと思うんです。あれだけ丁寧に保護者の方たちに本当に一軒一軒、学校に何回も、同じ学校に2回もいらしたり、幼稚園もいらしたり、私立も行かれたりということで丁寧に説明をされたのと同じようなエネルギー、それ以上にやはり当事者のことですんで、子どもの意見というのは吸い上げていただくような形をとるために、やはり説明は必ずしていただきたいと思っています。その辺よろしくお願いいたします。

それからあと、教育長の方にちょっとお答えいただきたいなと思っているんですが、まず1点目、第8回の学校改革審議会のあいさつで、2回意見を述べられたのですが、最初の方に、まず本市でも教育改革を審議してほしいということ、選択制、2学期制が目的ではなく、教育改革、特色づくりに全国で力を入れているので議論をしてほしいというような旨の発言をされていましたが、この審議会というのは学校選択制や2学期制の導入の可否というのが諮問内容だったと思うんですが、変わりはないのでしょうか、それをお答えください。

それから、2点目です。審議会委員の質問に最後にお答えになって、宝塚の教育については資料をつくっているということを述べていらっしゃいましたが、どういう資料のことをおっしゃっているんでしょうか、ちょっと教えていただけたらと思っています。

それから、3点目なんですが、今週末に市民グループが学校選択制についての話し合いをする会というのを企画しているんですが、後援を教育委員会の方に求めましたところ、審議中であるということで断られました。ここのところ、この事業だけでなく、後援を取り消されたというお話もよく聞くんですけれども、後援をするしないの判断基準というのは一体何になっているのでしょうか、ちょっと具体的に教えていただけたらと思っています。私自身は、特定の宗教への勧誘とか営利行為、それから特定の政党や候補者を支援するような会は後援をされないということですが、それ以外は同じような考えを持っていらっしゃる場合は許可されると思っていたんですが、この辺も間違った認識だったんでしょうか、その点をお答えいただけたらと思っています。

以上です。

勝山浩司 教育長

大島議員の御質問にお答えさせていただきます。

第8回審議会の再開に当たりまして私の方であいさつをさせていただきました。その中で、全国における学校改革、教育改革に関しまして、全国では学校選択制や2学期制というのは、その選択制、2学期制を最終の目標とするのではなく、教育改革、学校改革の1つの手段としているんですよということを御紹介申し上げたわけでございます。したがいまして、本市における学校改革審議会の諮問理由、これはいささかも変わっているわけではございません。

また、宝塚の教育の現状について資料を今現在準備してると、私も審議委員の方の御質問にお答えして申し上げました。これは前回までで宝塚の教育の現状というのはどういうものなのか、余りにも資料が少ないではないかという御意見をちょうだいいたしておりましたので、この結果について現在教育委員会内部で検討して、次あるいはその次になるかもしれませんが、お出しできるようなものを検討しているということを申し上げたわけでございます。

なお、後援名義の件につきましては、部長の方からお答えさせていただきます。

今里善直 管理部長

私の方からは後援の名義につきまして、まず一般的には通常、公の秩序とか善良な風俗に反しないこと、あるいは暴力行為、迷惑行為等のおそれがないこととか、そういうことになると思うんですけれども、それ以外に、その事業計画が教育の中立性を損なうおそれのないものということで、具体的には、先ほどおっしゃいました特定の政党、その他の政治団体の活動が目的でないこと、あるいは思想的に偏りのない事業であること、あるいは選挙の候補者に関係のない行事であることとか、営利を主たる目的としないこと、そして事業計画が教育方針に沿うものと、そういうふうなことを判断して後援するか否かを決定しております。

以上です。