議会リポート

2006年9月8日

大島 淡紅子

皆さん、もう本当にお疲れのところ、最後の最後になりました。もう1人だけちょっと頑張って聞いていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

3つ質問したいと思っています。

まず、

  1. 宝塚市の国民保護計画について
    1. 宝塚市の地域性としてどのような点を主眼に置き、作成しているのか
    2. 災害時、要援護者と言われる人たちや、女性、外国の人たちの視点を計画にどのように反映するのか、協議会委員の人選はどのように決定したのか
    3. 市の国際平和への努力とは、また国が努力するよう働きかけはしたのか
    4. 個人情報やプライバシーの確保、報道の自由をどのように担保していくのか
    5. 協力に対する個人の自由と強制についてどう考えるか
    6. 避難時の混乱の予防と対処はどうするのか
    7. 計画(案)に対し寄せられた意見・提案の取り扱いはどうするのか

これが1番の質問です。

  1. 子どもの水難事故について

この夏、全国で痛ましい子どもの水の事故が相次ぎました。中には人災と言える事件もあり、防ぐことができたと言えるものもありました。ここ宝塚でも悲しい事故が2件起こってしまいました。6月24日、長尾南小学校のTちゃんは、兄、友人とともに橋谷池1.5メートルのフェンス内に入り、足を滑らせ、水深1.2メートルの池に落ちました。しかし、池はすり鉢状、そしてゴムシートで護岸してあり、土の岸の部分がほとんどないということで、よじ登れなかったのか、たまたま第一発見者が知人だったので、当時の状況を聞きました。岸の2人が必死で助けを求めて叫んでいたので、走って寄っていきましたが、もうTちゃんは水に沈んでおり、気泡も出ていなかったということです。その後、労災病院で死亡が確認されました。7月11日、今度は中山五月台幼稚園で園児の弟、2歳のNちゃんが観察池に落ちました。発見まで十数分、人工呼吸も直後になされたこともあり、心臓も働き、呼吸も正常に戻りました。当時の肺炎も現在は治っておられるとのことですが、入院中であり、以前の状態にはまだ回復なさっていません。7月31日、これは埼玉県ふじみ野市の流水プールで、小児女児が吸水口に吸い込まれ、亡くなる事故が起きました。相次ぐ子どもの水難事故、御両親のお気持ちを考えると、悔やんでも悔やみ切れません。

長尾南小学校隣の橋谷池と中山五月台幼稚園の観察池では、過去に最悪の結果にならないまでも、それぞれ2回ずつ事故が起きています。そのときの検証と反省はどう生かされてきたんでしょうか。また、子どもたちや保護者に対する心のケアはどうされているのか、お答えください。

  1. 宝塚の教育改革に子ども市民を育てる視点を

学校改革審議会でも指摘されました宝塚の教育ビジョンづくり、今まさに幼小中教育プロジェクト委員会で策定されようとしているこのビジョンに、ぜひ子ども市民を育てる視点を入れていただきたく質問をいたします。

以前、訪れたデンマークで、成熟した社会を実感した1つに教育がありました。視察した小学校は、予算編成から職員の人事と運営まで、単校の委員会に任されており、その委員会メンバーに何と児童が含まれていました。見学させてもらったクラスの若い女性教師は、へそ出しのパンクファッション、休み時間には子どもたちの栄養を補うために、クッキーやリンゴを子どもたちはかじって遊んでいました。校則もありません。学級崩壊はあるのかと校長に尋ねても、その事例がないので、学級崩壊という意味すら理解することができません。大人も子どもも各人の裁量に任されているんです。そんなデンマークで力を入れているのがこのキャリア教育です。ほとんどの子が小学校卒業までに、自分はどう生きるのかを決めています。もちろんそれはいつでも軌道修正が可能です。その希望に沿った上級学校に行くので、必然的に大学に行く子は、研究者、弁護士などの志望の子だけです。ですから、授業時数もかなり少なくても、学習塾なんてありません。

そこで、宝塚市のキャリア教育の現状をお答えください。

また、子ども市民を育てるという視点で、今、策定中の子ども条例は、当事者である子どもが最も子ども市民としてかかわるにふさわしいと思いますが、いかがでしょうか。

3月には子ども参加型の次世代育成支援行動計画推進フォーラムも企画されています。説明をお願いします。

阪上善秀 市長

大島議員の御質問に順次お答えをしてまいります。

まず、宝塚市国民保護計画について、市の地域性としてどのような点を主眼に置き、作成しているのかについてでありますが、本市の地域特性として、南部地域の中央を武庫川が流れていること、昼夜間人口で流出入人口差が大きいことや、長尾山西端部に演習場があること、高速道路が市街地の中心部を東西に通っていることなどを計画の中に表記しております。

また、災害時要援護者と言われる高齢者、障害者、外国人等への配慮についても、保護措置の基本方針に記載しているほか、警報及び避難の指示等で、高齢者、障害者、乳幼児等への配慮について記載しております。本市の取り組みといたしましては、あんしんメールで外国人への避難勧告として、5カ国語による配信や、聴覚障害者には文字による情報伝達に努めております。また、今年度から、災害時要援護者の把握に努めてまいりたいと考えております。

次に、協議会委員の人選はどのように決定したのかについてでありますが、国民保護計画は、自然災害時には想定されない市の区域を越えた避難に関する事項や、生物・化学兵器を用いた武力攻撃事態等に特有の内容も多いことから、地域防災計画とは別の計画として作成するものでありますが、委員につきましては、国民保護法に規定する指定地方行政機関の職員、自衛隊に所属する者、県の職員、助役、教育長、消防長、その他の市職員、指定公共機関または指定地方公共機関の役職員、知識または経験を有する者のうちから市長が任命することとされており、市の国民保護のための措置の実施体制、住民の避難や救護の実施に関する事項、平素の備えておくべき物資や訓練等に関する事項を定めるものであり、地域防災計画の内容を参考に定めるなど、共通した事項がありますので、同一メンバーとしたものであります。

次に、市の国際平和への努力とは、また国が努力するよう働きかけはについてでありますが、計画作成に当たっての基本的考え方として、国際平和のための取り組みと武力攻撃事態等への備えに、本市として国際平和を希求する立場から、非核平和都市宣言の精神に基づき、非核平和都市推進事業、国際文化センターでの異文化相互理解事業など、さまざまな取り組みを展開しており、国際協調のためにこのような取り組みをこれからも続けていかなくてはならないと考えております。

