議会リポート

2006年3月15日

大島 淡紅子

質問の前にちょっと一言苦言を申し上げます。

去る3月4日、長尾小学校校舎改築等工事についての保護者及び地域住民への説明会が開催されました。しかし、市側の出席者は建設部建築営繕課室長、市教委の施設課課長及びそれぞれの担当者でした。説明会は今回で3回目ですが、一度も教育長、部長の姿は見ていません。特に、前回は建設業者18社の一斉辞退直後の説明会であり、参加者の方々からも、詳しい状況説明を求められても、市の方は新聞報道によりますととか、わかりません、何も聞いておりませんと答えることしかできず、市への不信は募るばかり、なぜ幹部職員が出てこないのかという声もたくさんありました。鋭く批判される声も多々ありました。保護者のみならず、地域の方々、また長尾小学校の先生方、それから話し合いを重ねてこられた改築検討委員会の委員さんたちがどれほど新校舎に期待されているか、また工事の安全に大変大きな不安を抱き、子どもたちのためにできることは一体何なんだろうかと常に考えていらっしゃいます。そして、長尾小と子どもたちは地域の宝物ですという、そういう情熱を私は参加するたびに感じております。このような場に入っていって、市民の思いを直接受けとめてこそ、よい仕事をする励みにもなり、本当の市民との協働につながるということを教育長初め市幹部の皆さんは理解していただきたいと思っています。

では、質問の方に入らせていただきます。

まず、

  1. 宝塚市の公共施設、特に一般の市民グループや団体がお部屋などを使用できる施設の使用基準について

伺います。

使用される方、グループはどういう資格が必要なんでしょうか。それから、使用目的はどうなんでしょう。また、ポスターやビラを設置されるとき、その内容によって掲示等をどういうふうに判断されているのか、お答えください。

それから、

  1. 子どもの命を守る教育について

質問いたします。

最近の相次ぐ子どもへの凶悪犯罪や虐待に多くの親は心を痛め、また不安を募らせています。しかし、限りなく増大した不安は不審者という概念をつくり上げ、子どもの大人不信を増長させ、障害者、ホームレス、外国人の差別や排除につながる危険性もはらんでいます。子どもを守るということを考えるときに、即効性のある被害に遭わない対策を考えるのと同時に、犯罪者にしない対策を考えることが重要であると思われます。命の大切さ、つまり自分が大切なかけがえのない存在であることを子どもが強く認識できれば、同じようにだれもが大切なかけがえのない存在であることを理解することができます。そのような人権教育としての観点から、CAPプログラムを市として取り入れるつもりはないのでしょうか、お伺いいたします。

それと、

  1. 福祉教育、特に幼児教育における取り組みについて

その実態を伺いたいと思います。

三つ子の魂百までと申しますけれども、幼児に身についたものは、人間形成に大きな影響を与えます。特に、福祉教育は自分と異なる年齢や外見、行動をする人の違いを認め、ともに暮らしていくという思想の根幹となる大切な体験です。宝塚市の幼稚園ではどのような取り組みをされているのか、教えてください。

村野一郎 市長職務代理者

大島議員の御質問に順次お答えをしてまいります。

市の公共施設使用の基準はについてでありますが、まず男女共同参画センターの使用者の資格につきましては、主に男女共同参画の推進を図ることを目的として活動をする個人及び団体並びに市長が特に必要があると認める者としております。

使用目的に関しての考え方につきましては、男女共同参画の推進を図ることを目的とすることを第一義としております。

また、ポスター、ビラの配置につきましては、同センターの設置趣旨を踏まえるとともに、公共施設として配置することが適切かどうかなどを総合的に勘案し、判断しております。

次に、人権文化センターの使用者の資格につきましては、原則としてだれでも使用することができます。

同センターの使用目的に関しましては、基本的人権尊重の精神に基づき、すべての人々の人権が保障され、互いにとうとび合うことのできる人権文化の創造と推進を図るためとしております。

