議会リポート
2010年9月28日
大島 淡紅子
皆さん、おはようございます。社民党議員団の大島です。
では、質問をさせていただきます。今回4点について質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
- 子どもを取り巻く問題
- 子どもの一時避難場所
7月に起きた中学生による火災事件は、関係者のみならず、私たち市民に大きな衝撃を与えました。全国から届く、子どもを取り巻く厳しい状況があっても、私の心のどこかでは、宝塚に限ってと願いにも似た思いがありました。
しかし、多くの問題が噴出しているのは宝塚も同じ、そして、その下には何倍もの大きな闇が急速に広がっていることを私たち市民は認識しなくてはなりません。
情報の洪水状態とも言える現代社会に大人も子どももほうり出され、何につかまったらいいのやら。懸命に岸にはい上がっても、しばらくするとまた波にさらわれてしまう。こんな状況では子どもを守るべき大人が我が身を守るのに精いっぱい。子どもの人権や将来子どもが持つ力を引き出すなど、机上の空論になってしまいます。
この事件をきっかけに教育委員会が青少年育成市民会議を通じて熱心に地域に協力を求める方向に動いたことや、子ども未来部を初め、福祉の分野との連携や、福祉の専門家の力をかりて、子どもたちの生活に大きく影響を及ぼす学校を立て直そうとしていることを大いに評価します。
そこで、今後の進め方についてお尋ねしていきます。
子どもが一時避難できるところをどのように計画しておられるのでしょうか。
- 子どもの虐待を防ぐ親への支援策
ここ10年で全国の虐待相談件数は3万1千件も増加し、その内容は身体的虐待51.3%だったのが38.3%に減り、ネグレクトが29.6%だったのが37.3%と増加しています。しかし、主な虐待者は依然実母が60.5%と孤立する母親像も浮かび上がります。虐待を防ぐ第1次防止としての子育て支援、これは予防とか、教育とか、啓発なんですけれども、そして、第2次防止の早期発見、これは介入とか保護に当たります。これらは取り組みは進みつつあります。しかし、子どもを保護した後、親子を助けて再び家族として結びつける取り組み、これを第3次防止というふうに言うんですけれども、治療とか回復ケア、また調査研究などもこの中に入っています。
法整備のおくれから、今なおシステムの構築等がなされていません。それゆえ、家庭復帰後に虐待が再発し、死亡に至る例も少なくありません。また、長期の分離で親の無力感が増大したり、親子関係が断絶してしまう、まさに2次被害と言えます。
虐待する親の多くは暴力や虐待を受け、人として尊敬されてこなかったため、人間関係や生活に支障を来し、子どもへの対応を誤っているという事実があります。
この状況を変えるには、親みずからが封じ込めてきた気持ちに触れ、自分は問題を解決する力を持っていることに気づくきっかけが必要です。
宝塚市では、虐待をする親に対する支援をどうされているのかをお尋ねします。
- 学校給食の完全米飯給食を目指す計画
今年度施政方針で打ち出した自校炊飯の7校実施に向けて、8月末、モデル機を使用した調理員さん向けの炊飯試食会がありました。宝塚では1981年、週2回委託炊飯開始以来の大転換です。
第2次大戦後、政策的に採用されたパン給食、1976年、米飯給食の登場も余剰米の消費が目的でした。昨年4月改正された学校給食法には第1条、目的の項で、「この法律は、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであることにかんがみ、学校給食及び学校給食を活用した食に関する指導の実施に関し必要な事項を定め、もつて学校給食の普及充実及び学校における食育の推進を図ることを目的とする。」と、やっと学校給食は、食の教育であることを位置づけられています。
このような動きの中で、自校炊飯を目指すことは当然の流れ、全校設置に向けて努力いただきたいというふうに思います。
そして、全校に炊飯器が設置されれば、国の指導もあり、完全米飯給食を目指すのは当然と考えますが、いかがでしょうか。
- 自死遺族支援について
9月10日は世界自殺予防デー、また、10日から16日は自殺予防週間でした。日本では数字だけでとらえるなら、自死で亡くなった方が1998年以降、12年連続3万人を超えています。
6年前、自死の予防について、相談体制とうつ病に対する教育、啓発について質問をいたしましたが、その後、自死遺族たちの訴えが契機となり、2006年には自殺対策基本法成立、2007年には自殺総合対策大綱策定と状況は進化しました。
長い間、自死は個人の選択、残された人の痛みも個人で対処すべきと日本の社会で遺族の支援についての関心はほとんどありませんでした。しかし、基本法の18条には、遺族支援が盛り込まれ、社会が担うべき課題という位置づけがなされ、また、大綱には残された人の苦痛を和らげることが明記されました。