次に、個人情報やプライバシーの確保と報道の自由をどう担保するかについてでありますが、情報収集・提供のための体制整備に際して、個人の情報の保護に配慮しつつ、効率的な情報の収集、整理及び提供を行うこととし、高齢者、障害者等、災害時要援護者及び外国人への配慮として、武力攻撃事態等において迅速な対応ができるよう、平素からの取り組みとして、個人情報の取り扱いに注意しつつ、民生児童委員、訪問介護者、自主防災組織、ボランティア、自治会等の協力を得て行うことを記述しております。

報道の自由の担保につきましては、放送事業者である指定公共機関等が実施する保護措置については、自主性を尊重することとし、警報・避難指示・緊急放送の内容を損ねない範囲で、指定公共機関の自主的な判断にゆだねられております。

次に、協力に対する個人の自由と強制についてどうするかについてでありますが、市民に協力を要請する場合においては、市民の自発的な意思を尊重し、強制にわたることのないよう配慮することとし、避難や救援などにおいて、自発的な協力が得られるよう、平素から保護措置の重要性について広く啓発を行っていくことといたしております。

次に、避難時の混乱の予防と対処はどうするのかについてでありますが、避難住民の誘導については、あらかじめ避難経路、避難手段、一時集合場所などを定めた避難実施要領を計画策定後、来年度以降にマニュアルを作成し、混乱が生じないように対策を講じてまいります。

次に、計画(案)に対し寄せられた意見、提案の取り扱いはについてでありますが、今までの意見と、9月6日から行いますパブリックコメントでの意見は、次に開催する国民保護協議会で協議していただきたいと考えております。

次に、宝塚の教育改革に、子ども市民を育てる視点のうち、子ども条例についてでありますが、本市の子ども条例は、すべての子ども、すべての子育て家庭への支援の基本理念並びに家庭、学校、地域、事業所、市の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、子どもが自分らしく生き、命を慈しみ、人を思いやれる等、健やかに育つことが保障されるような環境づくりの実現を目指したいと考えております。

子ども条例につきましては、現在、知識経験者、児童養護施設施設長、小学校長、PTA協議会代表、社会福祉協議会職員、公募市民で構成する次世代育成支援行動計画推進地域協議会の部会で内容を検討していただいているところであります。

なお、子ども市民を育てる視点につきましては、6月に開催しました第1回の同部会におきましても、子どもが1人の主役として、地域づくりや環境づくりについて意見を言う機会や場の提供等、子どもの社会参加が必要との意見もいただいております。

また、このような視点の事業といたしまして、平成19年3月に次世代育成支援行動計画推進フォーラム、(仮称)ミニたからづかの開催を予定しております。この事業は、子どもたちが遊びから就労を学ぶこと、及び子どもの視点でまちづくりをすることを目的に、子どもたちが街の主役として仮想の小規模な街たからづかを実現させようとするものであります。事業の実施に当たりましては、実行委員会を組織し、中高生徒も委員として参画し、企画の段階から大人と一緒に検討していくこととしております。

今後も、子ども自身に参加を促し、子ども自身が1人の市民としてまちづくり等を考える機会や場を提供していきたいと考えております。

教育に関する御質問につきましては、教育長から答弁をいたさせます。

勝山浩司 教育長

大島議員の教育に関する御質問にお答えいたします。

子どもの水難事故についてのうち、まず池での事故についてでありますが、以前に長尾南小学校児童が橋谷池に落ちたという件のお尋ねについてまず御説明いたします。

平成14年6月5日、当時、長尾南小学校4年生、5年生の男児児童2名が、橋谷池へ釣りに行った際、1名が足を滑らせて池に落ち、助けようとしたもう1名も引き込まれて池に落ちました。このときは、たまたま車で通りかかった男性が車に積んでいたロープを投げ、2名を救出いたしました。その後、救急車で病院に搬送されましたが、けがはなく、その日のうちに帰宅しております。この事故を受けて、当時の長尾南小学校では、全校朝会や学級指導の中で、命の大切や危険な遊びはしない、危険な場所には近づかない等の安全指導を行ったところであります。

また、今回の6月の事故後は、子どもたちへの安全指導について全校集会を開き、児童の冥福を祈るとともに、繰り返し命の大切さや危険な遊びはしない、危険な場所には近づかないなど、安全指導の徹底を図りました。

さらに、児童が学校側のフェンスを乗り越えて池に入ったとのことから、池に面した学校側フェンスの上に30センチの支柱を立て、その間に有刺鉄線を張り、フェンスを高くし、加えて緊急時に学校側から池に入れるようにドアを取りつけました。市教育委員会といたしましては、子どもたちの安全を守るために、学校園を通じ、機会あるごとに子どもたちに安全指導を徹底し、事故の再発防止に取り組んでまいりたいと思います。

次に、過去の中山五月台幼稚園の観察池に関する件の状況について御説明いたします。

昨年11月ごろ、保護者が園内で会合を行っていたときに、2歳の女児が池に落ち、近くにいた保護者が急いで引き上げたことがありました。幼児はけがもなく、幼稚園でぬれた着衣を着替え、保護者はこのようなことが起きてしまったことを反省されていたとのことであります。また、冬に氷が張った観察池に興味を持った園児が、片足を氷の上に乗せたとき氷が割れ、池に片足を入れてしまったこともありました。その後、幼稚園内ではこれらのことを受け、園児への園内施設等での遊び方や過ごし方の安全指導を徹底し、教職員への安全に対する意識の再確認を行いました。さらに、再三、保護者には未就園児の子どもを同伴するときには、必ず子どもから目を離さないようにしていただくということをお願いし、安全確保の周知徹底に努めてまいりました。

市教育委員会といたしましては、このような軽微な事柄でも大きな事故につながりかねないものについての報告制度の構築が必要と感じており、また今回の事故を受け、すべての幼稚園及び小中学校の観察池、ビオトープにつきましても、現況や利用目的、特記事項等について調査し、各学校園に応じた対策について協議検討いたしているところであります。

事故に遭われたお子様の1日も早い回復を願うとともに、今後このような事故が二度と起こらないよう、安全管理、安全指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。

なお、心のケアにつきましては、両事故とも直後からカウンセラーを派遣し、児童、教職員、保護者、それぞれにカウンセリングを行うなど、可能な限りの配慮を行っているところであります。

次に、プールの安全についてでありますが、本年7月31日に埼玉県ふじみ野市の市営プールにおきまして、小学2年生の7歳の女児が吸水口に吸い込まれ死亡するという痛ましい事故が起こりました。その第1の原因は、報道にもありますように、吸水口のふたが外れていたことであります。この事故を受け、翌8月1日付で文部科学省から、プールの安全点検及び確認の実施並びに排水口のふたの固定と吸い込み防止金具の設置について調査するよう通知がありました。