同センターにおけるポスター、ビラの配置につきましては、同センターの設置趣旨を踏まえるとともに、公共施設として適切かどうかなど、総合的に判断をいたしております。

次に、西谷住民センターですが、同センターは地域利用施設西谷会館と西谷児童館の複合施設であり、地域利用施設西谷会館の使用者の資格といたしまして、コミュニティ活動を行う市民や団体を主たる使用者としています。

また、使用目的につきましては、地域社会における市民相互の交流及び相互扶助並びに市民の主体的な学習活動を促進し、連帯感のある新しいコミュニティづくりに資することを使用目的としています。

ポスター、ビラの掲示や配布につきましては、公共施設として公序良俗に反しないものであるとともに、コミュニティ活動を醸成することを目的とする地域利用施設の設置趣旨などを念頭に置き判断しております。

西谷児童館の使用者の資格、使用目的につきましては、市内に住所を有するゼロ歳から18歳未満の児童と未就学の児童の保護者を主な使用者の範囲と定め、児童福祉法に基づき、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的としております。

ポスター、ビラの掲示や配布につきましては、政治、宗教、営利目的のものを除いて、児童館の設置目的や実施事業の趣旨などを念頭に置き判断しております。

次に、フレミラ宝塚についてであります。

まず、大型児童センターの使用者の資格につきましては、主に市民である0歳から18歳未満の児童と未就学児童の保護者としております。

使用目的につきましては、児童福祉法に基づき、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的としております。

老人福祉センターの使用者の資格につきましては、主に60歳以上の市民を対象としております。

使用目的といたしましては、老人福祉の向上と老人の生きがいづくりの増進を図ることを目的として、学習事業や相談事業等を実施しております。

ポスター、ビラの掲示や配布につきましては、政治、宗教、営利目的のものを除いて、それぞれのセンターの設置目的である福祉の増進に関するものについて許可しております。

次に、宝塚市総合福祉センターの使用者の資格、使用目的につきましては、主に高齢者、障害者、母子、父子家庭等の福祉の増進に寄与する事業や、福祉団体やボランティアの方々の活動の場として利用いただいております。

ポスターの掲示やビラの配布につきましては、政治、宗教、営利目的のものを除いて、センターの設置目的である福祉の増進に関するものについて許可しております。

次に、宝塚園芸振興センターの使用者の資格につきましては、原則としてだれでも利用いただけます。

使用目的につきましては、地場産業である植木、花卉産業の振興及び活性化を図る目的を持っております。

ポスター、ビラの取り扱いにつきましては、当該施設を利用される催しの場合は設置をしておりますが、ほかで実施される催し等の場合、場所の制約等もあり、その都度判断させていただいているというのが実態でございます。

次に、国際文化センターの使用者の資格につきましては、原則としてだれでも利用いただけます。

使用目的につきましては、国際交流活動の促進と芸術文化の向上を図るという性格を持っております。

ポスター、ビラの取り扱いにつきましては、当該施設目的に沿った内容である場合には設置することはできますが、目的外の場合、場所等の制約もあり、その都度判断させていただいているのが実態でございます。

次に、ソリオホール及びベガホールの使用者の資格につきましては、原則としてだれでも御利用いただけます。

使用目的につきましては、ソリオホールは多目的ホール、ベガホールは音楽専用ホールという性格を持っております。

ポスター、ビラの取り扱いにつきましては、当該施設を利用される催しの場合は設置しておりますが、ほかで実施される催しの場合、場所の制約等もあり、その都度判断させていただいているというのが実態でございます。

教育に関する御質問につきましては、教育長から答弁をいたします。

勝山浩司 教育長

大島議員の教育に関する御質問にお答えいたします。

市の公共施設の基準はについてのうち、まず公民館の使用者の資格につきましては、宝塚市立公民館ご利用のてびきに記載しておりますとおり、自主的、自発的な社会教育活動を行うグループ、団体としております。

使用目的に関しては、公民館は社会教育法第20条に基づき、実際生活に即する教育、学術、文化に関する各種の事業を行い、住民の教養の向上、生活文化の振興、社会福祉の増進などに寄与することを目的として設置した社会教育施設であり、その目的に沿った活動に御利用いただいております。