1人の人が自死、または自死未遂されると、その周囲の5人から6人以上の方が心理的影響を受けると言われています。先日の田中議員の質問の中で、自傷による救急車出動が年間110件以上であるなら、年間、600人から700人の方が影響を及ぼされているというふうに言えます。
また、NPO法人ライフリンクの推計では、現在、日本に存在する自死遺族の総数は300万人前後と見られ、同じくライフリンクの聞き取り調査では、その4人に1人が死にたいと答えている。御遺族もまた、生命の危機と隣り合わせで生きています。
そこでお尋ねします。市としては自死遺族支援をどのように考え取り組まれているのかお答えください。
中川智子 市長
大島議員の御質問に順次お答えをしてまいります。
まず、宝塚市は、子どもの命とどう向き合っていくかのうち、子どもの虐待を防ぐ親への支援策についてですが、核家族化や地域連帯の希薄化が進む中、親の子育てに対する不安感や負担感が強まり、それが原因で子どもの虐待につながるという事案が年々増加している状況にあります。
これらの育児不安や虐待防止の対応については、子育てグループヘの支援や、地域児童館における親育ちプログラムの実施のほか、家庭児童相談室や御殿山ひかりの家で子育て相談を実施しています。
また、健康センターや療育センターにおいては、発達相談など専門的な相談を行っています。
児童虐待に至ってしまったケースヘの対応は、家庭相談員や学校関係者により、親子への心理的ケアを行い、状況によっては、専門機関である児童相談所において家族再生支援事業プログラムによる通所指導などを行い、再発防止に努めています。
次に、自死遺族支援についての、市としてどのような取り組みをなされているのかについてですが、自殺の原因が、健康問題、多重債務、家庭問題等とさまざまであることから、本市においては、現在、庁内10の課で構成する「自殺予防対策庁内連絡会議」を設置し、関係課が共通する認識を持って自殺予防の取り組みを進めております。また、本市のホームページの「自殺予防コーナーにおいては、「大切な方を亡くされた方へ」という見出しで、自死遺族を対象とする自助グループ等のホームページを紹介しています。
また、兵庫県においては、遺族支援団体に対する助成を行い、研修会やシンポジウムの実施を支援することを計画されています。
自死遺族の生活支援については、特別な窓口の設置等は行っておりませんが、実情として、遺族年金による生計の維持、ハローワークにおける就労相談等、さまざまな理由で家族の働き手を失った場合と同様の対応をとっていただくものと考えております。
国の自殺総合対策大綱においては、自死遺族の支援策として、残された人の苦痛を和らげるとの観点による施策が示されていますが、今後、自死遺族の生活支援のための庁内連携についても検討していきたいと考えています。
教育に関する御質問につきましては、教育長から答弁をいたします。
伊達達治 教育長
大島議員の教育に関する御質問にお答えいたします。
宝塚市は子どもの命とどう向き合っていくのかについてのうち、まず、子どもが避難できるところとはにつきましては、北野議員にお答えしたとおりですが、当面は教育委員会の所管事業として行い、青少年センターにおいて24時間体制で実施する青少年悩みの電話相談を活用し、その相談内容によって受け入れ場所を提供する一時保護を行うこととしております。
今後の方向としましては、市や県の関係部署及び福祉施設等による協議を行っていく予定であります。
次に、学校給食の完全米飯給食を目指す計画はについてでありますが、本市の学校給食では、昭和56年度に週2回の米飯給食を開始し、平成19年度からは週3回実施しております。
国では、さらに回数の増加を指導しており、本市としましても、学校給食での米飯給食の回数増加は、食生活の改善や米の消費拡大、ひいては食料自給率の上昇と農地・環境の保全につながると考えております。
また先般、米飯学校給食回数増加支援の拡充について、市長から農林水産大臣に要望書を提出したところであり、回数増加について検討すべき時期との認識を持っておりますが、現時点ではその実施について具体的計画を策定するには至っておりません。
次に、完全米飯給食を実施するに当たっての課題でありますが、本年度からモデル実施をいたします自校炊飯の完全実施や加工を委託している市内パン業者の理解獲得、米飯給食に適した献立の研究の取り扱いなどがあります。
教育委員会といたしましては、今後、これらの課題について整理を図るとともに、本年度策定を予定しております宝塚市食育推進計画の中でも学校給食について取り上げることとしており、その審議状況も踏まえ、米飯給食のあり方について検討していきたいと考えております。
以上でございます。
大島 淡紅子
では、順番どおりに聞いていきたいというふうに思います。