本市におけるその調査結果は、学校のプールにつきましては、排水口のふたが固定されておらず、かつ吸い込み防止金具の設置されていないものが1件、吸い込み防止金具が設置されていないものが3件ありました。学校プールの安全点検は、毎年シーズン前に各学校関係者に対して、学校プール管理指導説明会を開催し、子どもの健康管理、水質管理、施設設備の安全点検についての指導を実施し、排水口等の点検につきましても確認をするよう指示しておりましたが、点検の際に不備を発見できなかった原因としましては、前者の1件は、排水口のふたが非常に重く、動くことがないと判断したこと、後者の3件は、ふたがボルト等で固定されており、安全と判断したためであります。

今後の対応といたしましては、来シーズン前の清掃・点検のために水を抜いた際、全プールを再度点検し、安全性の確保に万全を期してまいります。

次に、スポーツセンターのプールの調査結果でありますが、排水口のふたにつきましては、屋外、屋内プールのすべてのふたがねじで堅固に固定されており、安全性に問題はありませんでした。吸い込み防止金具につきましては、児童幼児用プールの排水口の4カ所に金具が取りつけられていなかったため、直ちに排水口に金網をかぶせて金属バンドで固定する、もしくは金網をボルトとナット等で固定する応急措置を行い、さらにこの措置が完了するまでの間は、各排水口に監視員を立たせて安全確保を図りました。

プールの定期的な安全点検は、シーズン前に水を抜き、一斉に行っておりますが、吸い込み防止金具がないのに気づかなかったのは、ふたが堅固にとめられ、かつふたの損傷等により利用者に負傷等を負わせる危険性がないことを確認することで安全性が確保できたと考え、ふたを外してまで点検を行わなかったためであります。

今後の対応といたしましては、学校プールと同様に、来シーズン前の点検時に、吸い込み防止金具を設置するとともに、厚生労働省の遊泳用プールの衛生基準における施設基準に照らして再度点検し、安全確保のため必要な措置をとってまいります。

次に、宝塚の教育改革に子ども市民を育てる視点をのうち、小中学校でのキャリア教育についてでありますが、中学校におきましては、2年生で取り組むトライやる・ウイークを柱に、1年生のときから仕事観や職業観などについて学習を重ね、トライやる・ウイーク後の感想には、仕事をお金をもらうためだけではなく、社会や人のためやるのだということを学びましたなどといった仕事のやりがいや労働の意義などを述べたものがあるように、トライやる・ウイークを中心とした一定のキャリア教育がなされております。

さらに、特別活動の時間等におきましても、仲間と励まし合いながら、自分の進路実現に向けて努力し、将来の夢が描けるよう指導をいたしております。

一方、小学校では、社会科の学習において、小学校3、4年生で、地域の産業や消費生活の学習、小学校5、6年生で日本の産業と国民生活などの学習を行っており、働くことの意義や社会に貢献する態度などを指導いたしております。加えて、小中学校の道徳の授業におきましても、主として集団や社会とのかかわりに関することの内容におきまして、働くことの大切さや社会に奉仕する喜び、勤労のたっとさや意義などを系統的に学び、社会の発展に貢献することができる子どもたちの育成に努めております。

さらに、県の事業として、高等学校において、高校生就業体験事業インターンシップ推進プランがあり、学校の特色を生かしながら、自己実現に向けたさまざまな取り組みを行っております。

このように小学校から中学校、高等学校へと連続した教育の中で、子どもたちの職業観や人生観をはぐくむキャリア教育の実践に努めているところであります。

大島 淡紅子

では、1番目の宝塚市の国民保護計画から伺っていきたいと思います。

まず、地域性ということでお答えをいただいたんですけれども、保護計画をずっと読んだんですけれども、一部を除いて、どこの市でもこれ共通するなというのがあるんです。市の地理的、あと社会的特徴については述べてあるんですが、それがどうなるのかとか、分析、言及が全然してないんですね。例えば近隣にどういう危険な場所とか、危険なものがあって、どこにあって、どういう影響を及ぼすか、有事の場合にはどういう影響を及ぼすかというようなことが書かれていない。これが問題ではないかなというふうに思っています。特に、原発なんですね。原発の被害というのがもし攻撃された場合に、宝塚にはどういう影響を及ぼすのか、ちょっと教えてください。

坂上正彦 市民安全部長

まず、地域性の特性ですけども、地理的な、あるいは気候、人口、道路、このようなものは書いております。また、これに伴うことにおきましての対策は立てております。ただ、近隣にどのような危険施設があるか、あるいはまたそれがどれだけの影響を及ぼすか等々につきましては、今後それぞれの研究会の中で協議をし、またそれに伴うマニュアルをつくっていきたいというふうに考えております。

原子力発電所の影響につきまして、今回ここには上げておりませんけども、地域防災計画の中では、原子力に関する避難の方法等々について上げております。ですから、これにつきましても、今後、来年には避難マニュアル等を資料をつくってまいりますので、その段階で地域防災計画との整合を図りながら作成をしていきたいというふうに考えております。

以上でございます。

大島 淡紅子

はい、わかりました。

ちょっと気になったのが、策定前の説明を3月議会で上がるときにもいろいろ聞いたんですけれども、なかなか女性、外国の人たちの視点というのは計画に何とか反映させるようなことを考えてくださいというふうに申し上げたんですけれども、お答えでもちょっとなかったように思います。

ちょっと1点お伺いしたかったのが、特に外国の人の人権擁護という観点から気になることがあるんですが、北朝鮮がテポドンを発射したという、その後、各地でいろんな在日朝鮮人の方たちの影響があったと思うんですけれども、宝塚ではどんな何か被害があったかということはあったんでしょうか。

坂上正彦 市民安全部長

ちょっと今回の保護計画とは外れますが、私が市民生活部長をやってるときには、このテポドンのちょうど後に、宝塚市民フェスティバルの場で、いわゆる朝鮮人高等学校ですか、そこの生徒さんの踊りの後に、道路でその人たちに対して非常に厳しい言葉を投げかけたというような事件がございました。

以上でございます。

大島 淡紅子

そうですね、その有事のときに、やはり外国の方がたくさん宝塚にもおられるということで、当該攻撃をしかけてきたという場合、テロがあった場合、そこの関連するその国の方たち、から来られている方たちに影響がないかということが心配でちょっとお伺いしました。