また、ポスター、ビラの内容についてでありますが、公民館利用グループ、団体の会員募集や催し物情報など、公民館活動に合致した情報を初め、公共施設として掲示等をすることが適切かどうか、総合的に判断して決定しております。

次に、宝塚市立教育総合センターの使用者の資格につきましては、宝塚市立教育総合センター条例第6条に使用者の範囲として、学校、その他の教育機関、官公署及びこれらに準じる者、社会教育関係団体、その他の公共的団体、その他教育委員会が特に必要があると認める者とあります。

また、使用目的に関しましては、同条例第1条に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第30条の規定に基づき、生涯学習社会の形成に向けて、教育に関する専門的、技術的事項の研究及び教育関係職員の研修を行うとともに、視聴覚教育の振興及び青少年の健全な育成を図るため、宝塚市立教育総合センターを設置するとありますので、その基準に従っております。

なお、学習室及び図書コーナーは市民の方々に自由に御利用いただいております。

ポスター、ビラの配置につきましては、同様に教育総合センター条例第1条を基準として適切かどうかを総合的に判断し、決定しております。

次に、子どもの命を守る教育のうち、まず人権教育としてのCAPについてでありますが、議員御案内のとおり、CAPは子どもの人権意識を育てることで、暴力から身を守る方法を教えるプログラムであります。アメリカで始まり、近年日本でも紹介され、NPO法人により実施されております。幼児、児童、生徒の安全に対する危機意識の高まりを反映し、本市では本年度、保護者の要望により7小学校、1幼稚園で実施しております。

実施するに当たっては、経費が必要で、小学校を例にとりますと、1学年3クラス平均として、児童、保護者のプログラムで約10万円の経費がかかります。いずれもPTA行事の一環として取り組まれております。

民間のプログラムであるCAPの実施は、各校園の児童の実態や保護者の要望に応じて行い、一部の学校園の実施にとどまっており、全市的なCAPのための予算措置は困難な状況でありますし、子どもの命を守る教育は学習指導要領にのっとり、各学校園の実態に応じて、道徳、特別活動を中心に取り組んでおりますので、市教育委員会といたしましては、道徳教育や自然学校、トライやる・ウイークといった体験活動を通して豊かな心を育成し、人間尊重の精神や生命に対する畏敬の念をはぐくみ、子どもの命を守る教育を推進してまいりたいと考えております。

次に、福祉教育、幼稚園での取り組みについてでありますが、幼稚園教育要領の中では、幼児の生活と関係の深い人々と触れ合い、自分の感情や意思を表現しながら、ともに楽しみ、共感し合う体験を通して、高齢者を初め、地域の人々などに親しみを持ち、人とかかわることの楽しさや人の役に立つ喜びを味わうことができるようにすることが留意事項として上げられております。

それに基づきまして、各幼稚園ではそれぞれの幼稚園や地域の実態に合ったさまざまな取り組みを工夫しております。ほとんどの幼稚園では、地域の高齢者の方々を招待したり、高齢者施設を訪問したりし、その際には昔の遊びを教えていただいたり、一緒に遊んだりする中で、どのように声をかければいいのだろうか、どのようにしてあげれば喜んでもらえるのかなど、かかわり方を自分なりに工夫しており、その中で優しさやいたわりの気持ちがはぐくまれております。

また、障害のある幼児とともに生活している幼稚園では、相手の立場に立って接していくことの大切さを学び、車いすを使用した幼児と接したときには、車いすを使っている人への思いも感じて、かかわり方を工夫する幼児もふえてきております。さらに、保育の中で、歌に手話を取り入れて幼児なりに手話で言葉を伝えるということを遊びを通して学び、その成果を生活発表会やお別れ会のときに保護者の前で堂々と披露し、絶賛の拍手を受け、もっともっと覚えていこうとする気持ちも育っております。そのほかにも、盲導犬ウインクと触れ合い、盲導犬のすばらしさに驚くこともありました。

