議会リポート

2009年9月29日

大島 淡紅子

皆さんこんにちは。社民党議員団の大島です。この議会では、2つの問題を中心に質問していきたいと思っております。

  1. 子どもを取り巻く教育の環境について

4点に絞って市の見解を求めていきたいと思っております。

    1. 子どもの生活・家庭の支援のためのスクールソーシャルワーカーの配置が必要ではないかについて

私ごとなんですけれども、11年前に軽音楽やダンスのライブを通じて青少年の社会参加、それからパフォーマンス発表の場をつくるという活動をしていたころに、大阪のヤンキーの社会でもA中学校の中学生に対しては一目置かれていました。そして、約30年前、A中学創立時の卒業生、つまり私より十ほど若い世代の人たちで、今、親世代の人たちなんですけれども、当時のA中学校の大変な状況、それからその大変な状況だった彼らの子どもたちがまた混乱を引き起こしているということをよく耳にします。

先日、文教生活常任委員会で視察に参りましたが、その帰りに目の当たりにした光景は大変ショッキングなものでした。別室学習から帰った子どもたちと出くわしてしまったんですけれども、彼らにとってうさん臭い大人である私たちへのアピールとも思えるような行動をとる子どもたち、先生方の精神的・肉体的疲弊は本当に多大だと思います。また、日常茶飯事として先生や友達への暴力、器物の破損を見ているその周囲の子どもたち、彼らの心理的なダメージも本当にいかほどのものか。不登校児が16名いるということも本当に心配なことです。

現在、我が子もお世話になりましたベテランの元中学校長が頑張っていただいて、かなり状況が改善したとはいえ、子どもも教師もだれもが安心して学校生活を営むことができる環境を整えるということは市の最低限の責務です。

一方、現在の社会情勢のもとでは、不登校の10%前後は貧困など家庭の環境に原因があるというデータがあります。家族の経済状態の改善に努めることで子どもの未来が開ける可能性があるんです。

さらに、混乱を引き起こす子どもの家庭に問題がある場合、保護者自身の軽度の発達障害が疑われるというケースも多いという話を聞きます。この場合、誤解していただきたくないんですけれども、発達障害のある人の家庭に必ず問題があるということではありません。

学校で起きる問題が教師だけで解決できる時代は終わりました。ここのところ、指導が入らないという言葉をよく耳にします。もう指導だけでは限界に来ているんではないでしょうか。そこで、子ども、家族、教職員、地域、さらには行政をつなぐコーディネーター役としてスクールソーシャルワーカーの配置を提案いたします。

現在、宝塚では、教員以外に心理学の専門家も学校に配置されています。しかし、教育現場において福祉の分野からのアプローチができる専門家は配置されておりません。まずは、何十年にもわたり問題を抱えてきたA中学校に常駐型のスクールソーシャルワーカーの配置が必要だと考えます。

文科省もその役割に着目し、2008年調査研究事業として15億4千万円予算計上し、現在は141地域に配置しています。兵庫県では各教育事務所に1名配置、全6名なんですが配置されていますし、大阪府では2005年から先行的に採用し、現在22名が配置されており、またさらに箕面市や茨木市等幾つかの自治体は独自にスクールソーシャルワーカーを配置しています。そして、不登校や問題行動、虐待等に対し、子どもだけではなく親や家庭の支援にも成果を上げています。このことについて見解を求めます。

    1. 教育現場における不安定雇用職員の増加についての対策

働く人の3人に1人といわれる非正規雇用。新自由主義の対等で人の命を預かる職場でも当たり前となってしまいました。ここで言う不安定雇用職員とは、常勤も含めた正規でない雇用形態の職員のことです。非正規雇用というふうに言われるとすべてを人格までも否定されているように聞こえるという意見がありますので、あえてこの文言を使わせていただきました。

多様なライフスタイルのため、同じ仕事であれば労働条件や賃金が同じで、私たち働く者が働き方を選択できるのであれば問題ありはありません。しかし、雇用は期限つきであり、月額の差は少々少なくても何十年も働き続けた場合の格差は非常に大きくなります。

ここに、ことし5月の学校での臨時採用の教職員、つまりアルバイトの先生の数字があるんですけれども、全体で160名以上、学校別に見ると小・中・自立支援学校全部37校のうちゼロというのは1校、1人から5人までが22校、6人から10人というのが13校、そして10人以上が1校と、6人以上の先生方がアルバイトという状況の学校が実に4割近くもあるのが実態です。