まず、宝塚市は子どもの命とどう向き合ってくのかの1番目の問題です。先日北野議員のほうからも質問が出ましたので、少し重なるところがあるのかもしれませんけれどもお許しください。
まず、質問したいんですが、詳しいこときっと言えないとは思うんですけれども、大体想定されていることで結構なんですけれども、何日間ぐらいを想定しておられるのか、大ざっぱで結構ですから、例えば1ヵ月とかを考えておられるのか、1日なのかというのは、それぐらいの判断はきっとできると思うのでそれをお願いします。
それから、あと、対象者、何名ぐらいを想像しておられるのかということ、それからあと、年齢は18歳未満にされるのかどうかということ、それから、そこを出られた後、つなぐということを考えておられると思うんですけれども、一時避難ということで、どこかのステップにというふうに考えておられると思うんですけれども、そのつなぐところというのは、どういうところを想定しておられるんでしょうか。
例えば、家庭なんかも考えておられるのかどうか、この4つをお願いいたします。
橋元泰雄 学校教育部長
今現在におきましては、24時間体制の電話という相談体制をとろうと計画を進めておるんですけれども、その人数把握につきましては、今現在、学校のほうからいろいろなケースをすべて上げるようにという形で上げた状況というのがございます。
その点については把握はできるんですが、子どもたちのほうから、悩み相談等についての件数等については、ちょっと予想は今現在のところつきかねます。
そういう状況の中で、どれくらいの件数になるのかなというのは、若干、そんなに24時間体制の中で電話件数が入ってくる件数は多くはないだろうというふうには思っておるんですけれども、そのあたりは開設してみないことには、はっきり申し上げましてちょっとわからない状況ではございます。
それから、かかってきた内容によって、指導主事がマニュアル等によりまして、緊急一時保護をするというような状況でございます。その保護した状況の中では、しっかり話を聞き、必要に応じては、この間、北野議員にもお話をさせていただきましたけれども、関係機関、子ども家庭センターとか、県の児童相談室とか、そういうところ、関係機関と相談を申し上げた中でつないでいきたい。そして、中にはスクールソーシャルワーカー等の相談も申し上げた中で、子どもの一番最善の方法をとっていきたいというふうには考えているところでございます。
年齢ですね、今現在、考えておりますのは、小・中学生を悩み相談としての対象としております。
以上でございます。
大島 淡紅子
聞きたかったこととちょっと違うお答えもいただいたかなというふうに思うんですけれども、つなぐところというか、つないでいくときに、家庭に戻すというケースもあるのかどうかということがお聞きしたかったことと、あと小・中だから、15歳までですよね。15歳までを保護の対象にしておられるという、例えば15歳以上の、小・中学生以上の子たちから電話が来たときはどうされるのかなというふうに思うので、それをお聞きしたかったんです。
それちょっと2つお聞きして、お願いします。
橋元泰雄 学校教育部長
中学生以上の方からの相談件数があった場合には、もちろん、その対応はしてまいるつもりではございます。
それから、もちろん家庭に帰すということも当然、家庭との協議も含め、関係機関と協議の結果、もちろん家庭との連携というものもとってまいりたいとは思っております。
大島 淡紅子
わかりました。年齢的に、もう、あなたは15歳以上だからだめというふうに、もうばちっと切ってしまうようなことだけはしないでいただきたいなというふうに思います。
本当に、例えば、それを自立援助ホームのような法的なところにつないでいくのかどうかはちょっとわかりませんけれども、そこでぜひ切るということはしないでいただきたいなというふうに思ってお願いしておきます。
先日、今、全国で4ヵ所あるシェルターが、4ヵ所あるんですけれども、その中の名古屋、愛知県のパオというところと、それから、岡山県にあるモモというところがあるんですけれども、このことに関して、活動の検証、発表というのがあり、こちらの部長さんも一緒にたまたま行ったらおられましたけれども、勉強しておられると思うんですが、その中で、こういうシェルターについての問題点、幾つか言っていました。その規模とか、そういうこととは考え方がちょっと違うかもしれませんけれども、ちょっと御参考にお話ししておきたいと思います。
まず、1つ目が資金繰りなんですね。年間の運営費がやっぱり人件費で1千万円かかってしまうということ、これをどうしていくか。それから、運営のスタッフ、24時間常駐ということで、なかなか人員確保が難しいというふうにおっしゃっていました。