このように幼稚園ではそれぞれの幼稚園が工夫しながら、福祉教育の取り組みを進めております。市教育委員会といたしましても、各幼稚園の福祉教育がますます発展し、園児たちが温かい触れ合いの中で豊かな生活体験を得られるように支援してまいりたいと考えております。

大島 淡紅子

では、2回目の質問をさせていただきます。

ここにちょっと2枚のビラがあるんですが、こういうビラです。ちょっと質問の関係がありますので、市長執務代理者の方と、それから教育長にお渡しします。

これ集会と講演会の参加を呼びかけるビラなんです。男女共同参画センター、それから公民館、人権文化センター、国際文化センター、それぞれ置いてくださいというふうに持っていったんですけれども、ほとんどのところで断られました。その理由として、政治活動である、それから社会教育活動ではないとか、それからあと特定の思想に基づく主催者の方が運動団体であるというふうなことで断られてるんですけれども、政治活動といいましても、特定の政党がこれ主催しているわけじゃありませんし、市民団体が主催をしている市民団体の活動です。それから、社会教育活動ではないというふうに言われたんですけれども、講演会、それからその講演者の方も現役の国会議員でありますが、またもう1人の方は全国のコミュニティユニオンの会長です。それからあと、沖縄のおじい、おばあと一緒に活動をしている若者の話を聞くということが、これが社会教育活動でないというのもおかしな話だなと思っています。

それから、主催者は特定の思想に基づく運動団体であるということですが、それがその規定に別にだれでもというところもありますし、それからそれを規定に書いてないところがほとんどだと思うんです。それから、憲法改悪反対、自衛隊のイラク派兵反対などと特定の考え方が書いてあるということで、そういう考えに基づいた事業であるということなんですが、その違う考え方の人への情報提供とか、それからあと、行く、行かないというのは本当に個人の自由の選択に任せたらいいと思うんです。ただ、こういう情報がありますよということで、情報提供をされるということが大切ではないかなと思っています。

先ほどもいろいろセンター条例、いろいろこういうことですということで細かく端的に述べていただいたんですけれども、もちろんこれその中でおっしゃっていて、基本になっておられるのが割と営利目的ではないとか、それからあと特定の宗教ではないこと、それから特定の政党の利害にも関係がないことというふうにうたってらっしゃるところも多いんですけれども、営利目的のもちろん営業でもありません。500円はとっておりますけれども、講師の交通費とかビラの印刷代、会場費、それからもう1つの方は完全に無料です。というのは、賛同者の賛同金で運営しているということですね。それから、もちろん特定の宗教というのも関係ありません。それから、特定の政党の利害にも関係ありません。いろんな方が来られております。もちろん国会議員とか、それから府会議員とか、それから市会議員なんかも呼びかけ人になっていますけれども、今選挙の候補者でも何でもありませんし、全く関係ないと思います。もちろん公序良俗にも反していないと思われるんですが、その辺、これが置けないというふうにおっしゃるということは、制限する規定がないのにお断りになられるというのは、やっぱりこれは自主規制ではないかなと思うんです、私は。

例えば男女共同参画センターとか、それから人権文化センターというところは、それこそ多種多様な人たちの違いを認めて、その多種多様性を認め合うということを啓発するような施設ではないんでしょうか。それを本当にお断りになるということは、市民の自由な活動や情報を得る権利を奪っているんではないかなというふうに私は逆に思います。

これ実際、会場はこちらは大阪の北区民センターです。それから、こちらの方は神戸市の男女共同参画センターです。ほかにもビラを置いてくださいというふうに他市などでお願いに行ってるんですけれども、例えば大阪の府立の女性総合センターのドーンセンターですね、あそこなんかも快く置いていただいてますし、そういうことを考え合わせると、宝塚市の市民は情報を少なく制限されているということで、本当に損をしているんじゃないかなということで、これ市民感情からいうと、本当ちょっと怒るような、怒るべきことではないかと私は思うんです。この辺も後で、ちょっと今ビラをお渡ししましたが、そのビラを置けるか、置けないかというのをちょっと判断していただきたいなと思ってお渡ししたんです。それぞれの市長執務代理者、それから教育長お答えください。