ほかにも、学習支援やメンタルケア、特別支援、不登校や問題行動に対する支援、安全事業の支援、学校図書館司書など、これとは別に170名以上の非常勤の先生がおられます。この中には、他市より手厚く市独自の負担で配置されているものもたくさんあり、大変ありがたいんですけれども、この際よく考えてみてください。先生も含めて学校にいる大人たちの半分以上が来年もそこにいるかどうかがわからない、つまり子どもたちの育ちを継続して見守っていくことができないような状況にあるんです。子どもの成長に責任を持ち、仕事に対するやりがいや喜びを先生から奪っていることになっているのではありませんか。

これらのそもそもの原因は、小泉首相による義務教育国庫負担制度の改悪にあります。2004年、総額裁量制の導入、これは国民の念願でありました少人数学級の実現をちらつかせ、給与の種類ごとの上限を撤廃し、教職員数の上限を撤廃するものです。結果はどうでしょう。非常勤や臨時教職員がふえました。また、2006年、国負担額が2分の1から3分の1に引き下げられた結果、都道府県は教職員の給与縮減に躍起になっています。当時、専門家や運動団体が危惧していたことが今まさに教育現場で起こっているのです。このような教育の現状をどう考えるのか、お答えください。

    1. 学校給食の完全米飯及び地場産食材導入の促進について

社民党議員団では以前、愛媛県今治市を視察いたしました。今治市食と農のまちづくり条例を制定し、地産地消、食育、有機農業の推進、遺伝子組み換え作物の栽培抑制を柱に今治市は政策を展開しています。市が有機農業の生産者を育成し、また今治産の食材の小売店や飲食店、加工製造業者を認証し、さらには20年以上にわたる今治産の有機無農薬野菜給食と食教育が消費者の意識を変えることで、何と町全体にも元気が出ました。生産者の不安を解消し、意識改革、つまり安全なパンや小麦をつくっていることに誇りを持ってもらえば、100%地場産米飯、100%地場産小麦パン給食も可能です。小学校低学年の子どもたちも、さまざまな学習を通して和食中心のバランスのよい献立を考えられるまでになります。民・産・官・学連携のお手本ともいうべき展開でした。

ここで特記すべき点は、

      1. 学校教育との連携はすばらしいけれども、これはすべて農政が主導です。学校給食のための契約農家の存在、この存在というのが生産者の生活保障にもつながりますし、それから子どもと生産者、農家との顔の見える関係ができ上がります
      2. 食育で親教育をしているんです。20年たって子どもたちが成長し、親になるんですけれども、また安全な食材を求め、食というのは本当に命の根源だということを考える親たちが育ってくれている、そういう成長が今治にはありました。そして、すぐれた消費者をまた育成しているんです

宝塚は、実は市の3分の2が農村地帯ということで、今の循環型社会の実現ができる本当に最良の条件が備わっています。食の教育を進めるには本当にもってこいの条件、まずは安定供給が見込める西谷産の米を使った完全米飯給食から始めてみませんか。

    1. DVD「天皇陛下 御即位から二十年」の市内全校配布について

先日、「天皇陛下 御即位二十年」というDVDが内閣官房及び内閣府、そして文科省から市と市の教育委員会に送られてまいりました。特に市教委あてのものには、この件についての周知と各校への配布をお願いする文書がついています。作成、企画はというと内閣府、それから制作は毎日映画社で、内容はといいますと、天皇の即位礼の儀、日ごろの公務・研究などを紹介、また慰霊の旅、被災地へのお見舞い、福祉施設の訪問、国際親善、家族の様子などを紹介していました。

そういう日常生活を撮っておられるんですけれども、しかし、憲法に記載された象徴天皇の意味とか歴史を学ぶことができるというわけでもなく、やたらと敬語や丁寧語が多くて耳ざわりだったということを私は感じました。天皇の威厳に満ち、殊さら業務を誇張するような印象を持ちました。

市教委は、DVDを校長会で配布、その後、すべての校長は持ち帰ったということですが、そのときどのように指示をされ、持ち帰った学校では今後どのようにされるのか、見解を求めます。

  1. 市民の健康をまもる、市庁舎の薬剤散布について

毎年8月に行われる市庁舎の害虫防除、総合防除の考えに基づき業者に委託して実施しています。しかし私、議員になってからこの6年間、市庁舎でゴキブリとかネズミは見たことがありません。どのような基準で毎年薬剤を散布されるのでしょうか。

以上で1回目の質問を終わります。

中川智子 市長

大島議員の御質問にお答えをしてまいります。

市民の健康をまもるについてですが、市庁舎の薬剤散布については、ネズミ、害虫等の防除に関し、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則において、6ヵ月以内ごとに1回、ネズミ等の発生、生息場所などを調査し、その結果に基づき、ネズミ等の発生を防止するために適当な措置を講ずるよう定められています。このため、市庁舎では毎月、ネズミ、害虫等の生息状況を調査して、その生息が確認されていることから、年1回防除を実施している状況です。