それから、地域住民との関係、この質問の中でも場所がどこかということが言えないというふうに考えておられると思いますけれども、やっぱり、関係が密な地域だと、あれは何なんだということを言われると、なかなかお話しすることができないという、シェルターであるということが名乗れないということが逆になかなか問題になってしまうということ、それから、生活なんですが、こういうところは長い子だと2、3週間いたりする子もいるので、大体2、3週間ぐらいたってくると飽きてきて逃亡するんですね。
そういう外出禁止のことなんかもどうしていくかということ、それから、その後の、今少しお話ししたかもしれません、つなげていく進路ですね。これが受け入れ先の提携とか、協力の要請なんかを行うのが非常に難しいとおっしゃっていました。受け入れ先はやっぱり少ないんだということで、これも問題というふうにおっしゃっておりました。ちょっと御参考までお知らせします。
来年度のことなんですけれども、この新年度になりましたら、今は教育委員会が所管されておりますけれども、どこが所管をされていくのかということを教えていただきたいんです。
大島 淡紅子
1回目の質問でも申し上げましたけれども、教育と福祉の連携というのは、最近本当にすごく密になっていて、とても望ましいことだなと思います。
今後も市長部局のほうともしっかりと連携をしていただいて、頑張っていただきたいなというふうに思います。
先日、シンポジウムのときに、パオを設立された立て役者であります多田弁護士さんが講演をされました。シェルター自体が大体弁護士さんが中心になってつくり上げているというところが多いんですけれども、多田弁護士さんの姿勢としたら、子どものパートナーであるべきだというふうに強調をしておられます。
ひとつ、肯定してともに歩む援助者であって、指導者ではないということ、それから、子どもから学ぶ相互関係を大切にするということ、それから、子どもとかかわるプロセスを楽しんでいくということで、この人の立ち位置というか、この子どもとかかわるときの立ち位置は同情ではなくて、理解と共感という立場でかかわっていってくださいということで、あくまでも、指導者でないという意味からいうと、なかなかちょっと教育委員会のほう、難しいかもしれませんので、指導者の方であっても、指導というふうに考えていかないで、ともに寄り添う、ともに歩んでいくものなんだという姿勢だけは外さないでいただきたいなというふうに思います。
なかなか一時保護するところということに関しては、賛否両論いろいろあると思うんですけれども、1つ、パオを利用した子どもの声、今、大人になっておられるんですが、子どもの方の声を御紹介したいと思います。
この方は性的虐待を十数年間、ずっと受け続けてこられて、パオのほうで保護されたという方なんですけれども、保護されて1週間でいいから1人でいたかった。心と体を自分だけが占有できて、ゆっくり休めるところというのが本当にうれしかったんだということをおっしゃっていました。
今、保護されて1週間と言いましたが、保護されて、この宝塚の場合、1日でもいいから1人でいたいということが子どもたちの望みであるならば、それをしっかりと守ってあげたいなというふうに思いますので、今後もどうぞよろしくお願いいたします。市長部局のほうへ移るということですから、また、市長部局とも連携をよくとっていただけたらと思っています。
それから、2つ目の質問です。
児童虐待が本当に日本全国でとまらないというか、ウナギ登りで数字が上がっていってしまう、相談件数、それから、実際に保護されるケースもどんどんふえていっているというこの状態の中で、1つ、大変気になることが、先日、少し報道の中でありましたのでお知らせします。
児童虐待の専門外来があるあいち小児保健医療総合センターの杉山診療科部長によりますと、児童虐待は精神的な影響のみならず、脳に影響を及ぼし、多動や適切な人間関係をつくる能力の欠如、違法行為や残虐行為を繰り返すなど、発達障害と言わざるを得ない後遺症を引き起こすという発言をされています。長く、人生全体に影響を及ぼしていくという、虐待がそういう人生全体にかなり影響を及ぼしてしまうということは、間違いはないと思います。
9月9日に子ども審議会が開かれまして、私、傍聴に行かせていただきました。その中で、委員さんの発言の中にも幾つか注目する発言がありました。委員さんの1人は、やはり虐待する親への心理的な対応が必要じゃないかということをおっしゃっておりました。アクセスしにくい人にもどうやってこれからアクセスしていくか、それが問題だということもお話をされていました。
また、赤ちゃん訪問でしたっけ、事業をされていると思うんですけれども、そこを受託されている助産師会からも来ておられまして、その助産師さんがおっしゃっていたことは、皆さん方、ほかの委員さんにおっしゃっていたんですけれども、虐待する親は特別な人じゃなくて、もう本当に普通の人なんですよということをお話をされていました。確かに、どんな方もそういうリスクがあるということは間違いないとは思います。