それから、CAPのことについてちょっとお話ししたいと思います。

先ほども犯罪者にさせないための教育ということも私は申し上げました。でも、実際に子どもの犯罪被害というのはどういう状況かというのがなかなか見えてこないんですが、ちょっと数字とかの実態を調べてまいりましたので、お伝えしたいと思っています。

幼稚園児と子ども、小学生なんですけれども、暴行傷害事件、それから性犯罪、それから誘拐に関して数字を少し述べてみたいと思いますが、特徴として、年齢層としましたら、それぞれ違うんです。実態はそれぞれ違うんですけれども、共通しているところとか、特にここはというようなことをお話しさせていただきますと、年齢層でいいますと、4年生からというのが多いですね。それから、時間帯というのが大体どういう犯罪も午後の3時から6時の間というのが多いです。それから、発生場所になりますと、幼児と小学生では大体違うんです。一番多いところはやっぱり幼児は住宅の中というのがどの犯罪にもほとんど半分以上占めています。小学校の半分以上というのが大体また今度は道路上というのが大変多くなっています。それで、あと性犯罪になりますと、今度はまたちょっと年齢層もまた違ってきまして、ほとんどが6歳以降の方たちは同じようにリスクは高くなっています。

それから、犯人像ということでちょっと考えてみますと、若い人、一見社会的に適応しているように見える人の方が多いんです。それから、その理由づけとしまして、大人の代償として子どもを利用している場合が多いということ。それから、暴行傷害事件になりますと今度またちょっと違いまして、犯人像というのが、幼児の場合は約半数が親族ということになりますね。これは児童虐待ということがほとんどということで数字が出ています。それから、小学生の場合は面識のない大人が7割という数字です。それからあと、誘拐事件になりますと、特徴的なのを見ますと、小学生は面識がないというのが8割を超えてます。その動機というのがやはり性的欲求を満たすためということが8割を超えているということ。今の中でもいろいろ少し見えてきたことがあるんですけれども、住宅内で子どもへの犯罪が起きることが非常に多いということですね。住宅内というのは、防犯ブザーは絶えず持っている子どもはいないと思うんです。そこにないというので使うこともできない。それから、子ども像として浮かび上がってくるのが、犯罪にほとんどわかったときにでも抵抗ができないという状態が、そういう子ども像がやはり数字から見て浮かび上がってくるんです。

CAPの基本理念としましては、先ほどもおっしゃっていたと思うんですけれども、安心、自信、自由に基づく行動、ノー、ゴー、テルというのが基本理念で、嫌と言ってもいいんだよということと、それからどんな方法を使ってもいいから逃げろ、それからもし犯罪に遭ったり怖い目に遭ったときはだれでも大人に、安心できる大人に相談することということを基本理念としています。それと、CAPに特徴的なのはもう1つ、特別な叫びというのがありまして、その叫びを上げることによって、声がちょっと特別な声なんですけれども、その音量というか、本当にブザーが鳴っているのに匹敵するような音量なんですが、ちょっと練習しないとやっぱりできない声の上げ方なんです。ですから、その辺も含めて指導をされるということです。

このCAPの行動の理念というのが、何々をしてはいけないという禁止型のメッセージじゃなくて、あなたは何々ができるんだよという肯定型のメッセージで、エンパワメント思想というのに基づいて、そういう考え方を子どもたちに伝えていくという、そういうプログラムになっています。

全国で今60以上の自治体が学校での活動、CAPスペシャリストに委託されています。ちょっと見ていただきたいと思います。これがCAPの、ちょっとわかりにくいんですけど、CAPの子どものワークショップの実施回数の推移なんです。最初導入されたときの96〜98年にあっては、本当に実施回数が全国で1,176回で、参加者数も4万2,000人程度だったんですけれども、2004〜2005年にかけて、実に8,837回、それから参加された人、子どもが26万8,000人ということで、大きく膨れ上がってたくさんワークショップを体験されているということは、これだけ要求がふえてきたということにほかなりません。