教育に関する御質問につきましては、教育長から答弁をいたします。

滝浪泰 教育長

大島議員の教育に関する御質問にお答えします。

子どもを取り巻く教育め環境について市の見解はのうち、まず子どもの生活・家庭の支援のためのスクールソーシャルワーカーの配置が必要ではないかについてでありますが、スクールソーシャルワーカーは、いじめ、不登校、校内暴力や虐待、ひきこもりなどの問題に対して、学校や家庭、地域といった子どもを取り巻く環境や社会資源との調整、仲介、連携を行うなど、教育と福祉の両面に関して知識と技術を有する専門家であります。

主な業務内容としては、問題を抱えた子どもの環境への働きかけ、関係機関とのネットワークづくり、保護者に対する支援・面接相談、子どもへの面接相談、教職員への研修などがあります。

平成20年度より、文部科学省はスクールソーシャルワーカー活用事業を実施し、これにより、兵庫県におきましても教育事務所ごとに1名のスクールソーシャルワーカーを配置して、学校等からの要望により派遣できる体制を整えおります。本市におきましても、青少年センターで定期的に実施しておりますケース会議にその派遣を要請し、毎回、的確なアドバイスをいただいているところであります。

現在、本市の単独事業としてはスクールソーシャルワーカーは配置しておりませんが、不登校の問題に関しては適応教室の訪問指導員が対応し、虐待等の問題に関しては家庭児童相談室の相談員が対応し、それぞれ役割を担っております。

また、家庭環境等複雑な周題が絡み合っている場合には、青少年センターと家庭児童相談室を中心に、時には福祉を含めた関係機関が集まり、個別のケース会議を開催し、連携して問題の解決に当たっているところであります。

しかしながら、近年、学校や家庭で起こる問題は多様化、複雑化し、子どもたちを取り巻く環境調整の必要性は今後ますます大きくなると考えられます。こうしたころから、本市といたしましても、問題行動等を解決するための連携体制のあり方につきましては、スクールソーシャルワーカーの活用も含めて、より充実したものとなるよう研究してまいります。

次に、教育現場における不安定雇用職員の増加についての対策はについてでありますが、学校における教職員定数は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づき定められており、さらに、兵庫県で独自に新学習システムや生徒指導、児童・生徒支援等の加配教職員が配置をされております。これらを含めますと、本年度は本市に1,052名の教職員が配置されております。このうち100名が定員内臨時教職員であり、この定員内臨時教職員はここ数年増加をしております。

その主な理由として、県教育委員会が進めてきた小学校における35人学級の推進が挙げられます。この定員内臨時教職員は、本来なら正規教職員が配置されるべきところでありますが、児童・生徒数の増減により学級数の確定が前年度末や年度初めにずれ込むケースが多くなる実態があります。特に、学級数の減少による教職員数の過員状況を回避したり、小学校4年生までの35人学級の運用を一時的な教職員配置で対応しているため、やむなく年度ごとの雇用となっているものであります。

市教育委員会といたしましては、教職員の退職見込み数や児童・生徒数及び学級数の動向を見きわめながら、県教育委員会に対して必要な正規教職員の配置を求め、定員内臨時教職員の減少に努めているところであり、今後とも、県都市教育長会議等を通じて教職員定数の改善及び定員内臨時教職員の解消を国並びに県に対して強く要望してまいります。

次に、学校給食の完全米飯及び地場産物食材導入の促進についてのうち、まず学校給食の完全米飯についてでありますが、現在、学校給食の主食として、週5日のうち3日間を米飯に、残り2日をパンとして児童・生徒に提供しております。

国においても、米飯給食については、日本の伝統的な食生活の根幹であります米飯の望ましい食習慣の形成や、地域の食文化を通じた郷土への関心を深めることなどの教育的意義を踏まえて、その推進が図られております。

本市の学校給食における米飯給食につきましては、平成19年度から週2回を3回に回数をふやすなどの取り組みを進めておりますが、御質問の完全米飯にすることにつきましては、週5日すべてを米飯給食にすることによってバラエティーに富んだ献立の提供ができなくなるおそれがあることや、米飯の回数を週2回分ふやすことで年間に約1,200万円の新たな負担増が見込まれ、給食費会計を圧迫することにつながることなどが考えられます。したがいまして、現時点では導入できる状況にはないと考えております。

次に、地場産食材導入の促進についてでありますが、たぶち議員にも答弁いたしましたとおり、市内全学校における西谷産タマネギ年間使用量の割合は1.4%程度と非常に少なく、また、季節を限定されている状況にあります。米につきましても、提供できる量の確保と価格など幾つかの課題を解決する必要があると考えております。

しかしながら、地場産物食材の促進は、学校給食の生きた教材としても意義がございますことから、現在、その可能性を検討するため、市農業政策担当部署と協議を進めているところであります。