順番としてちょっと聞いていきますけれども、市の国際平和への努力ということの取り組みはいろいろお聞きしたんですけれども、また国の方が国際平和へ努力するように働きかけてくださいっていうことを言うことが大切だと思うんですが、それはされないんですか。

谷本政博 総務部長

市の方といたしましては、平成元年に非核平和都市宣言を行っておりますし、それから平成15年には核兵器廃絶平和推進基本条例、これを制定をいたしまして、現在も各都市ごとに平和の取り組みを毎年、市民の参加のもとに行ってございます。こういったいろんな取り組みをする中で、国あるいはそういったいろんな団体に対しまして、本市の取り組みを随分と伝えていく中で、国全体といたしまして平和の取り組みそのものが層が厚くなっていくように我々としては考えてございます。

大島 淡紅子

ということでなくて、国の方で策定しなさいということがおりてきてるわけですよね。でも、その以前に国としては、そういう事態になることを避けるという努力をするのが当然だと思うんですけれども、それに対して努力をしてくださいという要望はずっとし続けるべきだと思うので、そういう形で、要望という形でしていただきたいと思います。これはぜひとも考慮してください。

それからあと、ほかにちょっとお聞きしたいこともありますので、計画の策定のタイムスケジュールをいただいたんですけれども、3月市議会から、私たちの市ではスケジュールというのをちゃんと出してくださってるんですけども、これ国の方で2004年に、国民保護法を施行されてから、2006年には県の方で計画が作成され、そして2007年の3月にはもう市で計画を策定するということで、5カ年計画ということでかなり拙速、本当につくられる、マニュアルがあるとはいえ、これだけ大変な計画なのに、物すごく時間が短いと思われるんですが、災害対策基本法にしてみると、やっぱり倍、10年かかってるんですね。少し拙速にこれつくろうとしてるんですけれども、私たちの宝塚では、3月の市議会で報告というふうになっておりますけれども、協議会というのはこれは3月議会以降はどうなっていくのでしょうか。

坂上正彦 市民安全部長

この協議会におきましては、今年度は1回目、2回目、3回、4回開催をいたします。また、来年度以降におきましては、いわゆる地域防災計画と同様で、それぞれの節目、節目で年に2回ほど開催をする予定はいたしております。

以上でございます。

大島 淡紅子

強制ということに関してちょっとお伺いしたいんですが、強制しないというふうに、御協力をお願いしていくというふうな形をおっしゃっておりました。県の弁護士会が県の計画に対して意見書を出しておられますよね。罰則による強制を伴う措置もあるということで、その県計画に対して、人権擁護規定が物すごく抽象的ということに対して、あいまいであるということで危惧をされています。この県の弁護士会が出された意見書を検討されたんでしょうか。検討された結果、どういうふうになったのかをお答えください。

坂上正彦 市民安全部長

県の意見書につきましては、この前の先日の保護協議会の段階でも、これは計画とともに委員の皆様方に配布をいたしております。もちろん事務局の中でもすべてを研究をいたしました。ただ、今回は保護法によります権利につきましては、権利は最大限に尊重し、またその制限は最小必要限、また協力等につきましても、自発的な意思について強制にわたるものでないということで、法で明記をしております。ただ、個々のいわゆる地方での計画につきましては、それに基づいて計画を立てているわけでございますから、私はこれによりまして担保が十分できているものというふうに考えております。

以上でございます。

大島 淡紅子

私がお聞きしたのは、とても心配だということでお聞きしたんですけれども、災害組織というのが戦時中のような軍事化されないかということがすごい心配してるんです。地域ぐるみで監視組織という形にならないかなというのを気にしてるんですが、というのは既にある自主防災組織というのがありますよね。これは戦時中には自警団ということでした。それから、消防団、これも戦時中は警防団という形で存在してました。それからあと、住基ネットが今あるんですけれども、これも戦時には市民の情報管理、それから情報収集の方で使われないかなという、何かそういう危機感を覚えてちょっと質問をさせていただきました。

最後に、1つだけちょっとお聞きしておきたんですけれども、有事の場合の自治体の使命というのを、これは何かということを端的にお答えください。

坂上正彦 市民安全部長

地方自治体の使命といたしましては、まず何といっても住民の避難、それと避難住民の救援、そして武力攻撃事態への被害の最小化ということでございます。

以上です。

大島 淡紅子

確認しました。住民の保護ということを中心にということで言っていただいたので、決して作戦の支援ではないということですね。はい、わかりました。

また、今後の動向というのを見守っていきたいなと思っています。何か前回の協議会も傍聴があるかなと思って待ってていただいたそうですので、次回はぜひとも行かせていただきたいと思っています。

では、2つ目の質問の方に移らせていただきます。

子どもの水難事故についてということで質問させていただいておりますが、まず防止策についてちょっとお伺いしたいことがあります。

ハード面ということでお伺いをしたいんですけれども、まずプールでの不備ということでお伺いしたいんですが、吸い込み防止金具の設置がなかったりということもありました。それから、排水口のふたの固定がないというのがありました。長尾中学校では、排水口のふたにもボルトの設置もないということで、これ非常に重いからというふうに先ほど説明があったと思うんですけれども、非常に重いといっても、多分水の中だと浮力でかなり軽くはなると思うんですが、その辺は確かめられたんでしょうか。子どもにしてみれば、以前そういうことがあったので言ってるんです。おもしろがって、それをどけたために、自分が挟まってしまって亡くなったという事故がありましたよね。それを心配してるんで、ちょっとお伺いしたいんですが。

今里善直 管理部長

この事件の後、調査したときに、そのふたがボルトでとめておらなかったということで、学校長に確認しましたところ、それは大人でも持ち上げるのは非常に難しいというぐらい重いんですという言葉をそのまま答弁書に、非常に重いふたで持ち上げることはできないと判断したという言葉を使わせてもらいました。

以上です。

大島 淡紅子

ということは、現場の確認ということですね。はい、わかりました。次期にはそれをきちっと固定されるということですよね。じゃ、よろしくお願いします。

それと、あと池の事故のことなんですけれども、長尾南小学校で過去に、2002年の6月に先ほどおっしゃったような水の事故がありましたが、幸い助けられて無事だったということ。それから、その後、9月には女性が池に入って自殺をされてるんですね、9月にはね。その後、実は2003年にも小学校5年生の男の子が1回池に落ちています。これはちょっと多分学校の方に報告されていないので、レスキュー隊も出ておりませんので、どうやってちょっと助かったのか、その辺も詳しいこともちょっと余りわからないんですが、そういう事件があったということだけは保護者からいろいろ聞いたので、確かだと思います。