阪神間で、先ほどCAPのスペシャリストに委託して学校で活動している自治体というのを上げてみますと、京都府では八幡市です。こちらは今全小学校、それから中学校のうちの3校にCAPのプログラムを取り入れている。それから、大阪府の堺市というのは、これは平成11年に試行段階で入りまして、そのときには小学校12校、30学級だったんですが、平成15年になりますと全小学校、それから17年では全小学校の5年生と幼稚園の年長、それから中学校ということで、今本当に全幼、小、中ということで、学年を区切って取り入れていらっしゃいます。予算が、市の規模も違うんですけども、ここに870万円使っているという。

それから、兵庫県で申し上げますと、お隣の伊丹市です。きょうも神戸新聞に取り入れているという記事が大きく出ていましたけれども、兵庫県の伊丹市の例を挙げますと、平成17年、17小学校と養護学校で、教職員、それからPTA、地域に対して大人のワークショップを開いているんです。それで、予算としてはこれは80万円だったんですが、これは安全対策推進事業として取り入れていらっしゃいます。それから、来年度も小学校1年生、61クラスに子どもワークをするということで、来年度は200万円の予算を見込んでいらっしゃいますね。それから、川西市ですが、川西市はやはり今年度平成17年度は小学校4年生の子どもと保護者向けの大人ワークとで、両方で70クラス、予算が210万円、こちらは人権学習ということで取り入れていらっしゃいます。

実際にワークショップに出た子どもたちの感想があるんですけども、ちょっと見ていただきたいと思います。ちょっとわかりにくいかなと思うんですけど、これ98〜99年の大阪の3小学校の3年から6年の数字なんですが、「あなたはいじめや暴力に遭わないで安心して生きる権利があると思いますか」という問いに対しまして、受ける前は、「権利がある」と言った子どもは4割だったんです。「わからない」と言った子が5割、半分がもうわからない、そういう権利があるかどうかはわからないと言ってるんですけれども、やはり実施された後は明確に「ある」というふうに述べた子どもが7割、「わからない」と言っている子は実に2割に減ってるんですね。これは楽しかったか、楽しくないかということなんですけど、9割以上の子どもたちが「楽しかった」「よくわかった」というふうに述べています。それからあと、「役に立つことを教えてもらったか」ということに関しては、9割、96%の子が「役に立つことを教えてもらった」と言っている。それから、「ほかの学校の子どもたちもCAPを受けた方がいいよ」と言ってるのがやはり92%の子どもたちがそういうふうに言っています。それから、「実際に嫌なことや怖いことがあったときにCAPで習ったことが何か1つでも使えることがありますか」っていうふうに聞いたときに、3年生の子どもたちの7割、それから6年生の子どもたちの85%の子が「実際に使える」というふうに言っています。これで数字的には使えるということも、子どもたちの自信ができたと思うんですね。実際そういう場に遭っても、私はできるんだっていう自信につながったんだと思います。

あと、サクセスストーリーがあるんですが、ちょっと幾つか上げてみたいと思います。電話の被害に遭った子どもが、そのことを打ち明けられたとき、CAPの大人のワークショップで学んだとおりに親も教師も対応できて、子どもを傷つけずに安心を与えられるように接することができました。それから、中学校1年生の女の子は知らない人に追いかけられたとき、小学校に助けを求めて逃げてきたので、小学校から中学校に、中学校から警察にと速やかに連絡して、警察では知らない人の様子をきちんと話すことができ、似顔絵もつくれたということ。それから、CAPを受けてしばらくしてから刃物男が出たということが知らせがあったんですけれども、子どもに注意をしたところ、子どもは必要以上に脅えることはなく、みんなで大きな声を出すし、そうやっている間にだれだれさんとだれだれさんが助けを呼びに行くんだよというふうに自分たちなりにどうしたらいいかということをきちっと決めているという、そういうお話もあります。実際に各市の担当者の方にいろいろお話を伺ったんですけれども、実際にそういうときに助かることができたっていうお話も幾つか聞きました。