次に、DVD「天皇陛下 御即位から二十年」の市内全校配布についてでありますが、今月4日付で内閣官房内閣総務官室及び内閣府大臣官房総務課から文部科学省大臣官房総務課を通じて、本年11月12日に内閣が主催する記念式典で上映が予定されております当該DVDを広く国民に周知するため、各小・中・特別支援学校へ配布するよう依頼があったものであります。

市教育委員会といたしましては、その趣旨を受けまして、今月14日に行われました定例の校園長会において、各学校で適宜活用が図られるよう配布をしたところであります。

以上でございます。

大島 淡紅子

まず、一番最初のスクールソーシャルワーカーのところから質問させていただきます。

スクールソーシャルワーカーというのは、1906年、アメリカで始まった子どもへのサポートシステムです。現在、スクールソーシャルワーカーは、アメリカでは1万6千人ほどいらっしゃるということ。日本では1986年に所沢市で、当時の校内暴力の解決ということで採用され、実績を上げられました。

そこから始まってきた制度なんですが、今、学校と教育の現状とか問題点についてお話をさせていただきたいんですけれども、学校自体がいろいろなあらゆることを抱え込み過ぎていたんじゃないかというふうに思うんです。生徒の問題だから絶対学校で自力で解決しなくちゃいけないということで頑張ってこられたんですが、生徒を取り巻く問題がだんだん複雑で、特に深刻化してきたという状況、生徒の側にしてみれば、支援してくれるのが教育の関係の人だろうが心理の関係の人だろうが福祉の関係の人だろうが、それは問題ではなくて、迅速で適切な対応とそれから学業と成長を保障してくれれば、それがやっぱり一番の望みだと思うんです。

日本の近代化を支えてきた教育、私たちもそうなんですけれども、我慢して勉強して頑張っていれば必ず報われるという、そういう神話がもう今は神話となってしまって、必ずしもそうではないということも子どもたちはよくわかっていますね。価値観の多様化で、我慢することもいいとは思わない。何で我慢しなくちゃいかんのかというようなそういう意識も随分変わってきているということです。

それと、もう一つ大切なのは、80年代に子どもだった人たちが今、親になっているんですが、その人たちが学校内暴力とか、あれが激しい時代の育ってきて、学校教育の意義とか効果を疑問視している人がかなり多いという、そういう現状があるんではないかというふうに思います。

今、学校のほうには、先ほど教育長の答弁の中にもありましたが、教育の場に福祉をということで、両方の観点から物が見られるスクールソーシャルワーカーのことをお話ありましたが、あと、心理面のほうのサポートをしてくれるスクールカウンセラーというのが入っているんですが、これ、子どもたちと相談業務ということになると割とかぶってくる部分があるんです。

どういうところが違うんだということなんですけれども、スクールカウンセラーというのは、問題は個人の内面、つまり心理にあるというふうに考えて、カウンセリングで解きほぐそうとしていくんです。ところがスクールソーシャルワーカーの場合は、問題は個人と環境との不適合だというふうにとらえて、いろいろな方法で子どもと一緒に解決に当たっていく。治療でもないし指導でもないし教育でもないというところがみそなんですね。その立場というのが今申し上げた治療する先生、医師でもないし指導者でもないし教育者でもない、協力者ということになるんです。協力者もしくはパートナーというようなそういう子どもへのアプローチの仕方をとるということで、大きくその辺が違っています。

スクールソーシャルワークの大切な概念として申し上げておきたいのは、子どものエンパワーメントということが基本にあるんです。エンパワーメントという言葉自体がいろんな意味を含んでいるので簡単には言いにくいんですけれども、実際に持っている内なる力を子ども自身の力でみずからが引き出していく、そういうことをエンパワーメントというふうに言っていますけれども、その概念が基本にあるので、本当にパートナーでしかないんです。

それと、アプローチの仕方ですが、指導していくというのではなくて一緒にやっていくという、つまり共助の考え方を取り入れているというところが今の時代にはとても必要じゃないかな、今の子どもたちには本当に必要な考え方ではないかなというふうに思っております。

現在、中学校2校で、国と市の問題行動を抱える子ども等の自立支援事業ということで、それぞれ2名ずつ配置されていると思うんですが、この自立支援教室指導員という方たちの資格はどういうことになっているんでしょうか、それについてお答えください。

橋元泰雄 学校教育部長

資格は、臨床心理士並びに学校教員免許所持者ということになっております。

大島 淡紅子

高崎市のほうでもスクールソーシャルワーカーを早くから取り入れているんですが、実はこの制度、国の問題行動を抱える子ども等の自立支援事業の制度を使って、宝塚市自立支援教室指導員という名目ですが、高崎市のほうでは自立支援相談員ということでスクールソーシャルワーカーを配置しています、市のほうで。こういう形も検討していただけたらなというふうに思うんです。