1回目の答弁にもありましたが、県のほうでは児相のプログラムとして、こういう虐待をしてしまった親へのプログラムというのがあるんですけれども、なかなかその生活習慣を変えるとか、子どもの育て方や家事の仕方を教えるというか、そういうほうが中心になってしまっているプログラムが多いと思います。
1つ、こういう事例がありますので御紹介をしたいと思います。これは2001年から始まりましたマイツリーペアレンツプログラムというのなんですけれども、これは親への回復支援のプログラムというふうにはっきりうたっています。2001年から始まって、現在、412名が修了をされています。結構ハードな、これ講座なんですね。半年間で15回、メニューを持ってやっていかれています。
この目的というのはセルフケアなんですね。セルフケアと問題を解決するということです。
その対象者なんですけれども、虐待してしまいそうな親とかではないんです。はっきり言って虐待してしまう親なんです。この対象者としては、重篤な精神疾患はないけれども、生きること全般への自信のなさ、それから、家族関係の悪さ、また、PTSD症状等を背景に虐待をしてしまう親なんです。
それと、援助を受けること、これは行政の機関のほうが行きましょうと言って連れていくことも含めてなんですが、実際にタクシーに、おうちから行きましょうと言って、朝、起こしに行って、乗せてきていただいているという行政もあるというふうに聞いています。
だから、強制も含めてなんですが、それに対して拒否的ではない方が対象になります。
同じ虐待をする方でも、対象にならない方は、深刻な精神疾患を抱えておられる方、この方は専門機関のほうに行っていただきたいということです。それから、その親の支援に対して、攻撃的であったり、暴力的であったりする方はちょっと無理です。それから、あと、性虐待を行った親に対しては、これは対象ではありません。
現在、実施をしているのが、大阪府が大体中心になって幾つかやっておられます。大阪府でどこがしているかということだけお知らせしておきます。大阪府の子ども家庭センターと、それから、市の児相のほうがこれが主催者として開催をしておられます。こちらのほうは、公募はしておられません。
それから、大阪市の人権文化センターと、それから、その地域の子育てグループ、こちらが主催になってやっておられる。大阪市の中では2つあるということです。
それから、摂津市では摂津市の家児相が中心になって講座を持っておられます。
それから、高槻市は教育委員会の青少年課が人権協議会と一緒になって開催をされています。
それから、富田林市は、これは市のほうがしているんですけれども、担当の事務局としては、人権協議会がされています。
それから、堺市では児相のほうがされています。児相のほうが主催者でされているところは、いずれも公募はされていませんが、あとは、こういう形で少し募集をかけられています。
大阪府以外には三重県とか、東京都、それから宮崎県なんかでも実施をされています。
この専門のグループに、教育を受けたグループに委託をしてという形で行われているんですけれども、もともと、宝塚の人たちが、これ、実際、グループを立ち上げてあっちこっちで講座を開かれて、委託されて、開かれていたということなんですが、この件に関しては、市のほうはちょっとどういうふうに考えておられるか、教えていただきたいと思います。
山下稔 副市長
現在、子どもの虐待防止、あるいは、育児支援ということでは、本市におきましては、子育て支援として、今、例示いただきましたような赤ちゃん訪問などを行いまして、育児の悩み、あるいはそういうサポート、あるいは虐待の未然防止、そういうような取り組み、また、家庭児童相談室での相談等、そういう取り組みを本市では行っておるところでございます。
今、御紹介をいただきましたようなプログラムについては、本市においてはまだ取り組みは進めておらない現状ではございますが、少人数で語り合って、子育ての苦しさ、あるいは不安を感じている保護者の皆様方に対する専門的なプログラムを継続的に取り組んでいる、そういう現状が最近では大阪府下等で取り組みが開始されているという自治体もお聞きをいたしております。こうしたプログラム、少し、お聞きをいたしますと、いろいろなアプローチの仕方、あるいは、経費も相当高額というふうにもお聞きもいたしております。
そういう各市の実情を一度調査して、検討してまいりたいと思っております。
大島 淡紅子
今、経費の問題が少し出ましたけれども、やっぱりこれ、1回で100万円から150万円くらいかかるということです。
金額的にはそれくらいかかってしまって、本当に、これは無料ということでやりますので、確かに経費はかかるんですけれども、やはり、虐待を繰り返してしまう親をとめるということに関しては、高いのか安いのか、その辺は判断をしていただきたいと思いますが、ぜひともまた、助成金などをしっかりとどこかで取ってきていただいて、検討していただきたいというふうに思います。