ただ、その後、全校朝会では子どもたちには安全指導をされたということだったんですけれども、過去においての事故の後に、今回そのフェンス、長尾南小学校のところにつけられましたけれども、そのときにはフェンスを改良してくださいというような要望はなかったんでしょうか。

今里善直 管理部長

私が聞き及んでいる限りでは、そういう要望はなかったと思っております。

以上です。

大島 淡紅子

ということで、それまでことしまでフェンスを改良されていなかったということになるわけですね。なるほど。今回、地域の水利組合の方にもお願いして、草刈りを早い目に、いつもだったら2月にされるところを早目にしてくださいということで、8月にされたということです。水の事故が起こりやすいのはやっぱり暑いときだと思いますので、今回そうしていただいたのはとってもありがたいと思うんですが、来年以降はやっぱり8月までに刈っていただけるんでしょうか。

今里善直 管理部長

その旨、管理組合の方に要望してまいりたいと思います。

大島 淡紅子

わかりました。

五月台幼稚園の方なんですけれども、実際、私も見に行かせていただきました。そこでちょっと問題があるなと思ったんです。先ほど北山議員もおっしゃっておりましたけれども、池のそのすぐ横に砂場がある、築山になっている砂場があるというのはちょっと気になったんですが、もちろん幼稚園の方から見えないということもあるんですけれども、当該幼児がスコップを持って外へ出ていったということで、砂遊びしようと思って出ていったんですよね。それぐらいのお子さんでしたら、砂を掘って遊ぶ。横に池があると、やっぱりおもしろいから入れたくなりますよね。その辺を以前から幼稚園の方では問題にならなかったんでしょうかね、すぐ砂場の横に池があるということで。そういうことに関して何か幼稚園の方で問題になったということはなかったんでしょうか。

大西良信 学校教育部長

 直接、幼稚園の方からはそういうような情報は得ておりません。

以上でございます。

大島 淡紅子

それからもう1つ、池なんですけれども、掘り込み式の池ですよね。何か水槽を置いた池ではないですよね。水の深さが40センチ、池自体の地表から下の底までは何センチある池なんですか。

今里善直 管理部長

設計書によりますと、地表面から20センチの立ち上がりがあると、それで池の深さは50センチですので、地表面からは30センチだと思います。

大島 淡紅子

30センチとは思わなかったんですけれども、今水が抜いてあるのでよくわかりますよね。

今里善直 管理部長

ちょっと質問の趣旨を間違ってるんかもしれませんけども、池の深さが50センチ、地表面から20センチの立ち上がりがあるということなので、深さは50センチですけども、地表面から30センチと、そういう趣旨で答弁させていただきました。

大島 淡紅子

子どもは頭がすごく重いですよね。だから、のぞき込むだけでバランス崩れたらぽんと落ちてしまう。砂を入れるときにでも、こうのぞき込んだときに、ころっと落ちてしまう可能性がやっぱりあるということで、同じ池でも今言ったような水槽を設置してある池であれば、50センチの高さがあれば、危険の余り認識がないようなお子さんだったら、1メートル以内とすると、半分以上は首、体の半分以上に水槽の縁があるわけですよね。今後、掘り込みになっている池の形状とか、それからあと掘り込みになっている池に対して、水抜いてしまって、せっかく観察池としてのビオトープとして、子どもたちが楽しんで、それから学習していくということに関して、すべて取り上げてしまうというのはやっぱりどうかと思っているので、ネットをしていくと、そういうようなことはされるんでしょうか。

今里善直 管理部長

今回の事件を受けまして、いろんなことを調べてるんですけども、例えば設置場所についても、当然のことながら、園とか保護者はできるだけ園庭とか校庭の利用の邪魔にならないような場所にしてほしいとか、あるいは今お尋ねのネットについても、ネットを設置すると水に親しむこととか、あるいは観察の障害になるんではないかとか、あるいは水深についても、安全性だけを考えると浅い方がいいかもしれないけども、そうなると生き物の成育には支障があるんではないかなと、いろんな意見がありますので、これからいろんな意見を参考にしながら、どれが一番安全で、しかも教育面での配慮が行き届いたものなんかなというふうなことを検討してまいりたいと考えております。

以上です。

大島 淡紅子

幼児が、特に幼稚園というのは下のお子さんを連れてこられるということになると、かなり年齢の低い幼児が来られるという可能性が高いわけですよね。お手伝いに来られているということは、その幼児に張りついて四六時中見ていると仕事が全くできなくなるということで、やはりそういう環境を整えてあげるということがやっぱり大事ではないかなと思うんですが、幼児が集まる幼稚園での一時保育のグループというのがあちらこちらであると思うんですが、OBの方とか、それから保護者の方たちの自主的な保育ということがあると思うんですが、これは状況として今どれぐらいあるんでしょうか。

大西良信 学校教育部長

一時保育の状況なんですけども、幼稚園の方も幼稚園自体が行う行事と、実際今回のようにPTAが主催で行う行事とあるわけでございますけども、幼稚園が主催で行う行事につきまして、特に託児といいますか、一時保育的に設けているということは余り市内の幼稚園はないようでございます。ただ、大きな行事につきましては、PTAの役員が見回って、危険箇所等を見回って、きちっと安全が保ててるかということはやってるようでございます。それから、PTA主催の行事の中で、私の方で把握してますのは、例えばPTA主催の講演会とか、家庭教育学級なんかでは、例えば12園中10園がPTA役員や卒園児の保護者による託児ボランティアの協力で託児を行っているというふうなことも報告として上がっております。それ以外では、保護者同士が協力して見守ったりとか、預かったりしながら、保護者の目が未就園児に届くようにやってるというようなことも報告として受けております。したがいまして、こういったことも踏まえまして、特に今回、PTA行事で、保護者の方、一生懸命やられてて、本当に目離されるという部分も、これある意味ではやむを得ない部分もあったんかなという部分も考えておりまして、今後きちんと安全が保てるようにまた幼稚園等と、あるいはPTA等と話し合っていきたいと思います。

以上でございます。

大島 淡紅子

特に、危険の意識が希薄な年齢の低い子どもさんに対しては、まずは本当にハード面の整備ということが急がれると思うので、そちらを充実していただいて、それから予防教育ということでお願いしたいなと思っています。