それから、スクールソーシャルワーカーの期待される可能性についてちょっとお話ししたいんですけれども、先ほど所沢で導入されたというふうに言いましたが、その先駆的な役割を果たしておられた方の提唱しておられる、ほかのリーダー的存在の方たちが提唱しておられる子どもとの関係の問題、それから大人ともそうですが、人間関係の問題を解決する概念として、修復的手法というものを活用されているんです。これ、少年犯罪の場でも外国なんかでは取り上げられ、始まったことなんですが、どういうことかというと、少年犯罪の場合ですが、被害者と加害者とそれから関係者、例えば家族とか友人とか職場での同僚とかすべてで、その損害やそれから被害者の方についてはニーズとか、どういうものかということを全員で明らかにしていくというような方法なんです。これによって被害の回復、それから当事者間の関係修復を図っていくというものなんです。こういう手法を取り入れることができる。

これ、何でこういうふうに申し上げるかというと、1回目の質問のときにお話をさせていただきましたけれども、中学校の現場に私たち行ったときなんですけれども、それも少し前から聞いていましたが、その混乱を引き起こしている子どもが突然廊下に出て行って、しばらく隣の教室だったか忘れましたが、別の授業をしているところの一番窓側に座っている子の首を絞めたんです。突然やってきて、男の子だったんですけれども、彼のそういう精神的なものというのはいつ何が起こってくるかわからん、どこからか何が飛んでくるかわからんというようなそういう状況が日常的にあるということ。それから、例えば身体的な暴力を受けたという先生方と加害をしたほうの子どもたちとの関係の修復というのはどういうふうになるんだろうなと。そのまま抱えたまま卒業していってしまったり転任、転校されてしまったりということで、一体どうなるんだろうというふうに考えたときに、修復的手法ということが頭に浮かびました。こういうことが、可能性として期待されるんじゃないかなというふうに思います。

それからあと、不登校の子が学校に行った場合に教室での居場所がないということで、よく保健室登校ということで保健室へずっと集まってくるんですけれども、なかなかうまく友達と人間関係が結べない子どもたちも何人か集まってくるということなんです。そこには養護教諭がいらっしゃるんですが、養護教諭というのが一人職であることが多いです。大きな学校になると2人配置されているんですが、今のところ一人職ということで、やっぱり養護教諭の支えにもなるんじゃないかなというふうに思います。

ただ、課題といたしましては、先ほど申し上げましたスクールカウンセラーとの役割分担が明確にならないと、お互いに消し合ってしまったり反目しあったりということで結構難しいかなというふうに思います。私も以前、スクールカウンセラーの方にちょっとこのことを聞いてみたんですが、やっぱりちょっと、うーん、どうかなというのは言われましたので、その辺きちんと役割分担をできていないと相乗効果が上がらないということは言えると思います。

それから、スクールソーシャルワーカー個人の資質や力量によるソーシャルワークスキルの差をいかに補完するかということが問われることも問題点の一つかなと思います。やっぱり人格者と言われるような方がスクールソーシャルワーカーでいらっしゃる場合と、本当にそうでない方というのは難しいですけれども、本当に普通の人が仕事としてやっておられるというときには、かなり大きな実績に差が出てくるんじゃないかなというふうに思いますので、その辺も含めて課題ではないかなというふうに今のところ思っています。

ただ、本当に今の現状を改善するという意味で、教育の現場に福祉が入ってくるというのをもっと力を入れていくべきじゃないかと思います。やはり世間一般でも学校は特殊な社会というふうに言われますよね。ある世界ができていると言われるんですが、一般の方の目や手が入ること、それから、違った角度からのアプローチをして問題を解決していくことができるという、そういう手法を持ったスクールソーシャルワーカーをぜひ早急に検討していただきたいと思います。

先日、関学の人間福祉学科の芝野松次郎先生とお会いしたんですけれども、教授がおっしゃっているのには、以前にも市にどうでしょうということで提案をされたらしいんですね。スクールソーシャルワーカーを取り入れるということに対して何回か言いましたというふうにおっしゃっていましたが、そのときは余り積極的ではなかったというふうにおっしゃっていましたし、私も以前にもどうですかと教育委員会のほうに聞いたんですけれども、余り興味はないというような感じのお答えだったので、ほとんど調査とかをしてこられなかったんではないかなと思いますけれども、ぜひ着目していただいて研究していただけたらというふうに思います。

今、学校や教員が悪いからこんなことになったんだとか子どもが悪くなったとか社会がおかしくなったというそういう教育評論家的な人とか、それからあと専門家集団に任せておいたらいいじゃないのという無関心層といいますか、これだけではもう全然動いていかないぐらい、かなり問題が深刻になっているんじゃないかというふうに思います。