伊丹市は実際、最初は学校教育課の保健体育事業として補助金をつけて、その補助金の中でCAPを受けたい人ということで募集されて、6校、7校が一部助成という形で、最初はそういう形をとっていらしたんです。ですから、最初からいきなり各学年にということはなかったんですが、当市でもそういう形で取り入れられてはどうかなということを御提案させていただきたいと思います。

それから、福祉教育のことなんですけれども、私もまち協の広報部員として、長尾南幼稚園の方によく出かけるんですが、そのときにちょっと見せていただいたり、それから行事に参加させていただいたりして、園長先生のお話を伺うことも多々あるんです。その中で、配慮の必要な子どもさんがやはりいらっしゃるんですけれども、他の園児の方と同じように群れて遊んでいる姿を見るとき、本当に自然な形で溶け込んでいるなというのを思ってたんですが、実は先日お別れ会があって、合唱があったんですけれども、自閉症のお子さんがやはり環境が違うということでパニックを起こしそうになったときに、ちょうどお隣にいたお子さんが、本当に子どもさんの後ろから背中のところを前から見えないようにトントントンってたたいて、安心させてやって、ずっと歌の間中、トントントントンたたいてたんだそうです。5歳児でなくて、4歳児のお子さんなんです。その辺も本当に大人が、先生がいつも多分そういうことをされていたんだと思うんですよ。それをきちっと見ていて、やはり同じようにする。福祉の心というのはやっぱり、先ほどもおっしゃっておりましたけれども、他人を思いやる心という、それが大切だと思うんです。障害を持っている子、持たない子が相互にいるということで、お互いに育ち合っていくという環境が、そういう日常生活の中にそういう本当に福祉教育が取り入れられているのがこの公立幼稚園にはあると思います。私立の幼稚園もなかなかそういうふうにしていきたいということはあるんですけれども、なかなかすべての園ではそれを受け入れられないといういろんな事情もおありだと思うので、ぜひとも今後とも幼稚園での福祉教育の充実をお願いしたいと思います。

1点、先ほどのちょっとプリントをお渡ししたんですが、これ2人にちょっと見ていただいて、これ置けるかどうかというのを言っていただきたいのと、それからやはり憲法で保障された個人の思想や表現の自由を侵すことにならないかと思うんですよ。これを置かないということとか、使用をお断りになるということは、規定にないのにそういう形でされるというのは、そこに触れないかということをお答えいただけたらと思います。

以上で私の質問は終わります。

村野一郎 市長職務代理者

大島議員の2次質問にお答えいたします。

市の公共施設であるのにチラシが置けないのはおかしいのではないかということでチラシを渡していただきましたが、さきに御答弁いたしましたとおり、施設によりまして設置目的が異なっておりますので、施設の運営につきましても、それぞれの施設の目的に沿って運営されることになります。したがいまして、ポスターの掲示やビラの設置につきましては、やはり公共施設のことでもありますので、政治活動、宗教活動、営利活動等につながるような使用等については御遠慮願っておるところでございます。行政としての中立性、公平性の確保を図っておりますので、御理解を賜りたくお願い申し上げます。

勝山浩司 教育長

大島議員の2次質問にお答えをさせていただきたいと思います。

今ほどの市長職務代理者の答弁と私も同様でございますが、特に公民館活動につきましては、先ほども御答弁させていただきましたように、目的が実際生活に即する教育、学術、文化に関する各種の事業でございますので、これに合致するかどうかを担当職員が適切に判断したものではないかと、このように推察する次第でございます。

大島 淡紅子

済いません。今ちょっとお答えの中で、憲法で保障された個人の思想や表現の自由を侵すことになりませんかということをお答えくださいと言ったんですが、それが抜けてたと思うんですけど、お2人とも。

村野一郎 市長職務代理者

憲法に保障されたことにつきましては、当然尊重されるべきものだと考えておりますが、本件につきまして、それを侵すものであるとは考えておりません。

勝山浩司 教育長

思想、信条、それは個人の自由でございますけれども、この件に関しましては、このビラ等と相反する考え方の方もいらっしゃるわけでございますので、そのあたりを職員は適切に判断したものと考えてございます。