以前、ちょっと私もこの件に関して相談させていただきました。社協のほうともお話を持っていったんですけれども、やっぱりとても必要なことだということを現場におられる方たちは思っておられますので、ぜひ検討してください。よろしくお願いします。
続いて、学校給食のことを質問させていただきます。完全米飯給食を目指す計画はあるのかというふうに少し飛んで話をしているというふうに思っておられるかもしれません。
幾つかの点について伺いたいと思います。まず残量についてなんですが、以前、2003年にもう既に完全米飯給食にされております新潟県三条市、こちらのほうは、月1回パン、めん給食もされていたそうなんですけども、2008年からもう完全な米飯給食にされました。
そのとき、危惧されたのが、やっぱり残量の問題なんですね。毎日米飯にすると飽きちゃうんじゃないかという、子どもは。ことがありましたので、いかがかということでしたけれども、2009年度の、2003年度取り入れたときとの比較で、残量がどれくらいになっているかということを調べてみましたら、結構、8から9%、逆に減っていたというんですね。昨年の10月、私、川西のほうに視察に行かせていただきました。川西市はこの2学期から完全米飯給食にされています。去年の10月は同じ3回の米飯で一部自校炊飯だったんですけれども、川西市の残量どうでしょうとお聞きしたんですけれども、残量については、やっぱりパンのほうが残りやすいというふうにおっしゃっていました。
宝塚は、今、両方取り入れておられるんですけれども、その辺はいかがでしょう。数字としてつかんでおられますでしょうかね。
大島 淡紅子
その辺もしっかり検討していただいて、また、後日教えていただいたらいいと思います。やっぱり残量を減らすということも大切な食育の一つだと思います。無駄をなくす、もったいないという言葉を、しっかり命をいただいているんですから、捨てないようにということでお願いします。
それから、川西市の教育委員会の方が、視察のときにおっしゃったことで、すごく心に響いたのは、小麦アレルギーの子が救えるっておっしゃったんですね。毎日米飯にすることによって、小麦アレルギーの子が救えるというふうにおっしゃっていました。
今、小麦アレルギーの子がどれくらいかというのも、もし、数字出せそうだったらちょっと教えてください。ちょっと難しいですかね。
久後昌敏 管理部長
再三にわたって申しわけございませんが、今、手持ちのデータがございませんので、後日報告させていただきます。
大島 淡紅子
これもまた、教えていただけたらというふうに思います。
副食、御飯給食にするということで、どうしても、おかずもやはり御飯に合ったようなおかず、何でも御飯って大体合うんですけれども、大体、副食が御飯のおかずということにだんだんなっていくということで、これは、やはり、以前から食養道運動の中で、皆さん、お聞きになったことあるかもしれません。身土不二という言葉がありますよね。体と土は一体という意味ですけれども、この中にも、自分の住む土地の四里四方、4里ですね、四里四方以内でとれたしゅんのものを食べるということを理想というふうにされています。
副食を和食化することで、地産地消につながっていくということで、ひいてはやはり食料自給率の改善にも御飯食というのはつながっていくということを言われています。
1つ、皆さんにお話ししておきたいなと思うことがあります。最近の研究なんですが、国立国際医療研究センター、つい先日発表がありました。これ、欧米の学会で発表されているんですけれども、食事パターンを3つに分けて、その中でも、健康的な日本食というのがありまして、健康的な日本食、豆とか海藻とかを食べるというような日本食なんですけれども、健康的な日本食の傾向の強い人は、うつ症状との関係を調べられたんですが、うつ症状の頻度が44%と、ほかの欧米型の食事をしている方に比べて低いという数字が顕著に出ていたということをちょっとお知らせしておきたいと思います。
それから、次にお聞きしたいのは、1食当たりの経費なんですけれども、今、運搬費用も含めて、炊飯加工賃というのを払っておられると思うんですね。自校炊飯することによって、1食当たりの経費はどれくらい経費削減になるんでしょうか。教えてください。
大島 淡紅子
1食27円というと、かなり大きい数字になると思うんです。しかし、今回も補正予算にも上がっておりますけれども、全校自校炊飯にするとなると、かなり初期投資がかかると思うんですが、その27円という、この差額を今、学校給食会のほうが親から徴収しているんですが、この27円を収入として、市に納入している自治体もあるというふうに聞いています。これは可能でしょうか。