今後としては、市民参加の発想が教育の現場には本当に必要だと思うんです。今ちょうど政権交代で、本当に市民が参加していかなくちゃいけない。宝塚市でも、市長がかわったことで市民が参加していくべきだということを市民自身の自覚として持ってきた、そういうような流れになっているんですが、教育の場でも同じ流れをつくらないことには本当に問題解決できないと思います。保護者や地域住民の方が自分の問題というふうな形でとらえ直していただくということの発想の転換が必要ではないでしょうか。

先ほど食育のときにもお話ししましたけれども、20年前から無農薬の有機野菜を取り入れて、有機食材を取り入れた教育で食農教育を行ってきたその子どもたちがまた親になって、それで社会を変えていくという、本当に長いスパンで見ないといけないと思うんですけれども、それで社会が変わっていくというもう一回原点に立ち返って考えていただく。それから、学校というのは地域の本当に大切な財産だということを市民全体で意識していかなくてはいけないような状況だというふうに考えています。

先ほど、今後研究していきますというふうにおっしゃいましたが、教育長、この辺は今後、学校という現場をどういうふうにとらえていったらいいだろう。ちょっと難しいかもしれないけれども、思いがあればぜひともお答えいただけたらと思います。

滝浪泰 教育長

議員おっしゃるとおり、学校が学校だけでやっていける時代じゃない。子どもたちの教育というのは、学校だけじゃなく地域の方々、保護者の方々、みんなで支えていくものだというふうに思っています。そういう考え方のもとでこれからの宝塚の教育を進めていきたいというふうに私自身も考えております。

大島 淡紅子

ありがとうございました。

では、次の不安定雇用職員の件なんですけれども、これも質問を幾つかさせていただきたいと思います。

折しも、赤旗の日曜版に「先生が足りない」というこんな記事が出てたんですけれども、ごらんになった職員の方や議員の方も多いんじゃないかと思います。ここにも全国的な問題ということで取り上げられていたんですけれども、宝塚市では、産休とか病休とか介護休暇等の代用教員とか、すぐに臨時の職員として先生が見つからずにスムーズに引き継げなかった例というのはどのくらいあるんでしょう。

久後昌敏 管理部長

年に数件程度そういう事態は起こっておるというふうに報告を受けております。

大島 淡紅子

私も実際、事務所を手伝ってくれている女性の子どもさんが、2年前、小学校6年生だったんですけれども、数ヵ月間、4月時点では先生はおられたんですが、すぐに病気の休養に入られて、その後数ヵ月間、2学期になってからか、やっと担任が見つかったというようなこともありました。子どもたちにとっては本当に貴重な、特に高学年になるとなかなか先生がおられないということで、難しい年ごろなので、確かに難しいということはあると思うんですけれども、本当に貴重な最後の学年の思い出をいっぱい持って卒業していく、そんなときに先生が空白で、次々とかわりの先生が来られて、教頭先生が入っていただいてというような形で、本当に何とかならないものかなということで、教育委員会のほうにも何回もどうですかというふうに伺ったことを思い出します。

これは、かつては待機ということでたくさんの教員の方がおられたんですけれども、ふたをあけてみたら、皆さんどこかにもう行っておられる。それから本当に教師が足りないという状況が今、現に起こっていて、先生が出てきたら、ちょっと情けないことなんですけれども取り合い状態ですよね。10月には今度採用試験がありますが、試験に落ちた方に至ってはすぐにどんどんとお願いしておかないといけないというような、本当に取り合い状態なんていうことはやっぱり間違っていますよね。本当に、この問題に対しては大きく問題点があるというふうに思っています。

それとあと、市のほうの臨時採用なんですが、介助員のことについてお願いしたいんです。

介助員の資格は今は求めておられないんですけれども、介助員に対しては、例えば資格とか研修制度というのは今現在ありますでしょうか。

久後昌敏 管理部長

介助員、今現在62名在籍しておりますけれども、特段全員に対して研修というふうなそういうようなことは通常やっておりません。特別支援学級等の担当教諭から個々に応じたアドバイス、指導というふうな形で、現場でそれぞれ状況によっての指導を行っておるという、そういう状況でございます。

大島 淡紅子

私、施設のヘルパーをしておりましたので、それまでにもずっとボランティアで障害者の方とはずっとかかわっていたんですが、それでも自傷行為とか、それから私に対する他害行為に遭った場合はかなりびっくりしますし、どうしてそういうことになるか、ほとんど原因がやはりあるんですが、その原因さえつかめていればそれを解消できるんですけれども、そういうことを知らないで介助員になるというのは逆に子どもの育ちを妨げてしまう場合も多々あると思うんです。ぜひこれは研修ということを義務づけていただきたいし、研修の機会をつくっていただきたいと思います。

