議会リポート
2006年3月28日
大島 淡紅子
社民党福祉連合を代表して、議案第40号及び41号の反対討論をいたします。
反対する理由といたしまして、4点指摘したいと思います。
まず1点目として、条例の趣旨の中にある武力攻撃事態等とは、1番、着上陸攻撃、2番、航空攻撃、3番、ミサイル攻撃、4番、ゲリラ攻撃を指しています。しかし、防衛庁でさえ海外派遣を重視した装備強化に戦力を転換し、弾道ミサイル迎撃用のミサイルも能力不足である現状から、真剣に本土防衛のための武力行使を想定しているとは思えません。ゲリラ攻撃に至っては、占領軍に対する非占領国の軍や民兵の抵抗戦のことで、平和憲法を有する我が国にはあり得ません。
また、緊急対処事態とは、1番、航空機テロ、2番、化学薬品等散布、3番、原発破壊、4番、ハイジャックを指しています。これらは戦時法制の対応ではなく、警察、消防の対応で、防災対策の領域です。テロにねらわれる理由があるなら、その根源を解決しなくては際限なく続く泥沼に足を踏み入れることになります。つまり、国民保護計画自体制定する意義を見出せません。
2点目です。自然災害において、阪神大震災等の教訓が生かされぬまま10年を経ていますが、地震や風水害への対策及び市民の心構え、準備の徹底を進めることの方が喫緊の課題ではありませんか。
3点目として、当市は非核・平和宣言都市であります。とすれば、戦時を想定し、計画を立てること自体、宣言と矛盾しています。まず、自治体として本市のなすべきことは、政府に対して、戦争を起こすなと要求することです。現在の政府は、残念ではありますが、周辺国に対し、閣僚による靖国神社の参拝や不適切発言など、軍事緊張を招く行為を繰り返しており、戦争を起こさない努力をしているとは思えません。
4点目は、さきの対戦や現在のイラクでも明らかでありますが、戦時における犠牲者の大半は一般の市民で、特に子ども、女性、高齢者、障害者など社会的に立場が弱いとされる人々を多く含みます。国民保護協議会委員の構成として、市は防災会議と同様のメンバーを考えておられるようですが、人権を守る立場にある方や市民の権利に精通した方々、また女性といった当事者の視点が欠けています。
以上、冷静に考慮すれば、当該計画策定のために職員を配置し、時間を費やすことの空虚さは明々白々であり、私ども社民党福祉連合は本議案に反対いたします。