こちらに聞いたほうがいいのかな。可能なんでしょうか。
大島 淡紅子
その辺は承知しております。トータルとして考えていただけたらというふうに思っていますので、また、御検討ください。よろしくお願いします。
先日の見学会、行かせていただいたときに、少し気になったのが、室温の上昇、ガスがまを室内で炊くので室温がかなり上昇する。それから、立体式、3段の立体式がまなので、一番最下段が、1つずつのかま、すごく重いんですけれども、一番下段のかまを配食しやすいように台の上に上げるというのが、毎日のことですから、腰への負担がちょっと、かなり心配です。
でも、どれにしても、少し改善は可能だというふうに見るので、その辺は改善を要望いたします。
しかし、1回目の答弁の、教育長の答弁ですけれども、国の回数増加の指導というふうにおっしゃったと思うんですけれども、国のほうは、増加の指導がというふうにおっしゃったと思いますが、教育長のほうは今後、回数、今、3回ですが、もし、改善されるんであったら、何回にされるというふうにお考えでしょうか。教育長、お答えできますでしょうか。
大島 淡紅子
ということは、今後考えるということですね。わかりました。
今まで食育推進会議というの、2回開かれていますけれども、ここでも完全米飯給食を望むという声が上がっていたと思うんです。
市長は8月19日、農林水産大臣に米飯給食回数増加支援の拡充を要望されましたけれども、その内容について、市長の思いをお聞かせいただけたらと思いますけれども。
中川智子 市長
今、農水大臣もかわってしまったんですが、当時の山田農水大臣に、やはり自給率の向上のためにも、また、子どもたちの本当に、おいしい御飯、体にいいもの、体をつくる一番の大事な時期ですので、完全米飯給食週5回、そして自校炊飯に対しての国の支援、経済的な支援をお願いしたいということを言ってまいりまして、そしたら、ふんふんとうなずいた感じでございました。もう必死に伝えてまいりました。
大島 淡紅子
ありがとうございました。
最後ですが、冒頭で申し上げましたけれども、学校給食は食という人間の根源的な生活や文化を学ぶ教育です。愛媛県今治市では、学校給食を通じた食育を学んだ子どもたちが親世代になり、すぐれた消費者として育っていました。それを実際、私たちは見てきました。
食育というのは本来家庭で教えるべきものです。以前行きましたデンマークには学校給食はありませんでした。そのかわり、毎日、必ず夕方6時には家族で食卓を囲み、食や一家団らんを楽しむ、そんな暮らしが望めない今の日本の子どもたち、そんな子どもたちが増加する日本では学校給食が家庭の食卓にかわるものであるならば、9年間の学校給食を最高のものにしてほしいと願っています。
続いて、2つ目の大きな質問にいきたいと思います。自死遺族の支援についてです。市のホームページ、自殺予防、先ほども御紹介ありましたけれども、自殺予防のトップページ、淡いパステル調のデザインで、本当にすてきな絵が書いてあって、あれは職員さんが書いたのかなということで、とても優しい、とてもいいデザインだなというふうに思います。大切な方を亡くされた方へというふうになっています。
しかし、これを見てちょっと私は愕然としたんですね。もう1回クリックしてみますと、おわかりだと思うんですけれども、ずらずらとグループが、外部リンク、こちらへ外部リンクという感じで、グループの名前だけがぽんと羅列してあるだけなんです。
これは本当に市の責務じゃないから、どうかそっち飛んでくださいというふうな、言わんばかりのページではないかというふうに私は思いました。
自殺対策基本法の第18条には「国及び地方公共団体は、自殺又は自殺未遂が自殺者又は自殺未遂者の親族等に及ぼす深刻な心理的影響が緩和されるよう、当該親族等に対する適切な支援を行うために必要な施策を講ずるもの」というふうにあります。これをよく踏まえていただきたいなというふうに思います。
今、市役所とか健康福祉事務所での自死遺族の相談の状況をお伺いしたいんですが。
木本丈志 健康福祉部長
兵庫県の自殺対策担当である健康福祉事務所にも、専用の窓口は置いてございません。
大島 淡紅子
確かに置いていないです。以前少し、私の知り合いからも相談はどこへ行ったらいいんだということで、調べてみたときも、やはりありませんでした。
女心を考える相談とか、そういう形ではあるんですが、自死遺族に特化したものというのはありませんでした。
そのときも、それならば、分かち合いの会というのがあるだろうから、遺族に対する会があるから、それを教えてほしいということだったので、それも調べてお知らせをしました。しかし、その方は、神戸にあるんですね、すべてのグループは。そんな遠いところは出かけられないというふうにおっしゃっていました。