1つお聞きしたいんですが、今、池が職員室とか保育室から見通しが悪い幼稚園というのは大体どれぐらいあるんでしょうか。

今里善直 管理部長

幼稚園8園中4園は、管理所室から見にくいというふうな報告を受けております。

以上です。

大島 淡紅子

半分がちょっと見通しが悪いということで、ぜひともこれお願いしたいなと思っています。

それから、今度ハード面でなくて、防止教育のことをお聞きしたいんですけれども、やっぱり事故が起きるというのは、子どもだけのときにやっぱり起こる、ほとんどがそうですよね。もちろん危険予知とか回避能力を高めるという、そういうことは大切で、危ないところには力寄らない、盛んに保護者懇のときもそういうことを教えていますというふうにおっしゃっていました。安全指導ということでおっしゃってたんですけれども、問題なのは体験不足というのが多いんじゃないかなと思うんです。例えば小学校で危険マップづくりをしましたよね。あの危険マップの調査というのは池だけに限らず、交通とか、そういうものも、それから不審者、それも含めて、子どもたちが実際危険マップの危険箇所を回って歩いてるんでしょうか。調査してるんでしょうか。

大西良信 学校教育部長

議員の言われているのは、宝塚市すみれ子ども安全マップの件だと思うんですけども、実際、各校区の方で作成をするに当たりまして、大人の意見だけじゃなくて、子どもたちの声も反映させるということで、実際、各小学校、中学校の方で実際校区の中で、子どもたちの方からここがちょっと危ないよという情報も得ながら、今回、安全マップの方も作成しております。

以上でございます。

大島 淡紅子

情報を得るということになると、行ったり行ってなかったりいろいろあると思うので、ぜひとも学習の中で、実際見に行ってほしいなと思うんです。そのときに、例えば実際、川があるところであれば、川の中にちょっと入ってみて、川の石というのは絶えず水が流れてるのでぬるぬるしてますよね。それでどれぐらい危険かということも、ちゃんと大人が立ち会って、保護者の協力を得てということもあると思いますけれども、実際に体験をさせてみてやってほしいなと思うんです。それから、池に行っても、下が池というのは護岸してあってもまたそこにいろんなものが積もってくるので、下がどろどろになってくる。どれぐらい深いかというのは、表面から見ただけではわからないので、棒を持っていって、上から突き刺してみると、結構ずぶずぶ入っていくなという、ああこれぐらいあるんだということを実際体験してみないと、子どもってわからないと思うんですね。ぜひともそういう試みというのをしていただきたいなと思います。

それからもう1つは、着衣水泳を今、学校でされてると思うんですけれども、その着衣水泳が大体5年生とか6年生がされてると思うんですが、いろんな水が怖くなってはいけないからとかという説明もされてたんですけども、低学年でもぜひともしていただきたいと思うんですけど、その取り組みはできるでしょうか。

大西良信 学校教育部長

今年度の着衣泳の学校の取り組み状況について、ちょっとお話ししたいと思います。今年度、小学校におきまして、着衣泳の方ですけども、24校中、雨天等でちょっと予定はしてたんだけど、できなかったという3校を除きまして、20校で実施しております。水難事故防止ということをねらいにしまして、毎年行っております。それから、中身ですけども、全学年児童を対象とした着衣泳の実施の学校はそのうち10校あります。また、残り10校では、3年生以上の学年で行っているということでございます。服を着たまま着水した場合の怖さについて体験したり、また着衣を利用しての浮き方、あるいはペットボトルを使っての浮き方、こういったことも学習することで、緊急時に落ちついた対応ができるように指導しております。

池等の体験なんですけども、実際、先ほどの安全マップにつきましての通学路等につきましては、実際にそのマップを頼りに歩いてみて、実際、危険箇所等を体験するということで、それから川とか、具体的な危険なところへ入ってという部分について、自然学校等では、私も経験はあるんですけども、実際の宝塚市の学校の学習の中でそういう取り組みしたいという状況についてはちょっと今、手元に持っておりません。

以上でございます。

大島 淡紅子

ぜひともしていただきたいと思います。特に、自分の身近なところで、別の場所に行ってやるのも大切なんですけれども、身近なところでここはいつも遊んでるから危なくないという感覚しかないんです、子どもは。いつも見てるところで、何にも起こってないから安全だというふうに思い込んでるので、そうじゃないんだよ、怖いこともあるんだよということも知ってほしいので、ぜひともそういう取り組みをしていただきたいと思います。

それと、長尾南小学校の事故があった後、職員会議の中で、市教委への要望というのが何点かあったんですけれども、その中で消防署による着衣水泳の指導を依頼されてるんです。長尾南小学校もずっと着衣水泳やってらっしゃると思うんですけれども、教員がやってらっしゃるんですけれども、消防署員による着衣水泳というのをお願いされてるんですけど、これはどういうふうにお答えになるんですか。消防署の方へ働きかけられたかどうかを。

大西良信 学校教育部長

実際に消防署の方に来ていただきまして、そういった訓練等も以前、行ったという経験を持っておりますので、今後も必要に応じて消防署と連携取りましてやっていきたいと思います。

以上でございます。

大島 淡紅子

じゃ次に、心のケアについてお伺いしたいと思います。

事故後の子どもたちの様子を継続的に、幼稚園、小学校にかかわらずずっと見ているということで聞いています。子どもたちが成長していくに当たって、小学校から中学校、幼稚園から小学校へというふうに成長していくに当たって、申し送り事項として、その事故に何らかの形で実際に子どもさんが人工呼吸をされて救急車に乗って行ったとか、それからこういうことでお葬式に立ち会われた同じクラスのお友達、それから同じ登校班のお友達がお葬式に行って、実際に亡くなったお友達を見ている、そういうようなことで、申し送り事項として情報として、その上級の学校や学年にはずっと申し送りをされていくんでしょうか。例えばPTSDということになると、その直後というよりも、長期にわたって長期的な観察が必要だと思うんです。これはされるのかどうか、ちょっとお願いします。

大西良信 学校教育部長

今回の長尾南小学校の事故の後も、実際にスクールカウンセラーの方を派遣いたしまして、教職員あるいは保護者等にも対応してまいりました。また、実際、先ほどPTSDという言葉も出ましたけども、必要に応じてその子どもたちにも対応してまいりました。実際にそういった子どもたちの状況につきましては、当然ある程度の期間が終わったら、はいそれでおしまいということじゃなくて、やはり学校との連携を深める中で、そういった症状等につきましては、ある程度の専門家が治ったというようなことが証明されない限り、やはりそれはきちんと引き継いでまいりたいと考えております。

以上でございます。

大島 淡紅子

現場にやはり居合わせた、特に御兄弟、それから同じクラスのお友達ということに関しては、必ず引き継いでいって、それから経過をずっと見ていっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。