これは、今、夏休みの期間中にも教員の方の研修であると思いますので、そちらのほうに参加をしていただく。その場合には、もちろん時間給ということで何がしの金額が発生する思うんですけれども、ぜひこれを取り入れていただきたいと思います。

それと、資格を持っておられる方、教員の免許とか持っておられる方に対する給料の加算というのはあるんでしょうか。

久後昌敏 管理部長

介助員に関して、特に有資格者であるということでの加算制度はございません。

大島 淡紅子

これは介助員の方のスキルアップということを考えても、給食の調理員の方は給料の加算がありますので、ぜひとも加算をしていただいて、いろいろと優秀な方を集めていただくということにもつながりますので、ぜひ、この件に関しても考えていただきたいと思います。

それから、あとそれぞれの個々の子どもたちのケース会議や、それからあと学年の会議とか、そういう職員の会議に参加はしておられるのでしょうか。

橋元泰雄 学校教育部長

学年会や職員会議等にいろいろとさまざまなものがございますけれども、介助員の職務上、原則参加はしておられません。しかしながら、対象となる子どもに関する会議や協議等の場合におきましては、必要に応じて参加していただいているというような状況でございます。

大島 淡紅子

これはさっきのスクールソーシャルワーカーのことのときにも言いましたけれども、やっぱり教員のチームの中に教員以外の専門家、特に福祉の分野の人が入るということでまた新たな考え方というのができると思いますので、できる限りたくさん入っていただけたらなというふうに思います。これは要望しておきます。

あと、低学年の方で介助員についておられる割合が高いのか、その辺はいかがでしょう。低学年の方には厚く介助員を配置しておられるのかどうかということをお聞きしたいんですが。

橋元泰雄 学校教育部長

特別、低学年だからということではございません。やはり子どもの状況に応じた形で配置というふうになっております。

大島 淡紅子

状況に応じたということですが、実際に介助員の方のお話を聞いていると、やはり低学年で本当に手が全く足りないような状況が幾つもあるということを何人かの方から聞いていますので、その辺も実態を把握されて、介助員さん本人たちの御意見もどうでしょう、手が足りないというようなことを実際に聞いておられるんでしょうか、実際の声を。介助員さん自身の声を聞いておられるんでしょうか。

橋元泰雄 学校教育部長

学校のほうに配置していただいている介助員さんとの協議は十分学校としております。その中で、今、議員がおっしゃられました低学年に対してということですけれども、やはり一番まだまだ手がかかっている子どもさんが多いというのは低学年に多うございますので、そういう状況からすれば、配置という確立からいいますと、低学年の児童に配置をしていくことは多くなっているんではないかというふうに思われます。

以上です。

大島 淡紅子

今もおっしゃいましたとおり、学校と介助員さんとの話し合いの場にぜひとも教員委員会の方も出かけていっていただいて、実際の声を聞いていただきたいなと思います。やっぱり子どもの育ちということに大きく影響していく介助員さんですので、ぜひともよろしくお願いいたします。

今回の民主党の公約では、教員を増員し、教育に集中できる環境をつくるというふうにありましたけれども、ぜひ2006年の行革推進法でとまったままの教員定数の拡大を復活させ、特に正規の教職員の増員を国・県に強く強く要望していっていただきたいと思います。これは本当に市民の悲願ですので、重く受けとめていただいてよろしくお願いいたします。

次に、学校給食の問題ですけれども、なかなか難しいというようなお話がさっきありました。

川西市では2006年に、その前の年に週2回だったものを週3回に変えられたんですが、ことしの市長の施政方針で、すべての小学校及び特別支援学校において自校炊飯ができるよう検討を進めるというふうに市長が発表したことから、週5回の完全米飯給食に向けて動いているというふうに担当課から聞いております。近隣の、規模は小さいとはいえ川西市でもできるんであれば、宝塚は本当に3分の2が先ほども申しましたが農地ということで、農政を変えることでこれは実現の可能性がかなり高いと思うんです。川西産米を使って自校炊飯をするということです。

以前ちょっと学校給食会のほうでお聞きしたんですけれども、この2年間の間に地場産協議会を立ち上げるというふうに言っておられますが、それはいかがでしょうか。

久後昌敏 管理部長

先ほどたぶち議員の御質問にも御答弁させていただきましたとおり、農政部門を中心にして、西谷地域の地場産物の学校給食提供というテーマで協議テーブルを今後つくっていきたいと、そういうふうに考えております。

大島 淡紅子

これは、先ほどたぶち議員からもありましたが、15期の女性ボードからも提案されて地場産給食ということを言っておりますので、ぜひとも頑張っていただきたい。あとは本当に市のやる気だと思うんです。頑張ってやるんだというその気持ちで頑張っていただけたら、これは実は農政のほうに主導権があるというふうに先ほど申し上げましたので、学校教育と協力して、しかし主導権はやはり農政のほうで頑張っていただきたいというふうに思います。