今も、2007年度の自治体による自死遺族支援の取り組み状況というのを見てみますと、対面の相談は25%、電話相談15%、それから、あとはグループの運営が37%、普及啓発が70%ということで、自治体自体がやはりなかなか相談業務というのは、できていないということがよくわかりました。
それから、先ほどお話ししました自殺総合対策大綱の中の8項目めが、残された人の苦痛を和らげるにはということなんですけれども、ここには4つ項目があります。
1番目が自殺者の遺族のための自助グループの運営支援、それから、2番目が学校、職場での事後対応の促進、それから、3つ目、遺族のためのパンフレットの作成、配布の促進、それから、4番目が自殺遺児へのケアの充実というふうになっています。
この中の2番目と3番目については、さっきお答えなかったと思いますので、どのように取り組まれておるのか、お知らせください。
橋元泰雄 学校教育部長
学校関係に対しまして、教育委員会の対応といたしましては、教育支援課の臨床心理士やスクールカウンセラーによりまして、当該の学校の教職員及び児童・生徒や保護者に対する心理的ケアが確実に行われるように、また、学校における対応が適切に行われるように、必要な支援や助言を行っております。
具体的には、発生直後に指導主事と臨床心理士が当該の学校を訪問し、教職員たちに対してストレス反応とそれに対する対処方法についての情報提供、また、子どもの様子についての情報交換、子どもへの説明の仕方などの内容で研修を実施してきております。
また、その後、数週間にわたって子どもたちの示すさまざまな反応やストレスチェック、アンケートの実施についての専門的な見立てと、適切な情報を提供するといった形で支援を行ってきております。
以上でございます。
大島 淡紅子
わかりました。学校現場でもかなりいろいろなことを苦慮しておられると思いますが、とても、大切でナイーブな問題ですので、しっかりと研究、また進めていっていただきたいというふうに思います。
イギリスのほうの国営の医療サービスが発行された自死遺族支援ガイドというのがあるんですけれども、これは実際にそういう自死が起こった場合に、サービスとして、どういうふうにしていったらいいかということをまとめた本です。この第1章にばんと出てくるのが、実際の問題ということなんですね。
2番目が死別においてどんな経験をすることになるか、そういう予測です。
それから、3番目、残された人に特に必要となること。その残された人というのが、子を亡くした親、子どもたち、それから若い人、また高齢者、イギリスなので同性愛者というのもあります、これは権利を保障されているかどうかということです。それから、障がい者に対してです。
それから、4番目が友人や同僚にできることということにも、このガイドには言及をされています。
今、この事例を申し上げたのは、何かといいますと、一番困られるのは、何をしていいかわからない、どういう手続をとったらいいかわからないし、そういう気にもなれないということがまず最初に起こってくると思うんです。
これは自死に限らず、突然愛する人を亡くされた方にとっては、もう本当、心の準備なんてまずできていませんから、頭の中は混乱する。何をどうしていいか全くわからない、真っ白な状態で、何をする気にもなれないというふうになっておられる方がほとんどだと思うんですね。
このときに、できればやっぱりワンストップサービス的なものがあれば、本当にいいなというふうに思うんですけれども、いろいろなところでシンポジウムが開かれているんですが、そのシンポジウムの報告をずっと取り寄せて読んでいましたけれども、自助グループの主催者の方たちがパネラーになってお話をされている中で、やっぱり行政は行政にしかできないことをしてもらったらいいんだということをすごくおっしゃっていました。
だから、例えば、自助グループを立ち上げるときに少し手伝ってもらうとか、それから、今言ったような行政手続どうしたらいいのだということをお話ししてほしいということをおっしゃっていました。
それは長崎県とか、先行事例がございますので、また担当者の方にお渡ししたいと思います。しっかりと、今、何をしていったらいいのかということをきちんと表にあらわして、出ているものが、実際に長崎県ではつくっておられるんですね。こういうのを参考にして、また、検討していっていただけたらありがたいと思います。
最後になりますが、日本の社会では宗教的な背景もあり、自死は中途の挫折、敗北の結果と考えられてきました。だから、自死遺族に特化した集まりでないと、自死遺族の悲しみが話し合えないこと自体が問題なのです。
しかし、亡くなった彼らは全生涯を生き切るまで死ぬほど苦しんだ経済や生活、健康、家庭などの問題に対し、改善に向け、懸命に努力し、闘い続け、周囲の人を思いやって迷惑をかけまいと死を選びました。
亡くなった方の尊厳を奪うことなく、御遺族にとって実際の問題を乗り越えるとき、最も頼りになる宝塚市とならんことを願って私の質問を終わります。