それから、スクールカウンセラーの相談件数というのも調べさせていただいたんですけれども、2002年で8校だったのが、2005年では12校になっているという関係もあるんですけども、実際の相談件数が、2002年の子どもは574人だったのが、2005年では倍の1,068人になっていますね。それから、保護者も283人だったのが488人、2倍です。教員に至っては、677人だったのが何とか2,016人、3倍になってます。ことしになっても4月から9月までなんですけれども、もう既に全体で200件という相談件数があるということで、今現在、全中学校、小学校2校、週2回、2日、週2日というこの日数の拡大はできないんでしょうか。

大西良信 学校教育部長

スクールカウンセラーといいますか、実際、教育相談にかかる本当に子どもたち、保護者、教員、本当に相談件数、これは教育相談課の相談そのものもふえているという現状があります。実際これふやしていただきたいという部分は県の方にもお願いしてます。したがって、市の方での判断ではできませんで、一応県の方にお願いしているという状況でございます。

大島 淡紅子

頑張っていただきたいと思います。

最後に、ちょっと気になることがあるんですけれども、五月台幼稚園の報告書の中から、安全管理について、幼稚園は前回2005年11月に2歳の女児が池に落ちて以来、12月のPTAの役員会に口頭で、2005年の12月と2006年1月、2月、5月は文書で、小さなお子様は保護者の手元から離さないように、目を離さないようにとたびたびお知らせをされていますよね。もちろんある程度、目を離さないというのは重要ですけど、それは仕事にならないということで、先ほどのグループをつくっていただきたいということもあるんですけれども、またPTAのお手紙の中でちょっと気になったことがあって、PTAが出された今度はお手紙なんですけれども、事故の2,3日後、事故に遭われた保護者から、ぜひお祭りを開催してほしいという旨のお言葉がありましたというふうに書いてありました。本当に2,3日後で不安でどうなるかということで、子どもさんのことで心を痛めていられるときに、このような言葉を出さざるを得ないような状況というのがちょっととても私は心配でした。園のハード面での安全の不備ということよりも、目を離した親が悪いという、そういう親、保護者の共通認識になってしまうと、今後の環境の改善にはつながっていかないので、同じことを又繰り返してしまうのではないかという、それがとっても心配でした。今後の改善策ということで、保護者に周知していただくとき、やはりPTAとよく相談して、一緒に策をつくり上げていっていただきたいなと思います。これは要望しておきます。

それから、今度の宝塚の教育ということで、今ビジョンづくりということで、そちらの方をお伺いしていきます。

きのう教育長の方から、教育の街宝塚ということで、頑張りますという発言がありましたけれども、このビジョン策定の責任者として、教育委員長、教育長はどのような教育観をお持ちかを伺っていきたいと思います。きょうは脇舛委員が御出席なので、脇舛委員にもお願いしたいと思います。

まず、学力低下の問題なんですけれども、これはあると思いますか、それであるとしたら、ゆとり教育と関係があると思いますか、お答えください。どちらからでも、じゃ教育長からお願いします。

勝山浩司 教育長

ちまたにおきましては、学校週5日制の施行以来、学力が低下していると、こう言われておりますが、確たるこれは証拠というものはございませんので、いずれ実施されるでありましょう全国学力テスト等の結果を見て判断すべき問題ではなかろうかというように考えている次第でございます。

脇舛訣子 教育委員会委員

今、教育長が御答弁されたとおりでございます。私の考えも同じでございます。

大島 淡紅子

2002年の4月にゆとり教育というのが始まったんですけれども、翌年実施され、それから2004年発表のOECDによるPISAの学力調査というのがあるんですけれども、この順位が大幅に下落したということで、大々的に新聞報道されたので、日本じゅうがちょっとわいてしまったんですけれども、特に読解力の力が落ちているということで、その直後に文科省が、確かな学力の育成、基礎基本の徹底等を打ち出していったということなんですが、ただこの数字自体も実際に学力の低下というのにはちょっとマジックがあるとは私は思うんです。学力の二極化というのは確かに進んでるということで、本当はそれが一番問題ではないかと思っております。学力の低位の人が多ければ多いほど平均値というのは下がりますよね。もちろん気力とかというのもすべて学校、クラス、先生にまで波及していく。これはかつて宝塚市でも学校が混乱した状況において同じことが言えると思うんです。別の調査で、親が子に願うことのアンケート調査というのがあるんですけれども、これの結果を見ますと、1位が断トツで、人の心の痛みがわかる子になってほしいということが1位、2位が健康な体と体力、自立心を養ってほしいということで、学力をつけてほしいというのが最下位だったんです。親の願いとしては、心の成長というのは実は一番願っていることなんですが、ちょっと勘違いされているところもあるんじゃないかなというふうに思っています。

あと、学力というのは、競争させればさせるほど向上するとお思いになりますでしょうか。

勝山浩司 教育長

学力観についてでございますけれども、なかなか皆さん学校教育というものを受けてきている以上、それぞれの学力観、教育観をお持ちでございますので、これがこうと言うべきものは持ち合わせておりませんけれども、しかしながら学力の保障というのは、毎日学校に行くのが楽しいという、そういう生活のリズムから生まれるものではないかと、このように感じている次第でございます。

大島 淡紅子

教育長だけということで、はい、わかりました。学校に行くのが楽しい、とてもすばらしいことだと思います。今の経済活動における成果主義と結びついてしまった学力競争というのが一般化して久しいと思うんですけれども、来年度、29億円費やして全国学力テストを実施されるということで、以前1955年、56年にもこの全国学力テストというのが実施されたんですけれども、成績が下の方の子はちょっと休むとか、それから答えをこっちこっちこっちという先生が教えるというような形で、やはりその結果を重視するということで、かなり問題があったはずです。次の2007年の学力テストには、そういうことがないように何か対策とかというのはあるんでしょうか。

勝山浩司 教育長

以前に行われておりました学力テストと、今回、文部科学省が意図している学力テストとは、私は異なるものだというふうに考えてございます。先ほど議員の方から、PISAの結果の紹介がございましたけれども、このPISAの結果につきましても、上位のフィンランド以外の国につきましては、非常に学力の分布がばらついております。ただし、日本の学校につきましては、平均点レベルのところに学校が集中しているという非常に大きな違いがあるわけでございまして、その点、日本の教育システムというのは平均的レベルの子どもに合わせてきっちりとやっている教育、その成果ではなかろうかと考えている次第でございます。したがいまして、今回、国でやろうとしている学力テスト、これにつきましては、ただそれに参加して喜ぶとか悲しむとか、そういうレベルの問題ではなくて、しっかりと我が市ではどういうことが課題になるのか、つまりどの教科のどの部分が本市の子どもは弱くて、あるいは逆にある部分はすぐれているのか、こういう結果を分析して次につなげていく、これが今度のねらいではないだろうかと、このように考える次第でございます。