それから、学校給食会が今、年2回しか活用されていないんですけれども、その給食会の会長である教育長は、学校給食会の活用はなされているというふうに思われるでしょうか。

滝浪泰 教育長

回数から見れば確かに2回ということではありますけれども、その中でもいろんな保護者代表からの委員さんからも理事さんからもいろんな御提言、御提案をいただく中でいろいろ議論もしておりますので、会自体は活発な議論が行われているというふうに考えております。

大島 淡紅子

私も何回か傍聴しておりますけれども、本当にここは市民、学校、栄養士さん、調理員さん、みんな来られて一同に集まって議論ができる場所なので、いつも何かかなり活発な議論があるんですけれども、やはりあれ半年に1回ではとてももったいないと思いますので、ぜひとももう少し回数をふやしていただいて、もっともっと議論を深めていただきたいなというふうに思います。活用をよろしくお願いします。

あとはちょっと提案をさせていただきたいんですが、学校給食会のときでも、いつも米飯給食に牛乳は合わない、これを言われています。検討していただきたいのが、東京の千代田区なんかでは取り入れているんですけれども、20分休みが終わったときに牛乳を飲む。思いっ切り遊んできて暑いときにぐぐっと飲むと牛乳がおいしい。午前中だからどうかなと思われるんですが、実はそれによって残菜が少なくなるんですね。かえって食欲が増すらしいです。それとあと、集中力がアップする。それは、やっぱり朝御飯を食べてきていない子が多いですから、そういう意味も含めて、20分休み後の牛乳をとるということを考えていただきたい。そのときにも西谷産の瓶入り牛乳をぜひ検討していただきたいなと思います。よろしくお願いします。

ちょっと時間がないんで飛ばします。

あと、DVDのことに関してですが、これは、西宮のほうは、市民が問い合わせたんですが、その結果を私、見せていただきました。それは、各学校長には送付、学校で保管。市教委としては、学校での視聴を指導する予定はない、学習資料として取り扱うというふうにおっしゃっていましたが、川西に問い合わせましたら、学校にも配布しないというふうにおっしゃっていました。

先ほど教育長もおっしゃいましたけれども、配布のお願いの文書なんですよね。お願いの文書でも配布しないといけないんですか。川西なんかは自分のところの考え方でこれ配布されなかったんですが、やはりお願いでも配布しないといけないものでしょうか。

橋元泰雄 学校教育部長

本市といたしましては、配布する依頼ということをとらえ、各学校のほうにお配りをさせていただいたというのが現状でございます。

大島 淡紅子

教育現場にこういうような内容のDVDを配布することがどういうふうな影響を及ぼすのかということを総合的に勘案されてなされた結果だとは思いますが、やはり立ちどまって少し考えていただいて、受け取ったらすぐ配布しちゃうというのでなくて、宝塚市としてはどうするかということをきちっと考えて行動をとっていただきたいと思います。これを要望しておきます。

それから、最後に市民の健康を守るということで質問させていただきました。以前、名古屋市の基本方針を紹介いたしましたが、岐阜市では岐阜市有施設における農薬・殺虫剤等の薬剤散布に関する基本方針というのをこの4月から適用されています。

この中で特記すべき点があるんですが、関係部局が協議を重ねて、そして、ここは保健所があるんですが、保健所の担当者が策定に携わっています。それから総合防除について全庁講習会というのを開かれています。その後、各部所管の全施設において、前年度にネズミや衛生害虫等の防除を実施しましたかということと今後の実施予定について調査したんです。この研修を受けた前と後では、物すごく意識ががらっと変わってるんです。ですから、ぜひとも宝塚市の中でも指針を策定していただきたいということをお願いしています。

あと、もう一つ特記したいことがあるんですが、日常的に妊婦、子ども、病人がいる区域、これは病院、学校、図書館、児童福祉施設ですが、区域には薬剤を原則として使用しないと言い切っているんです。宝塚では、割と学校のほうから要請があると薬剤散布しています。その他の薬剤についても、これはワックスとかのことなんですけれども、人や環境への影響を配慮して使用するというふうに出ています。

何でこんなことを言うかというと、農薬と花粉症というのは物すごく関係があるんです、健康被害。あと、もう一つ危惧されているのが神経細胞との関係です。学習障害、注意欠陥・多動性障害、自閉症、パーキンソン病、この関係が深く疑われています。

この20年間で小児ぜんそく発生率が3倍になったというふうに言われています。また、人口1万人当たりの先天性異常は25年で2倍になったと言われていますので、ぜひともこの辺のことも含めて、市で指針を策定していただきたいと思います。

以上で質問を終わります。