大島 淡紅子

今、学力のお話もありました。学力は何かということでお話があったと思います。テストの目的として理解度をチェックするという形で理解してよろしいですか。はい。

今の覚えてできる知識が中心ということになっていて、考えてわかる知力というのがぞんざいになってるんじゃないかなというのが私常々考えてるんですけれども、まず外国の人からよく言われるのは、日本人の大人が学習していないって、学習しないということをすごく指摘されるんですけれども、私が言いたいその学力というのは、つまり生きるための知恵とスキルということをやっぱり言いたいんです。そこが今回テーマにしている市民として生きる力ということになっていくと思うんですけれども、これに対しては家庭の教育力とか教員の資質がかなり問われるもんだと思います。大人と子どもがどれだけ信頼関係を築けていけてるかということも問われていくとは思っています。

最後なんですけども、人は何のために勉強するのか、教育とは何かということをもしお答えできたらお答えしてください。

勝山浩司 教育長

大変難しい御質問でございまして、どのように答えていいか、私もよくわかりませんけれども、私個人が考えているという事柄を披瀝させていただきたいと思いますが、特に義務教育に限って申し上げますと、やはり社会の一員として共通に身につけるべき基礎、ベースというものは身につける、そういう教育を行わなければならないと、このように考えておりますし、また今回の議会でもございましたように、宝塚特有の文化といいますか、伝承文化の継承、こういったものも大事だと、こう考えております。また、先ほど議員の方からも御紹介ございましたように、学力以外にも、学校では集団生活の中で社会規範を身につけるという役割もあるはずでございますので、こういったことも重要かと思っております。いずれにいたしましても、子どもたち1人ひとりの資質、能力を伸ばすということが肝要なのではないかと、このように考える次第でございます。

大島 淡紅子

これは子どもがまず絶対親に聞くことなので、どなたもきっと苦しんだことがおありの経験があると思いますけれども、教育長としてどういうふうに教育観を持っていらっしゃるかなということでちょっとお伺いしたわけです。

このキャリア教育というのをぜひとも子ども市民を育てるという視点の中で、今回の学校改革の目玉にしてほしいというふうに思っています。これはキャリア教育というのが、既存の概念では割と職業教育というようにとらえられがちなんですけれども、それだけでなくて、私というのは家庭での私、働く私、地域の私、ボランティアしてる私、いろんなそういう私というものが複雑にかかわってアイデンティティを形成していく、そのすべてにおいていつも主体的に、そして私が学びの中心ですという、この意識を持って教育を受けていってもらう、これがキャリア教育じゃないかなというふうに思ってるんですが、この意識づくりというのは、県の方が提唱しています高校で今回、次世代育成では出ていますけれども、高校になってからじゃもう遅いと思うんですね。特に、県の場合は、本当に就労支援というふうに、それだけに言及しておりますので、これでは遅いと思うんです。中学校でも今、進学指導というのはあると思うんですけども、進路指導ってないと思うんです。どこの学校へ行くかという進学指導はあるんですけれども、進路についてなかなか時間がないということもあって、そういうことになってると思うんですけれども、やっぱりここはすごく強く強調したいんですけれども、先ほどお聞きした何のために学ぶのかとか、学力とは何かとか、生きるとは何か、それから自分とは何かということに向き合っていくということ自体を今後、一番表に持ってこないと、今の子どもたちの危機的状況というのは、それから子どもの危機的状況じゃなくて、大人自体が危機的状況にあるということで、これを全面にぜひとも押し出していただきたいと思っているんです。それをすることによって、教師もみずから自分の感性でもう1回とらえ直すこともできるし、それからあと保護者や地域ということも、日常的な連携を含めて、地域の教育力というものをはぐくんでいくというふうに思います。それがひいては安心安全のまちづくりにつながっていくのではないかなと思っておるんです。教育改革の理念の方向を示すものとしてキャリア教育、学力とは市民として生きる力をつけることということで、ぜひとも今回の宝塚の教育のビジョンづくりの中にこのキャリア教育ということを考えていっていただきたいなと思っています。

子どもを社会の一員として学校づくり、まちづくりなどに積極的に参画させるということで、実は市場主義原理に基づいた競争ということではなくて、先ほども北野議員もおっしゃっていましたけど、協働して共通の目標や幸せを達成するということで、本当に生きる喜びというのが出てくると思うんですね。それをみんなで分かち合う、そういう信頼、それから社会的なモラルもそれで形成されていくと思うので、ぜひとも子ども市民を育て、それから子どもとパートナーシップを築くという今度大人の視点もこれは必要だと思います。

まずは子ども条例、今せっかくつくってる子ども条例、この中で特にこの前も問題になっておりましたけども、子どもの権利ということが、この第2章、人権の尊重というのがあるんですけれども、お聞きしましたら、人権というのは一般的な人権を指しておりますというふうにおっしゃっておりましたけども、子ども条例なんだから、やっぱり子どもの人権ということを絶対考えていただきたいなと思ってるんです。これ子どもの意見というのをぜひとも子ども条例の中に反映させて、何とか取り込んでいくような、そういう努力をしていただきたいんですが、それはどういうふうにされるでしょうか。

徳田逸男 健康福祉部長

これは第1回の地域協議会の部会でもそういった御意見をいただきました。子どもが自分たちの育つ環境をよくするためには何が必要かという観点から、これから検討いたしております条例に意見を言うということは大変意義あることであるというふうに我々も認識をいたしております。そういった形で、何らかの形で子どもの意見を聞く場をつくりたいというふうに考えております。

具体的な方法につきましては、現在、検討中ではございますけれども、現在、先ほど議員の方からも御紹介ありましたように、ミニたからづかの実行委員会に中高生にも企画の段階から参加いただくということで考えております。例えばそういった場を活用していきたいというようなことも考えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

大島 淡紅子

ありがとうございました。ミニたからづかで実行委員、今から改めて募集するというのも難しいと思いますので、ぜひともミニたからづかも成功させていただきたいし、子ども条例にも子どもの声を反映させていただきたいと思います。

この宝塚の教育改革の目玉ということで、キャリア教育というのをぜひとも考えていっていただきたいと思います。

私の意見は以上で終わります。